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【経理】持っておくと良さそうな数字感覚について

はじめに

 ビジネスモデルとして、どういう数字(獲得できる利益や、手元に残る現預金など)になりそうか、を頭の中でイメージする感覚。経営者はこの感覚をもっている人が多い気がします。
 最近とある動画を見ていて、『そうそう、経営者ってこういう話ができるんだよなぁ』という事例が見つかったのでご紹介します。

事例紹介

<ひろゆきの部屋【ひろゆき, hiroyuki】切り抜き>

<ロコンドチャンネル>

 この2つの動画では、この事業が利益を生むものなのか、を頭の中で考えながら計算をしていました。
 ここで大事なのは、ざっくりと計算して、利益が出そうなのかを確認することだと思います。ビジネスモデルの構造をイメージしつつ、どんな売上が立って、どんな費用がかかるのか、結果として利益は出そうなのか。

 動画内でも『この事業が進められるのかどうか』をある程度の情報(原価率や利益率などの指標、時給や家賃、広告収入などの個別情報)が頭に入った状態でジャッジしていると思います。
 当事者ではないので、ざっくりとした話で終了していますが、もし当事者であれば、この思考・着地イメージを起点にして、新たな疑問が出てきたり、必要な情報を整理して、話を詰めることになると思います。

この感覚を持っているとどういう効果があるのか?

①(特に)経営者との話をスムーズに進められる

 営業会議などに参加していると、今行っている施策について、継続するか、中止するか、みたいな話の中で上記動画のような会話が飛び交います。
 経理担当者としても、現状の結果から、翌月以降の動きがどうなりそうか、をざっくりとつかめると提案や決定を下しやすいです。

 会社ごとに主な指標が異なると思いますが、
  単品通販会社にいたときは、
  ・原価率
  ・配送単価
  ・広告単価
  ・決済手数料率
  ・営業利益率
  ・継続率
  あたりの指標を頭に入れながら、判断していました。

 計算をシンプルにすると以下のようなイメージです。

 注文が10,000件入っていて、販売単価5,000円なので、売上は50,000,000円。これを獲得するために、広告費が150,000,000円かかっている。継続率は、実績から75%と想定。
 というような状況の場合、当月では、1件あたり10,000円の赤字だけど、5か月経過で黒字に変わる(広告費を回収できる)

こんな表を頭の中に描きながら会話を進めている感じです

②月次決算チェック時の判断基準となる

 全体像として正しそうかをイメージすることで、大きなエラーを回避することができると思います。
 経理担当者としては、日々、作業ベースで集計作業を行っていると思いますが、これとは別の視点として「会社全体としてだいたいこれくらいの数字になっているだろう」という当たりをつけて見ることで、パっと見の違和感を持てるとよいと感じます。

事例)資金繰り表を作成している中での話

 私自身が業務の中で学んだ事例を紹介してみます。

 エクセルにて、将来の予定を入れて資金の状況をシミュレーションする業務で、細かく数字を入力して結果を算出していました。このとき表示された金額が、妥当かどうかを、おおよその理屈で説明できればOKだったのですが、結果に対して「正しそうな結果が出ているのか」を掴むことができず、経営陣に報告した際に「なんか間違っていない?」と質問され、これに回答することができませんでした。

 本来は、報告する前に、正しい結果であることを確認する必要があったと反省しています。
 特に、エクセルは計算式の誤りがあったり、ファイル間の転記ミスがあったりと、作業時のミスが起こりやすいです。そもそも誤ったデータを報告してしまうのは危険です。

 というような反省を踏まえて、チェックする時のイメージを書いてみます。

『黒字なのに、お金が減っている』という結果が出たとすると
 本来、黒字であればお金は増えていくはずだ。
 という仮説からスタートして、

 入金と出金のサイクルを確認して、手残りはいくらになる見込み。
 これに、以下のようなお金の動きを反映して、じゃあ、結果として「黒字なのに、お金が減っている」ことは正しい結果だ、と言えればよいと思います。
  ⇒仕入れの予定は?
  ⇒借入の返済の予定は?
  ⇒納税の時期と金額は?
  ⇒設備投資の予定は?
  みたいなところを確認して、作業結果の正しさを確認します。

まとめ

 私自身、社長など経営に近い方と話をしていて、暗算のスピードにびっくりすることが多々ありました。電卓を使うヒマもなく話が展開されるので、経営層の方と話しをする時は、頭に入れておくとよいと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。
少しでも参考になれば幸いです。

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