見出し画像

【1/12開催】地域防災にジェンダーの視点を。私たちが日常からできること、考えること。


札幌が、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)が実現した街になる未来を目指して札幌市と札幌市男女共同参画センターが開催する、企業向けセミナーと市民向けセミナー全13回のオンラインフォーラム「#SAPPORODIVERSITYFORUM」。
 
2021年からはじまり、今年度で3回目の開催となります。
 
近年、大雨、洪水、地震など大規模災害が頻発しており、日ごろからの備えが必須になってきています。そして、そうした大規模災害時には、ジェンダーの視点が抜け落ちていることが指摘されています。
今回は、防災ライフプランナーの水口綾香さんを講師にお招きし、「地域防災にジェンダーの視点を。私たちが日常からできること、考えること。」をテーマに市民向けセミナーを開催いたします!
 
セミナーに先駆けて講師の水口さんにコラムをご執筆いただきました。
 
↓セミナーの詳細はこちら↓
****************************************
市民向けセミナー「地域防災にジェンダーの視点を。私たちが日常からできること、考えること。」
講師:防災ライフプランナー 水口 綾香 さん
日時:令和6年1月12日(金)19:00~20:30
会場:オンライン(zoom)
(当日参加が難しい場合は、オンデマンド配信をご覧になれます ※いずれも申込必須)
対象:札幌市に居住・通勤・通学する方 /定員20名
   
お申込み:https://www.danjyo.sl-plaza.jp/event_post/sapporodiversityforum-portal2023/ 
****************************************
 
 
 
 
みなさんは、もし災害にあった時に自分が逃げる避難所や地域の助け合いのルールは、だれが担っているか知っていますか?
 
実は、行政が担っている部分と地域の町内会が担っている部分があります。
避難所にいけば行政が助けてくれるんでしょう?と思っている方が多いのですが、本当に大変な災害の場合、行政の助けはなかなか届きません。
 
防災用語で、自分で自分のことを助けることを自助、地域での助け合いを共助、行政の助けを公助といいます。
阪神・淡路大震災での救助の割合は、家族も含む「自助」が7割弱、隣人等の「共助」が3割であり、「公助」である救助隊による救出は数%に過ぎなかったという調査結果があり、発災後は自助共助が大切なことがわかります。
 
そしてこの大事な共助は、札幌市ではほぼ町内会が担っています。町内会以外の企業や団体にこのことをお伝えすると95%以上の人は町内会が担っていることを知らず「それは行政の役割だと思っていた」とおっしゃるんですが、実は防災を進める現場は私たちの暮らしのすぐご近所にあるのです。
 
さて、町内会は多くの場合、男性の後期高齢者が主体となっています。もちろん、私と同世代の女性が町内会長さんになっているところや、町内会を束ねている連合町内会の会長を女性がリーダーとなって進めている地域もあるのですが、残念ながらごく少数です。
この町内会という組織が、地域防災のメイン舞台なこともあり、防災の講演会や学習会、大小の様々な防災会議のほとんどは高齢男性が占めている、というぐらい防災の現場は性別だけでなく年齢でも極端な偏りがあるのが現状です。
 
そしてこの極端な偏りが、災害が起こった後の被災生活においてリスクとなりえることが分かっています。
 
令和2年5月に内閣府男女共同参画局から発表された
災害対応力を強化する女性の視点~男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン~
https://www.gender.go.jp/policy/saigai/fukkou/pdf/guidelene_01.pdf
 
には、冒頭でこう書かれています。
 
“東日本大震災をはじめとするこれまでの災害においては、様々な意思決定過程への女性の参画が十分に確保されず、女性と男性のニーズの違いなどが配慮されないといった課題が生じました。”
 
地震や台風といった自然現象が起こった時、地域でダイバーシティが進んでいないことで、人によってはその災いがより大きなものになってしまうことが分かっています。そしてそれは、最悪の場合人命を左右することになります。
防災にジェンダーの視点を取り入れることは、「進めなければ最悪人命が失われる」という危機感をもって、自分たちが暮らすご近所でダイバーシティを草の根から推進することなのです。
 
地域でのこの取り組みは、非常に地道で難しいです。ダイバーシティに興味関心がないばかりでなく「言葉すら聞いたことがない」という方たちも多い中で、様々なマイノリティの当事者をただの人数合わせではなく本当の意味で参画できるようにしていくことになるからです。難しい場所で実践するということは、自分を中心とした地域社会のダイバーシティを強力に進めていくときの、ある意味本丸に最短ルートで進む手段でもあると思っています。理解者や協力者が増えた時や、何かが変わりそうな瞬間の喜びはとても大きいです。
 
防災は一番悲惨な状況で災害を迎えずに済むための手段であり、災害に左右されない人生を生きるための安心安全の土台です。この安心安全の土台に誰もがきちんと乗れていると実感できるように、草の根の活動を進めています。
 
講座では、札幌防災の状況や草の根の活動を通して、一緒に防災でのダイバーシティを考えていきたいと思います。

 
■講師プロフィール




水口綾香(みずぐち あやか)(防災ライフプランナー)
 
所属
フフジカン代表
防災したっけ代表
 
大学時代に地震、波、火山、気象、雪氷等自然現象を学び防災に目覚める。
㈱ウェザーニューズに入社し、企業や自治体の災害リスクコンサルティングを経験。
結婚を機に退社、育児中の東日本大震災で暮らし目線の防災の必要性を痛感した経験から、高齢者や障がい者、子ども、保護者、障がい者など要支援者への防災研修をはじめ、企業や行政職員への研修も実施している。また主催する団体防災したっけでは女性が防災啓発で活躍しやすい環境を考え日々実践している。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?