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運動嫌い、初めてのフルマラソン|健康と社会的メリット

僕は根っからのインドア派で運動嫌いなのですが、10年ほど前にフルマラソンを完走したことがあります。

僕にとってのフルマラソンは、練習も本番も本当にしんどい経験だったので、「何故走ってるのか」と何度も自問し、完走してからも「もう二度とやらない」と決意したような、そんな過酷なスポーツだったと言えます。

しかし大会に参加してみると、本当に多くのランナーたちが出場し完走している事実を目の当たりにします。

何故こんなにしんどいスポーツがこれ程人気があるんだろうか。そういった疑問が自然と浮かんできたことを強く覚えています。

しかし、その疑問は完走してからの様々な場面で解消されることになります。フルマラソンを完走したメリットは至る所で発揮されることとなりました。

運動嫌いの僕が完走を目指すことができたのも、フルマラソンには単純なスポーツとしての効用以上に得るものがあったからなのでしょう。


フルマラソン完走の一般的なメリット

フルマラソンは42.195kmもの長い距離を走り続けなければいけません。車も電車もある現代において、何故わざわざそんなに長い距離を走る必要があるのか。

まずひとつわかりやすい動機としては、運動による身体的な充足感や健康的な生活習慣の推進など、実質的な効用を手に入れることができるという点です。高い目標を置くことで日々の行動のモチベーションを高めながら運動を続けることができるようになります。

もうひとつは、フルマラソンを完走することで、高い目標意識を持ちそれを達成するための努力を成し遂げる力を社会に向けて証明できるという点です。

ウォーキングやジョギングの様な軽いフィットネスの様な気持ちでは達成が難しい長い距離なので、完走したことがない人に対しては「物凄くストイックな努力ができる人」という印象を与えることができるはずです。

フルマラソンを完走すると、自分に自信を持つことができるうえに、他人からの信頼も得ることができそうです。

フルマラソン完走は健康と挑戦のシンボル

フルマラソンの凄いところは健康増進のような一般的なメリットだけに留まらないところにあります。

フルマラソンは、その高い認知度から健康のシンボルになっています。そして目標に向けて努力をする、挑戦のシンボルにもなっています。

42.195kmという距離も認知度が高く、走ったことがない人でも「すごい長距離を走る」ということが直感的にわかるほどのイメージが出来上がっています。

こういったイメージを直感的に抱かせてくれるのは「距離が長い」ということだけはなく、フルマラソンが「象徴」になっているからだと思います。

トライアスロンやウルトラマラソンの方が内容は過酷です。しかし「フルマラソン完走」は、それ以上にわかりやすく社会的なステータスとして意味を持つことになります。

運動嫌いがフルマラソンを完走した理由

ここで、運動嫌いだった僕がフルマラソンを完走した理由を書きます。

僕がフルマラソンに挑戦した理由は病気の克服と社会復帰のためです。

当時の僕は胃がんに罹って2年が経過しようとしていたころで、胃を全摘出していたため食事をほとんど摂ることができず、体重はわずか41kgまで落ちて痩せこけた身体になってしまいました。

おまけに23歳の4月に就職した会社を治療のためわずか3か月で退職してしまったので、そんなガリガリの身体で胃がんという既往歴を携え、実務経験がないまま再就職活動に臨むという無謀な挑戦を始めていたのです。

当然うまくいかずに不採用通知をたくさん受け取る毎日を過ごしていました。

この状況を変えようと始めたリハビリがジョギングでした。闘病中は無職だったので時間だけはあります。毎日行うジョギングは少しずつ距離を伸ばしていきました。

その後、このジョギングもひとつの成果としてかたちにすれば「元気であることの証明」になるのではないかと考え、「闘病を経てフルマラソンを完走する」というストーリーにまでかたちにすれば、強いインパクトも残せると
思ったのです。

さっそく「完走できそうな大会」を条件に申し込みをしました。緩やかなコースで涼しい時期に開催する、完走の制限時間も長い大会に参加することになります。それから半年かけてトレーニングを続け、フルマラソンの当日を迎えました。

当日は制限時間ギリギリでなんとか完走することができ、完走証明書のようなものもいただいて「健康と挑戦のシンボル」を手に入れることができました。

これによって再就職を目指した面接時には、退職した理由から復帰までの過程を説明する時に、フルマラソンを完走したストーリーを加えて話せるようになります。

やはりインパクトがあるようで、治療を乗り越えて今も本当に元気であると信じてくれるようになりました。闘病を経ているためドラマ性も付与され、最終面接官だった社長も感動してくださり、その場で内定をいただくことになります。

フルマラソン完走の力を引っさげて、正社員として社会復帰することができたのです。

尚、就活における面接の詳細はこちらの記事で書いています。

健康と挑戦のシンボルを誰でも手に入れられる時代

こんな書き方をしましたが、それでもやっぱりフルマラソン完走というのは非常に過酷なスポーツだと思います。

しかし、運動嫌いで病み上がりだった僕でも何とか完走することができたのですから、しっかりと準備をすれば多くの人が達成できることでもあるはずです。

現代はドロップアウトしてしまうとなかなか復帰が難しい世の中なので、しんどい思いをしながらもがいている人は今も多くいるでしょう。

そんな厳しい現代を生き抜いていくうえで、健康と挑戦のシンボルであるフルマラソン完走はひとつの武器になり得る、価値のあるスポーツだと思います。

そして何より、フルマラソンはこれ程のインパクトを貰える価値あるイベントにも関わらず、年代も性別も問わずに誰もが個人で参加できるというところが、他に類を見ない最大の魅力だと思います。

フルマラソンは多様性への足掛かりでもあり、様々な人に対して健康と挑戦のシンボルを提供してくれます。

もし、何か困難な状況に陥っている人がいたら、それを乗り越えるための武器として、フルマラソン完走をひとつの挑戦として提案したいです。

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