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産褥期、退院直後の記録

上の子が、「○○ちゃんも持ちたい、1人で持ちたい」とひたすら赤子を撫でまわし、赤子の顔1センチの距離で豪快に咳をする。常にハイテンションで、テーブルの上に乗ってダンスをしてはジャンプを繰り返す。かと思うと、赤子に背を向けてiPadをひたすらつついている。かと思うと、暗闇で赤子とゆびきりげんまんしていたりする。情緒がジェットコースター。

授乳は、入院中は吸えていたのに乳房緊満が出てきたことでうまく吸えなくなり、赤子がギャン泣き。乳汁は分泌していても嫌がってなかなか吸いついてくれないことにやるせなさと焦りが出てくる。
赤子と上の子と両方が泣きだすと夫との会話の声も全く聞こえなくなり、脳内にパイプオルガンが鳴り響く感じになる。カオス。

夜間は、授乳時に上の子が起きないかが一番の気掛かりだったが、赤子が泣いても思いの外、夫も子どももぐっすり寝たままでほっとする。一度だけ、寝ぼけた上の子が「ママ一緒に寝ようよー」と泣き出したので、授乳終わりのタイミングで添い寝する。赤子の泣き声は、うちのヤカンのお湯が沸いた音と酷似していて、毎回一瞬混乱する。

短い睡眠では、なぜかいつも怖い夢を見て不安な気持ちで目が覚める。命を狙われたり、車ごと海に流されたり、子どものお迎えのバス停を間違えてひたすら探したり。泣きながら起きることもあり、夢か…とホッとする。ホルモンの影響か?

私のからだは、入院中より動いてしまうためか、悪露(出血)が増えた。出生届を出しに役場に行っただけで、骨盤に軋むような痛みと腰痛が出る。やはり、まだ動いてはダメな時期だと痛感する。とはいえ、家に帰るとどうしてもあれこれ気になってしまう。産前に家の大掃除をしておいたのは正解だった。

ゾウのように浮腫んだ足は、足湯をしたら2日ほどで忽然と消え去り、もはや幻だったかなと自信がなくなってくる。猫町ならぬ、象足🐘🦵

退院二日目から実家の母が来てくれ、上の子とずっと遊んでくれる。イヤイヤに困憊していたので救世主のように後光が差して見えた。上の子の出産時は、コロナで新生児期に会ってもらえなかったので、今回は母にくたくたの児を抱いてもらえて嬉しい。
朝の幼稚園に行くまでの怒濤の時間は、夫と母と私でできることを手分けしてやる。一体感が出てきて、頼もしい。食事に毎回野菜があることに感動する。

産科に勤めていた時は当たり前のように毎日新生児と会っていたが、一人子どもを育てて、新生児の一ヶ月はあっという間に過ぎ去り、ものすごいスピードで子どもは大きくなっていくものだと体感した。産科はいわばネバーランドだ。成長することは嬉しい反面、生まれたてらしさ、新生児らしさを刻一刻と失っていくことだと知ったので、今回は尊い一日一日を大切に新生児期を過ごそうと肝に銘じている。

今日で生まれて一週間、オメデトウ。

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