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NHKのWebニュース記事の文章がヤバい件

近年、日本語の乱れが各方面で取り沙汰されています。
それはスマホの推測変換機能によって引き起こされた誤変換などが多いですが、根本的に文章の組み立て、構成がヤバいものも少なくありません。

その中でもニュース(報道)は、正しい日本語表現、アクセント、イントネーションなどを伝えるものだと思っていました。

しかし、公共放送を掲げている放送局のWebニュースの記事を見て「日本人の国語力はここまで落ちてしまったのか」と嘆くしかないニュース記事を見てしまい、愕然としました。

この記事の全文は以下の通りです。

岸田総理大臣とゼレンスキー大統領が電話会談を行い、ウクライナ大統領府は会談で、岸田総理大臣が来年の早い時期に日本でウクライナ復興に関する会議を開催する用意があることを確認したと明らかにしました。

岸田総理大臣とウクライナのゼレンスキー大統領は、9日午後3時すぎから、およそ30分間にわたり電話会談を行いました。

ウクライナ大統領府の発表によりますと、このなかで、ゼレンスキー大統領は、5月に開かれたG7広島サミットについて「ロシアの侵略に対抗するためウクライナへの国際的な支援のさらなる強化に関する重要な決定が採択された」として日本政府に謝意を示しました。

そして、両首脳はウクライナの復興についても話し合ったとし、岸田総理大臣が来年の早い時期に日本で、ウクライナ復興に関する会議を開催する用意があることを確認したと明らかにしました。

また、ゼレンスキー大統領はウクライナ南部ヘルソン州でダムが決壊し、大規模な洪水が発生したことについて岸田総理大臣に被害状況を伝え、「意図的なテロ行為でありロシアのもう一つの戦争犯罪だ」と強調するとともに、ロシア軍によるミサイル攻撃が激しくなっていることなど戦況についても説明したとしています。

これに対し、岸田総理大臣は洪水による被害についてウクライナの人々との連帯の意思を表明したとし、ウクライナ側の要望に基づき人道支援を行う準備をしていると明らかにしたとしています。

出典:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230609/k10014095451000.html

一読した時、私は

「何を言いたいのかさっぱり頭に入ってこない」

と思いました。
この記事、たぶん一文が長すぎるんですよね。
なので、勝手ながら文章を読みやすくリライトしていこうと思います。

冒頭部

冒頭部は下記です。

岸田総理大臣とゼレンスキー大統領が電話会談を行い、ウクライナ大統領府は会談で、岸田総理大臣が来年の早い時期に日本でウクライナ復興に関する会議を開催する用意があることを確認したと明らかにしました。

岸田総理大臣とウクライナのゼレンスキー大統領は、9日午後3時すぎから、およそ30分間にわたり電話会談を行いました。

この文章は2つのことを伝えています。

1.岸田総理とゼレンスキー大統領が電話会談を行った。
2.ウクライナ大統領府は日本でウクライナ復興に関する会議を開催する考えを岸田総理が持っていることを確認した。

これを1つの文章にまとめているから冗長になっているだと思います。
また、文脈からこれはウクライナ大統領府の発表を受けたものと思われます。

従って、この冒頭の文章は下記のように書くのがベターだと思っています。

ウクライナ大統領府によれば、岸田総理大臣とゼレンスキー大統領は9日午後3時すぎから、30分程度の電話会談を行いました。

この会談で、岸田総理大臣は、来年の早い時期に、ウクライナ復興に関する会議を日本で開催する用意があると述べました。

上記のリライト

次の部分

次の部分はニュースのより詳細な部分になります。

ウクライナ大統領府の発表によりますと、このなかで、ゼレンスキー大統領は、5月に開かれたG7広島サミットについて「ロシアの侵略に対抗するためウクライナへの国際的な支援のさらなる強化に関する重要な決定が採択された」として日本政府に謝意を示しました。

そして、両首脳はウクライナの復興についても話し合ったとし、岸田総理大臣が来年の早い時期に日本で、ウクライナ復興に関する会議を開催する用意があることを確認したと明らかにしました。

この部分の要旨は

1.ゼレンスキー大統領はサミットでの採択について日本政府に謝意を示した。
2.岸田総理は来年早々に復興会議開催の用意があることを確認した。

この2点です。
しかも2は冒頭でも伝えています。
重ねて伝える必要がどれほどあるのか知りませんが、表現方法は少しは考えるべきだったと思います。

この部分の文章は自分だったらこのように(↓)書くなと思いました。

今年5月に開かれたG7広島サミットにおいて、ウクライナへの国際的支援のさらなる強化に関する内容が採択されました。

ウクライナ大統領府の発表によりますと、ゼレンスキー大統領はこの採択に関し、主催国である日本政府に謝意を示したとのことです。

その後、両首脳はウクライナの復興について話し合いました。
その際、岸田総理大臣から、ウクライナ復興に関する会議を来年早々に開催する用意があることを確認したと発表しています。

上記のリライト

終盤部

最後はこうなっています。

また、ゼレンスキー大統領はウクライナ南部ヘルソン州でダムが決壊し、大規模な洪水が発生したことについて岸田総理大臣に被害状況を伝え、「意図的なテロ行為でありロシアのもう一つの戦争犯罪だ」と強調するとともに、ロシア軍によるミサイル攻撃が激しくなっていることなど戦況についても説明したとしています。

これに対し、岸田総理大臣は洪水による被害についてウクライナの人々との連帯の意思を表明したとし、ウクライナ側の要望に基づき人道支援を行う準備をしていると明らかにしたとしています。

ここでの内容要約は以下の通りです。

1.洪水がロシアのテロ行為であり戦争犯罪であること
2.ロシア軍のミサイル攻撃が激しくなっていること
3.日本が人道支援の準備をしていること

これを踏まえて、自分ならこう(↓)書きます。

また、ゼレンスキー大統領は、ロシア軍のミサイル攻撃が激しさを増している戦況や、ウクライナ南部ヘルソン州でのダム決壊で引き起こされた大規模な洪水の被害状況を岸田総理大臣に伝えました。

ゼレンスキー大統領は「これは意図的なテロ行為でありロシアのもう一つの戦争犯罪だ」と強調したということです。

これに対し、岸田総理大臣はウクライナ側の要望に基づき人道支援を行う準備をしていると明らかにしたとしています。

まとめ

これまで述べてきた部分をつなぎ合わせ、前後のテイストを整えて、自分なりに1つの記事としてリライトするととこうなります。

ウクライナ大統領府は、岸田総理大臣とゼレンスキー大統領が、9日午後3時すぎから30分程度の電話会談を行ったと報じました。

今年5月に開かれたG7広島サミットにおいて、ウクライナへの国際的支援のさらなる強化に関する内容が採択されました。

ゼレンスキー大統領はこの採択に関し、議長国である日本政府に対して謝意を示したとのことです。

その後、両首脳はウクライナの復興について話し合いました。
岸田総理大臣は、来年の早い段階でウクライナ復興に関する会議を開催する用意があると述べました。

一方、ゼレンスキー大統領は、ロシア軍のミサイル攻撃が激しさを増している戦況や、ウクライナ南部ヘルソン州でのダム決壊で引き起こされた大規模な洪水の被害状況を岸田総理大臣に伝えました。

ゼレンスキー大統領は「これは意図的なテロ行為でありロシアのもう一つの戦争犯罪だ」と強調しました。

これに対し、岸田総理大臣は「ウクライナ側の要望に基づき人道支援を行う準備を進めている」と明らかにしたとのことです。

ニュース全文のリライト

いかがでしたでしょうか?
原文と比べてみて感想等ありましたらコメントでお伝えください。

近年、国際化(グローバル化)だの、海外に追いつけ追い越せだの、やれ理系教育の強化だのを国を上げて推進していますが、

国語がすべての教科の基本であり、国語ができない人間はろくな人間にならない

と私は思っています。
だからこそ国語をおろそかにしてはならないと考えています。

もっとも、元記事の文章を作ったのが、ChatGTPなら、話しは別ですけど。


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