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武埜 山水
2023年6月9日 23:00
フィクションとは矢張りどうしてもフィクションという性格を拭いされない定めであるから、それがいかに自叙伝であろうと欺かざる記であろうと、人間は結局、虚構しか拵えられないのは、人間の良いところでもあり悪いところでもあるのは誰でも知っていることに他なるまい。 だが、時として限りなく作者に近接している虚構が存在しているのもまた事実である。例えばそれは、日記であり私小説であり、先述した自叙伝であるのだ。