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かき氷に学ぶ経済学|自分のなかの価格基準を持つ

この前、観光目的で海に行ったところ海岸沿いでビールを飲めるお店があったので、コロナビールを買って海を眺めながら飲むことにしました。コロナの飲み口にライムが入れられ、値段は650円です。

ビールだけではなく、ビーチということもありかき氷が売られていました。だんだんと気温が上がってきていることから売れ行きも好調のようで、家族連れの子供たちなどはカラフルなシロップが掛けられたかき氷を持って嬉しそうに食べています。

かき氷の値段を見てみると1,000円近くすることに気づきました。確かに量も多くシロップもたっぷり掛けられているので、ビーチという絶好の場所で天気も良かったら妥当な金額かもしれないと納得がいきました。

しかし、よくよく考えてみると、水を凍らせて削ったものに1,000円という値段が付くのは良い商売だとも思ってしまいました。もちろん製氷機や氷を削る機械およびシロップ代その他人件費も考慮すると、そうでもしないと利益が出ない事情は理解できます。

でもただの水を凍らせて削ったものだしな…と思うと、需要と供給にあわせて値段が設定される市場とは本当に奥が深いものだとしみじみ感じてしまいました。650円のコロナビールだって、スーパーで買えば300円前後で飲むことができる同じビールなのです。

商品の価値というのは、その商品の品質と注がれた労働力だけではなく、顧客および市場が判断することで決まります。市場はこのかき氷のことを、僕の様に「ただの水を凍らせて削ったものでは」などと判断せずに、バカンス中のビーチ沿いで作られる、シロップたっぶりでインスタ映えもするふわっふわの美味しいかき氷で、1000円くらい充分に支払える商品、と判断しているわけです。

そういった様々な事情で設定される商品価格に対し、自分のなかでも明確な価値観を持っていないと市場に振り回されて商品を購入してしまうことに繋がるため注意が必要です。

僕が海辺で650円するコロナビールを買ったのは、その時の気候やロケーションのなかで飲むビールは、味わいや香りなどの品質だけではなく、その空間に身を置くことにも価値があると判断したからです。スーパーで650円のコロナビールが売っていてもおそらく買いません。

これは海辺の様な特別な場所でのことばかりではなく、日頃の買い物でも同じことが言えるはずです。

コンビニで売られている商品はスーパーに比べて基本的には割高ですが、コンビニは店舗数も多く便利な立地にあり、尚且つ24時間空いています。その利便性に助けられるのであれば、少し割高な商品を買ってもその価値を感じることができるはずです。

裏を返せば、特に忙しくもない時に、スーパーが近くにあるにも関わらずコンビニを多用していたら、それはコンビニの便利さに依存してしまっているに過ぎません。すぐにスーパーを活用して無駄遣いを減らす習慣をつけるべきです。

今回は、何もかき氷に1000円払うのは無駄だ、といったことを言いたいわけではなく、自分にとって価値のあるものは何であるのかを明確にしておくことが大切だということです。

世間では円安が進み物価高も続きそうな気配で、余計な情報が市場に跋扈する様相を呈してきています。そんな時こそ自分のなかには確固たる価値基準を持っておきたいものです。

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