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学生・山・クラブ活動 そして光徳小屋(下)

学習院山桜会 副会長 福岡孝昭
学習院高等科山岳部 昭和36年卒

 さて、なぜ若者は山へ行かないのでしょうか?
 今の高校生の人気スポーツはサッカーとテニスで山登りはダサイのだそうです。 現在の高等科山岳部は部員3名で体力も弱く、大学の山岳部ではとてもつとまらないだろうとのことです。

 かつて石川先輩ご家族のように「子連れ山旅」で3000メートル峰を次々と登った我が息子も、山とはサヨナラしてスキーに夢中です。 大学運動部の人気の第一はアメリカンフットボール部で60人の部員がいるそうです。 硬式テニスの人気が高いとのこと。

 不人気の筆頭は山岳部で、バレーボール部も6人しかいないそうです。 山関係のクラブは他にワンダーフォーゲル部、あるける同好会、キャンピングクラブ、探検部等多数あり、山は現在の若者に人気がないとは言え、山岳部を除けばまあまあの人数を集めているようです。

 山岳部は内容が厳しすぎて怖いのだそうです。 名前からして怖いそうです。 部員を集めるには第一に名前を変える必要があるようです。 また近年は就職難で厳しい部活は就職に不利と言うことで、いわゆるサークルに集中しているそうです。

 光徳小屋を管理してくれる現役学生を発掘することを依頼された私が、山の好きな学生としてたどり着いたのが「あるける同好会」(部員数30人以上)の部員でした。 彼等も光徳小屋の存在を知りませんでした。 しかし、光徳小屋を紹介したら幸いに光徳小屋とその周辺の自然を大変気にいってくれました。 すでに部の中に山小屋委員会を置き、小屋の備品の購入も手伝ってくれ、雪に埋まった管理人棟を掘り出してもくれました。 最近の高等科山岳部員の多くは、進学後「あるける同好会」に籍を置き、主将経験者もいるとのこと。 またこの冬、小屋で除雪してくれた現役の1人は、山崎徹・熊野将、両委員の出身高校山岳部の後輩であるといった偶然の縁もあるようで、今後順調に光徳小屋の世話が、あるける同好会により行われることを期待します。

 最後に現在、山登りはダサイから嫌だと言う息子も歳をとった時、山の自然に戻ってくれるのではと密かな期待を持つのは親心なのかもしれませんが、学習院山桜会の会員の方々も、ぜひご子息の自然教育をあきらめないようお願いする次第です。 いつの日か、会員の子息の中に光徳小屋の世話をする者が出てくることを期待したいと思います。

山桜通信6号(1996年4月)

「学生・山・クラブ活動 そして光徳小屋(上)」から

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