見出し画像

未来のために出来る事ー事業再生をカジュアルに

今日まで事業再生をしてきた

どうも、さんよーさんです。
僕は仕事として事業再生をこれまで行ってきた。
思い出しても吐くようなひどい光景ばっかり。「うちの通夜でももうちょっと明るいですよ」はどの会社でも言うセリフだ。
赤字だったり借金まみれだったり、今にも廃業寸前の会社も多い。
当然だけど、皆さんもお金が無かったり虫歯が痛かったりすれば、人にきつくあたったりもするよね?
それと同じで、「こんにちは~」と言っても、頭も下げない、こっちも向かない、目の前で語りかけても声を出さない社員。これが日常。
役員も、ネガティブになりきっていて、「何をやっても無駄」と言うし、「なぜこうなった」に注目して、「どうすべきか」に全くならない。
そんな企業が僕の生きる場所、と思って今日まで再生の仕事をしてきた。
どの程度の会社の状態かというと、「あと20日で不渡り」とか、「ナンバー2と3と5の社員が同じ会社に移動するらしい」とか、酷いものだとそんなのもある。
決算書には「売上総利益」ではなく、「売上総損失」って書いてある。いわゆる、粗損、ですね。まあまあ大きな会計士事務所の所長が、「初めて見た」と言った粗損。僕はちょこちょこ見かける。。。
利益剰余金なんて三角マークがついてるのが当然。

もう、僕が受注する条件に「赤字、剰余金マイナス、お通夜のような雰囲気」って入れてもいいくらいだ(汗

なぜ事業再生をしてきたか

「カタギの仕事じゃないなあ。」
そう思っているが、なぜ再生を生業にしているか?って、僕はなぜか、マイナス50をゼロにもっていくのが好きらしい。
不可能と言われたら燃える。
そしてとても残念なことに、ゼロからプラスは全然エンジンがかからない(笑 再生した会社はどれも未来が見えたら一気にしぼんでしまう。
だから「どちらかというと再生」、ではなくて、「再生、それもうんと酷い時」に自分の心がメラメラと燃える。
本当にこれは、何度も自分に問うてみた。しかし答えは「わからぬ。しかしそうなってる。すまん」自分からの返答にアゴが外れそうになる・・・。
僕が普通に呼吸出来る場所は、大赤字でコミュニケーションもズタズタで、お尻に火がついている企業。本当に申し訳ない(笑

事業再生ってよく聞くよね。でも実際は・・・

事業再生って、以前よりは聞く頻度は高くなった気がする。
しかし実際はまだ全然。再生を次々行っていて、金融機関や行政の方々と頻繁に情報交換している僕でも、同業他社の存在を全く知らない。聞いたことがない。都会なら多いのかもしれないが多分それも違う。少なくとも僕が大好きな赤字の中小零細企業には誰もよりついていない。
良く分からない仕事が出来ない補助金コンサルやZOOMも未だに使えないコンサルタントが群がっているくらいだ。

筋が良い案件多数!

そもそも色んな方々から依頼される案件が、とても筋が良い案件も多い。
このnoteを見る方々は、きっと僕の事をご存じでない方が多いと思うが、僕は全く無名だ。
ひっそりと企業に入り込んで、その中で「ポジティブ」を武器に次々人の心を掴んでひっくり返して、その本性「良くしたい」を表現させるという変わった武器を使って黒字転換させる。
黒字転換する頃にはひっそりと居なくなるのと、基本的にはコンサル先は、リモートで定期的な壁打ちを経営者と行うだけ。そもそも経営者以外は僕の存在すら知らない。
そんな無名にもかかわらず、僕に来る求人や依頼の中にはこのようなものが沢山。

  • 上場企業の役員。コロナで傷んだP/Lの黒字化

  • 地域中堅企業の社長。かろうじて黒字で資産超過だが将来が不安

  • 社員2名の企業の経営者。役員報酬は1000万超だが2名どちらも今は経営者ではない。

なぜ?
どの依頼も年商ベースで1000万超。2番目のものに関してはキャピタルゲイン等も含めたら年間、きっと億を超える。
コンサルティングファームの方やMBA取得者、大手証券会社や金融機関の方々は???どこに???
と疑問に思いますね。私もそうだった。紹介者等に聞いてみると・・・

失敗ってなんだっけか

彼らは失敗を恐れる。
そういうリスクのある案件は受けない。大黒字になっている企業の役員等、将来の自分のキャリアに傷がつかない案件を受けるから、さんよーさんのような人しかご紹介出来ないんです。

紹介者

はあ?そんなバカな!体が10個あったら10個全部受けたらウハウハな案件ばっかり!
巷では起業や小さな会社のM&Aが流行ってるとか言うけど、ええ!?なんでこのマーケットに誰も来ないんだ!?それが僕の感想文。

再生会社放置の慣れの果て

さて、帝国データバンクの調査によると、26万社のうち、60%超の企業が後継者不在。
10万社程度が10年以内に消える。日本から。
良く、再生をお手伝いするかどうかの判断のときに、(もちろん大ピンチかどうかが一番(笑))残す価値があるかどうかを考える。
私が携わっているお菓子屋さんは、名刺交換をするときに不意に相手から「いつもお世話になってます」「ありがとう」と言われる。名刺交換でありがとうって言われる事、どれくらいある?
理由は以下の通り。
「ケーキ・お菓子という商材は、常に幸せの隣にあります。誕生日、結婚記念日、お祝い、プロポーズ、ご褒美、デート、仲直り。それらすべてのストーリーの隣に常にお菓子はある。」
このお菓子屋が消えてしまうかもしれない。そう思うと、救わなければならないと思うのは当然だった。
そして当然だが、30年以上経営していたら、40歳以上の人のお祝いには常に存在している。それが無くなったらって、自分の影みたいなもんで、普段は特になんとも思わないし、「元気してるかな?」とも思わない。ただ、なんか無いってのはおかしくはないだろうか?悲しいとも思わないかもしれない。今時お菓子なんてどこでも買えるから意識しないかもしれない。けど、なんかなんとなく心にすき間出来ないだろうか?

再生出来る企業に誰も突っ込んでいない。
これを放置しておくと、2032年には10万社の中小零細企業が消える。倒産か廃業か合併かは置いといて、消える。
経済はどうにかなっているかもしれない。しかし、それだけの企業が周りから消えたらどんな感情だろうか?新型コロナウイルス感染症が出て以後、沢山の企業が消えたり業態転換等行ったと思う。その数倍の規模で町の景色が変わる。それは一体どんな感情が沸いてくるだろう。

事業再生一緒にしません?

僕は今日まで、2年弱で事業再生をほぼ一人で100社以上行ってきた。
経営者と対話しながら進めていくから、大赤字なのにやはり大将。ケンカになったり嫌われたり、言った事と全然違う事ばかりしてるし、何も成果が上がらず、失敗した回数も人よりずっと多い。
しかし成功した企業は一瞬で立ち直る。
売上4000万だった企業が2億弱になったり、元請けが1社のみで工場が20%の稼働率になった企業が、営業指導と営業資料作成・ルートを決めただけで稼働率が上がりすぎ、元請けの単価も30%上がって過去最高売上・利益率・新工場設立を行ったり。
中小企業にはものすごい可能性がある。
そして、高学歴な方々が飛び込んでいるイケイケの企業とは全然違うのが「困り具合」。
困ってる人と順調な人、どっちが「助けてほしい」って思っているだろう?どっちが沢山の報酬をくれるだろう?

なぜ再生企業になってしまっているか

なぜそんな企業になっているか?
理由は二つあり。

  1. 製造(作り)が弱い

  2. 営業(売り)が弱い

です。製造が弱い企業は、どちらかというと残す価値があまり無い気ががする・・・なので僕は、売りが弱い企業の補佐が好きだ。
はっきり言って零細企業の場合、営業社員が居ない若しくは社長のみ、という事が非常に多い。それも、飲み友達や知り合いの紹介で10年以上の取引、みたいなことはザラ。
広島県の自動車メーカーのように、製造業の場合にはメーカーから「この機械入れてこの加工してくれたら仕事あげるよ」と言われて始めたようなものも多い。
要するに、皆さんが思ってるような「営業」とは全然違って、「ハリボテにすらなってない」状態。
ですから、保険営業や不動産営業、メーカーでの営業を行っていた方にとっては「ゑ?」って違和感しか感じない状態のまま頭をうんうん唸らせている経営者がとても多いのが実情。
そしてそんな企業に限って、素晴らしい製品・技術を持っているから非常にタチが悪い(笑
商品が良くて営業がゼロで、粗損・・・
ちょっとナデナデしただけで黒転はそりゃ出来ないわけない・・・いくらの付加価値を生むだろう?あなたの行動だけで地域に一社残る。いや、渡り歩けば軟十社も残る。事業再生が文化になれば、地域がキラキラしはじめる。そんな気がしないだろうか?その時、報酬は幾らもらえるだろう?言い値で良いのではないだろうか?

報酬について

僕は沢山の再生会社の仕事をさせてもらっている。
かなりの数の会社が、経営者が会社に役員貸付を行っている。もともとは企業での給与とはいえ、私財を売却したり貯金を企業に入れている。年金を毎月投入して、親戚にも頭を下げてお金を借りて、社員や取引先に迷惑をかけないために一生懸命働いている。
誰かが外から手を貸さなければ、数年後には倒産。廃業。
0円で会社買って立て直して利益を全部貰うも良し
営業黒字にして役員報酬を自由にもらうも良し
皆さんが普段作って、半分以上ボツにされている企画書、それより遥かに低いクオリティでも十分なのに。
MBAなんて要らない。何かの本を見ながら作った30点の事業戦略で十分なのに。
100件飛び込んで数件のアポが取れるかどうかの営業なんてしなくても、既存取引先を順番に回るだけでビジネスアイディアも黒字化するだけの仕事も貰えるのに。
それだけで今より報酬が多くなるに違いない。
事業再生には非常に可能性を感じている。

未来のために事業再生を

僕は今、自分の事業を大きくする決意をしました。
まずは数社購入し、その中にいる社員が横断的に企画・デザイン・営業・バックオフィスなどを渡り歩く仕組みを作っていく。
そして、事業再生をしたいと言ってもおそらく情報はそれぞれの皆さんの元に集まる事はないと思うので、「あ、これめちゃいいわ」という案件が沢山舞い込んできます。そのために僕と一緒に遊んでくれる仲間を探そうと思う。
中小企業に入り込んで、会社を再生してサラリーマンより良い給料をもらい、様々な業種や業務を体験して、VUCAな時代を渡り歩く。そして、自分が得たい未来を自分の実力で手に入れる。
これまで、空き家再生の取組をしたり、若手経営者に対してセミナーをしたり色々してきたけど、僕はこの事業再生をカジュアルにして根付かせる事で、未来の地域を輝かせる活動をしていきたい。
まだまだ力不足でナレッジの蓄積はこれからやっていくけど、プラットホームを作ろう、とか、資格発行しようとかなんちゃらファンド作ろうとか、そんなのは手段であってやりたい事ではない。やりたい人が居たらもし再生がスケールするなら僕を使ってやって欲しい。
とにかく、今日創業した企業が社歴100年の企業になるためには、100年待たなきゃいけない。
だから、出来る限り残せるもんは残す。
これが僕のライフワーク。
30前から人のおせっかいをはじめ、40前から再生の仕事をはじめ、現場に居ながらコンサルも始めたのが2年前。
事業再生の書籍やネット上の情報を探しても、大手企業の再生や企業内の再生はあっても、中小零細企業の再生はあまり見つからない。
これからどう情報発信していけばいいのか?
良く分かってないけど、まずは小さな一歩からはじめようとこの記事を書いてみた。
いつか色んな人が賛同してくれるといいな。


この記事が参加している募集

サポートをお願いします!サポートいただいた分だけはお返し出来るようにアウトプットしていこうと思います!