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蜘蛛のカップにくちづけを

ティーポットにはフルーツティー

薔薇のティーカップが運ばれてくる

素敵なお庭でティータイム

テーブルにはそっと

ティーポットとティーカップが置かれる

さて、これから素敵なティータイムと思っていたら

薔薇のカップの蓋を7㎜くらいの蜘蛛が歩いている。

カップには何も入っていなかったが

とっさに中身をこぼすようにカップを逆さにする

すると蜘蛛は下へ落ちるようにすーーーーーっと

長い糸を引いて地面の近くまで一直線に降下した

藍子は逆さまにしたカップの手の位置を少し下げる

すると蜘蛛は地面に着地して歩き出す

カップの蓋を左手の親指で拭う

そのままカップをソーサーに戻し

温かいフルーツティーを薔薇のカップに注ぐ

藍子は香りを香ってから

蜘蛛が歩いた薔薇のティーカップに

くちづけをするようにフルーツティーを飲む

ホッと一息ついた




ふと…なんとなく

自分が座っている椅子の右手の肘掛けに目を移す

するとさっきの蜘蛛がいた

そうか一緒にティータイムをしたかったのか

右手の人差し指の爪で

蜘蛛の足に触れる

蜘蛛は逃げない

そうか一緒にホッとしたかったのか

もう一度

右手の人差し指の爪で

蜘蛛の足に触れる

蜘蛛は逃げない

やっぱりそうか

それでは一緒に楽しみましょう♪


そしてまた藍子は蜘蛛のカップにくちづけをする






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