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平成の30年間におけるプロ野球観客数の動きを見てみる(パ・リーグ)

前回、平成30年間における、セ・リーグの観客数の推移を記事にしました。


と、なれば当然パ・リーグもやらないとな、と思いましたので、今度はパ・リーグです。

データ元は日本野球機構です。


私はもともと熱烈な近鉄バファローズのファンであり、むしろパ・リーグのほうが興味あるぜ、くらいの感じです。

ここで問題なのは、オリックスと合併して消滅してしまった近鉄と、新規参入した楽天の扱いなのですが、基本的には近鉄と楽天を同じ球団として比較をしていこうと思います。

これには異論もあると思いますが、私個人が近鉄→楽天という流れでファンを変えていったということもありますし、後述しますがオリックス自体が合併前と合併後でほとんど観客数が変わっていない事を見ても、元近鉄ファンがすんなりオリックスに移動したとは考えにくいからです。

ですので、表では「近・楽」として扱いたいと思います。


さて、まず全体から見ていきましょう。


①全体を見てみる

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結論から言うと、パ・リーグ全体では試合数も増えてますし、一試合あたりの観客数も増えているので、全体としては254万人も増えています。30年間の比較でいうと129%という伸びでして、1.3倍くらいになっているということですね。

伸び率自体はセ・リーグの118%よりも大きいため、パ・リーグのほうがこの30年間の観客数を伸ばしたということになります。

実はパ・リーグ、この平成元年である1989年のほんの2年ほど前の1987年の観客数は697万人でして、わずか二年後の1989年で876万人と、200万人近く観客を増やしています。

これも後述しますが、1988年は東京ドームができた年でして、日本ハムが観客動員数を大幅に増やすことに成功しました。これによって、パ・リーグ全体の観客数が増えつつあったのが平成元年ということになります。


②球団別に見てみる

さて、球団別に見てみましょう。

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ここからは万単位で見ていきます。

この30年間でいうと、日ハムと西武は観客数を減らし、その他4チームは大幅に増やしています。

特筆すべきはソフトバンク。1989年というのは、福岡ダイエーホークスとなって二年目。つまり本拠地を大阪から福岡に移転させたばかりの頃です。そこから30年で見事に九州や福岡のファンを取り込むことに成功させていますね。観客数を倍以上にしているその手腕は、見事というしかありません。

ロッテも観客を倍増させています。1989年はまだ川崎球場を使っていた時代で、その後1991年に千葉に移転。そこから観客数を急速に伸ばしています。元の観客数が100万人を切る状態だったので、そもそもが少なすぎたこともありますが、それにしても観客倍増は、千葉移転が功を奏したと言えるでしょう。

一方で同じく本拠地を東京から北海道に移転させた日本ハムは、意外にもこの30年間観客が伸びていません。というのも、1988年に後楽園球場から東京ドームに変わった日本ハムは、その年245万人もの観客数を動員します。この245万人という数字は球団史上最も多かったようです。
その後日本ハムは年々観客を減らしていき、東京での最後の年である2003年には観客数は131万人。あっという間に半減。。。。
東京においては、ジャイアンツの牙城を崩せなかったということでしょうか。
これでは駄目だ、ということで2004年に北海道に移転したあとに観客数は再び増加傾向に。2007年頃からは観客数を200万人前後に増えています。
そこから考えると、こちらも移転は成功したと言えるでしょう。

オリックスも1989年の時点では阪急からオリックスに変わったばかり。1991年から拠点を大阪から神戸に移しています。その後イチロー選手の活躍などもあり、観客数はロッテやソフトバンクほどではないものの、この30年で堅調に伸びています。その後、近鉄と合併して本拠地を大阪に戻したあとも、そこまで観客は減っていません。

ちなみにオリックスは合併前の2004年の観客数が141万人だったのに対し、合併後の2005年の観客数は135万人と逆に減らしています。これはオリックスが旧近鉄ファンの取り込みに完全に失敗したと言って良いかもしれません。
(まぁ私もオリックスファンになろうとは、全く思わなかったですしね。バファローズって名乗るの、今でもやめてほしいって思ってます(笑))

近鉄・楽天についても、大阪から仙台に移転になったことで、ファンが増えています。ちなみに楽天は2005年からスタートしたのですが、スタートした年の観客はわずか97万人でした。その後、地道な努力が実を結んだのか、2018年には172万人と大きく観客数を伸ばしています。

一方、本拠地の移動が無かった西武ライオンズは観客を減らしています。平成元年前後は西武自体が清原選手や秋山選手らを擁して黄金期を迎えており、強いライオンズと比例するように観客を集めていたのですが、この近年は成績の下降と共に観客も伸び悩んでいるようです。

③一試合あたりの観客数

これらの数字を1試合あたりにしてみましょう。

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平成元年の頃は、一番多かった日ハムの3.7万人から一番少ないロッテの1.3万人まで、平均で2万人以上の差が開いていており、かなりばらつきが大きいです。一方、平成30年になると最も多いソフトバンクの3.6万人から一番少ないロッテ・オリックスでも平均2.3万人と、全体的な差が1.3万人まで小さくなっているのが分かります。

先の項目でも書きましたが、西武以外の球団が地方都市に移転したことで地域にファンを獲得することができ、全体的な底上げに成功しつつあるといえるでしょう。

こうしてみてみると、概ねパ・リーグの観客数増加の施策はうまくいっていると言えるのかもしれません。

それにしても、ロッテとソフトバンクの観客数の伸びについては、もう一段考察しても面白いかもしれません。



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