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ブルブルブル〜ン。私の身体の中で、大きくエンジンを吹かす音が聞こえた。

6月末から家庭と仕事のバランスを崩し、休職していた私。これからどうするのかを考える期間としておいていた、3ヶ月の有休消化を終えようとしていた。

退職するのか、復職して働くのか、このまま休職を続けるのか。

とうに答えが出ているようで、出せずにいた。14年半働いてきた会社を退職すること、その決断を下すことが怖かった。後戻りのできない決断。退職後の自分はどうなってしまうのか。自分次第であることはわかっているのに、「どうなってしまうのか」の思考には、他人任せな自分がいた。

期間に名前をつける

そんな時、ミライフのゆうすけさんが相談に乗ってくれた。自分の胸の内をどんどん言葉にして外に出していく。最終的には、自分の現状や将来を踏まえても、会社を退職するデメリットはないと判断ができた。むしろ、自分の今、これからを考えると、会社で働き続けることのデメリットの方が大きいこともわかった。


じゃあ、どうする?

この段階まで現状整理した上で、スカッと退職を決断できない理由は、先がわからないことへの不安が理由だ。転職先を決めているわけでもない、やることが明確に決まっているわけでもない。でも、やりたいことや、少しづつ歩みを進めていることはある。

「退職後の期間に名前をつけたらいいよ」

「一旦期間も決めておくといいよ」

人は、何かわからないものに対して不安を抱く。古代の人々は、暗闇を怖れたという。人間の五感を超えた知覚できないもへの不安は、今も昔も変わらず、「動物として」の人間の本能的な不安感だという。

参照:モダンメディア 55 巻 9 号 2009[人類と感染症との闘い]—「得体の知れないものへの怯え」から「知れて安心」へ — 第 1 回「人は得体の知れないものに怯える」https://www.eiken.co.jp/uploads/modern_media/literature/MM0909_02.pdf

自分の退職後の半年間に名前をつけることにした。

「フリーランスとしていろんなことにチャレンジして学ぶ期間」

こんな名前をつけてみた。嘘みたいな本当の話。退職後の私は、「フリーランスとしていろんなことにチャレンジして学ぶ期間」を過ごす、と思うと不思議と不安がなくなった。その半年間での学び、出逢い、感じたことから次のステップを考えていけば良い、そう思うことができた。

ある朝の公園。青空の下、zoomで会話しながら私の心は決まった。あの日、天から降り注ぐ太陽の眩しさを忘れない。翌日、会社へ退職の意思を伝えた。

自分の新しい道に名前をつけることで、目の前にあった「不安」が「ワクワク」に変わった。自分で名前をつけたことで、その道に愛着も湧いてきた。「どうなるのだろう・・」の人任せ思考から、「どんな道にしていこうか」とムクムクと主体性も出てきた。

自分で名付けた道、一歩いっぽ歩みを進めていく。「いろんなことにチャレンジして学ぶ期間」と名付けたことから、どんなチャレンジに対しても前向きに取り組めるようになった。

自分の理想未来に名前をつける

そして、さらに、9月から参加していたMCD最終プレゼンに向けて、理想未来の旗を立てる。これまでの自分の人生を振返り、これからの5−10年、どこを目指して歩んでいくのか、目指す方向を言語化して旗を立てる。MCDで出会った仲間たちからも言葉をもらいながら、自分のキャッチコピーとなるような理想未来を言語化していく。

耳障りの良いカッコいい言葉はポンポン出てくるが、自分の言葉ではない。借り物の言葉である感じが否めない。この、その言葉が自分の心と体にスッと溶け込む一体感が大切だ。キャッチーな言葉を作ってみては、しっくりこないという自分の感覚を大事にして捨て去る。また新しい言葉を考えるを繰り返す。「名前を付ける」ことは、見えないものを可視化することに似ている。名前を付けることで、見えないものをイメージして不安を取り除く一方で、その言葉のイメージに縛られることでもある。友人が、「名付けは贈り物にもなるし、良くも悪くも呪いである。言葉の力」と言っていた。でも、名前をつけることを怖がることはない。違うと思ったら、変えればいいのだ。自分の生きる道の名付け親は、自分なのだから。

理想未来を語るプレゼン3日前、しっくりくる言葉に出会い、理想未来を言葉にすることができた。

出会いを楽しむ、寄り道ライダー。正しい道より、楽しい道を。最短距離より、寄り道を楽しんで。

今の私はまさにこれだ!の名前を付けることができた。「自分はどうありたいのか」を軸にして、仲間からの言葉、本の言葉をヒントに生み出した私の理想未来。これまでは、仕事でも家庭でも生産性を上げて効率よく、最短距離でことを成すことを追求してきた。次第に目的を達成しても、そこに遣り甲斐や面白さを感じることがなくなっていった。そんな私が欲していたものを素直に言葉にした。

この言葉が生まれた瞬間、寄り道ライダーのエンジンがかかった。真っ赤な原付に颯爽と乗り込み、アクセルを吹かす。

「さあ、行くぞ!」

キャンプやキャリアの記事を書きたいとweb媒体に営業をかけてみたり、自動車学校に入校したり、新しいアウトプットを始めたり、寄り道ライダーの旅は始まったばかり。沢山の人たちと出逢いながら、寄り道を楽しんで行き先を決めていく。街で真っ赤な原付でゆっくり走る、寄り道ライダーを見かけたら、「寄っていって〜」と声をかけて欲しい。


新しい年が始まる

2022年、どんな年にしたいかと考える人も多いのではないでしょうか。

「期間を決めてその期間に名前をつける」

「自分のありたいイメージに名前をつける」

現状を整理して、未来の自分を考える。今と未来のギャップが大きければ、調整が必要だ。心の声をじっくり聞いて、これからの時間と、自分のありたい姿に名前をつけよう。その言葉が自分にしっくり来たならば、エンジンがかかり、動き出すだろう。


【MCDについて】https://www.miraif.co.jp/mcd




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