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ウイルス感染したチューリップが人気

いつも読んでいただき
ありがとうございます。
さおりんです。


春になると色とりどりの花が
たくさん咲いてわたしはいつも
この時期は一つひとつのお花を
見ると幸せな気持ちになります。


わたしは一番チューリップの花が
好きです。
チューリップの品種の中には
花びらに斑点やツートンカラーの
複雑な模様が入ったものがあって
美しいんです。


この種類は
「斑入り」や「ブロークン」
と呼ばれて、珍重されています。

かつて17世紀のオランダでは
チューリップの球根でバブル景気が
引き起こされました。


なんと、球根1個に
一般市民の年収の十倍もの価格が
つけられたり、家一軒と取り引き
されたりしたのです。
このチューリップバブルの中でも
特に高値で取引されたものが、
「斑入り」や「ブロークン」です。


これは、突然変異や遺伝子組み換え
によりごくまれに突然変異で
花色が変わる場合があります。
しかしその確率は
10万分の1~100万分の1
といわれています。


ところが現在ではこの複雑な模様は
ウイルスによって引き起こされる
症状であることが知られています。


ウイルスとチューリップの相互作用
により花弁のアントシアニン合成が
影響を受けた結果と考えられます。


こうして
モザイク状のまだら模様が生じます。
このモザイク模様が
複雑で美しいチューリップの花を
作っているのです。


それにしても
ウイルスに感染したチューリップは
ウイルスによって枯れてしまうこと
はないのかなと疑問でした。


植物にとっても
ウイルスが病気を引き起こす
恐ろしい存在であることに
代わりはありません。


植物はウイルスが来ると
「過敏感細胞死」という防御策
を行います。
それはウイルスに感染した細胞が
ウイルスを中に閉じ込めたまま
自ら死んでいきます。
こうして、他の細胞にウイルスが
汚染するのを防ぐのです。


植物は、常にウイルスの猛威に
襲われていました。
そして、ウイルスとの戦いに
敗れ去った植物は
進化のドラマの中で
滅んでいったのです。


しかし不思議な現象があります。
イチゴやサツマイモなど
株分けしたり芋で増やすような
植物の、茎の先端の成長点と
呼ばれる細胞だけを取り出して
培養した苗を作ると
生育が良くなったり収量が
増えたりするとされているのです。


成長点だけを取り出して作った苗は
「ウイルスフリー苗」
と呼ばれています。


これはウイルスを取り除いたこと
によって、植物は重りを外して
もらったかのように
旺盛に生育するのです。


それにしても
ウイルスを取り除いたということは
イチゴやサツマイモの株には
もともとウイルスが潜んでいた
ということになります。


ウイルスは恐ろしい存在です。
ウイルスに感染すれば
植物は深刻な症状を引き起こし
枯れてしまいます。


とはいえ、ウイルスを完全に
防御することは簡単ではありません。
植物は、長い長いウイルスとの戦い
の中で、ウイルスを体内に
取り込んでも枯れないという戦略を
発達させました。
そして、「ウイルスと共に生きる」
という進化を遂げたのです。


ウイルスの立場に立ってみると
感染した植物が枯れてしまうと
ウイルス自身も死んでしまいます。


そのため、ウイルスは植物を
殺しながら次々に感染していく必要
があります。
植物がウイルスの蔓延を
防いでいれば毒性の強いウイルスは
感染することができずに
死滅していきます。


こうしてウイルスと戦い続ける中で
植物の体内で封じ込められる程度の
弱いウイルスのみが生き残ること
になるのです。


そして植物は影響の少ないウイルス
と共に生きる道を探り当てたのです。


美しく気高い斑入りのチューリップ
の花色は、ウイルスと植物との
長い戦いの末に作り出されたもの。


ウイルスと共存する道を選んだこと
によって、チューリップはそれまで
にない新しい色を作り出しました。
そして
新しい価値を生み出したのです。


私たち人類も、長い歴史の中で
常に感染病やウイルスと
戦い続けてきました。


そして、21世紀に生きる私たちも
今、ウイルスとの戦いのさなか
にあります。


植物は、進化の答えとして
「ウイルスと共に生きる」戦略
を選びました。


私たちは、どのような答えを
出すのでしょうか。
このチューリップのように
新しい世界を作ることが
できるように一人ひとりの
世界観が大切にされるように
なることを祈っています。


ここまで読んでいただき
ありがとうございました。
さおりんでした。

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