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ビジョンと魅力の見せ方|イオンモールに学ぶ

ここ最近になって職場の若い社員がひとり退職する希望を出し、管理職である僕は部長からの指示で、その社員を引き留めるミッションを与えられていました。

約1カ月くらいに渡って、本人としっかりと向き合って話をしたのですが、最終的にはやっぱり退職をするという結末を迎えたところです。

今後こういったことが起こった時に、次こそ引き留めることができるのか正直なところ自信はありませんが、個人的にも非常に良い経験になったと思っています。

退職する理由というのは人それぞれ様々な理由があるものですが、ここ一年くらいで会社が急成長を目指し始めたことで、既存の仕事量も増えながら新しい業務も始まるような、ハードワークをしなければならない環境の変化に耐えられなかったのだと思います。

そういった変化を受け容れられるマインドを持つことができず、また、その変化を受け容れることの魅力とビジョンを僕がしっかり伝えられなかったのでしょう。

そんな変化の激しい状況でも活き活きと働き続けるためには、明るいビジョンや魅力をしっかりと伝えることが大切なのだと思います。

話は変わりますが、僕の実家はなかなかの田舎で、山や川がある自然豊かな地域に住んでいます。実家の自分の部屋の窓を開けると、一面が林になっていて静かで落ち着く景色が広がっていました。

しかし、僕が19歳だった頃のことです。朝起きてカーテンを開けると、そんな一面の林が一斉に伐採されていたことがあります。

前々から囁かれていたイオンモールの建設が遂に始まったのでした。その後、急ピッチで建設が進み、僕の実家の目の前にはイオンモールがそびえたつ様になりました。

もともと住んでいる身としては、そういった巨大資本を持った施設が近所の森林を伐採して商業を始めるということに、少なからず抵抗感を抱いていました。両親も親戚も友人たちも、多くの人たちがイオンモール建設には否定的な見解を持っていたことを強く覚えています。

しかし、実際にイオンモールがオープンすると、モール内の専門店街や飲食店はあまりにも便利で楽しく、多くの地元民で賑わい続けています。僕自身も頻繁に利用しており、両親も親戚も友人も、今では誰もがイオンモールなしでは生活ができないような状況になっています。

当時の僕も含めて、人は急激な変化を嫌う傾向があるのだと思います。今の落ち着いた状況が脅かされるものに嫌悪感を抱くのは当然の感情です。

それでも、その変化と魅力を体感してからは、そんな嫌悪感は吹き飛んでしまい、反対にその魅力なしには生活ができなくなるほど、あっさりと変化を受け容れるようになります。

イオンモール建設の様に、嫌悪感が消し飛ぶような未来のビジョンと魅力を示すことができれば、若い社員も急激な変化を受け入れてくれるようになるのでしょうか。そんな簡単なことではなさそうですが…。

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