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連載:プロジェクトのリーダー&サブリーダーに聞く 07

〜まちなかリビング 編〜

三の丸エリアプラットフォーム(以下、◯◯◯AP)が支援・推進している、
“誰かに語りたくなる暮らし”の実現を目指すプロジェクトを紹介してきた当『◯◯◯ Magazine』。
今回は、2024年度に加わった新規の取組をフィーチャーする。
街なかに”リビングルーム”のような親密な空間をつくる、こちらのプロジェクトだ。

まちなかリビング
<主な活動場所:土井尻界隈
松本城郭の外を巡る土居の尻(=端)であったことが地名の由来で、今もその一部が見られる「西堀土塁公園」がある。三の丸エリアのなかでも、ほのぼのとした住宅街の雰囲気を醸し、小さな商店や昔ながらの銭湯が点在。

<今年度からの取組内容
”仮設小屋”を使って空き地や公共空地などを活用する、憩い・出会いの空間づくりをコアに、界隈の活性化を図る。
(詳しくはこちら

仮設小屋から松本城を望む。この日は小屋内でカードゲームが繰り広げられた

Q1)2024年度から◯◯◯APのプロジェクトに名乗りをあげましたが、参加の背景や意気込みなどを教えてください。

伊)はい。この取組の発端には、松本市が10年近く前に策定した「松本城三の丸地区整備基本方針」の存在があるんです。実は僕らが所属する長野県建築士会 松筑支部のひとまちづくり委員会が、その作成に携わり、大名町と土井尻の将来像をいろいろと描きました。
 その後にスタートした◯◯◯APでは、6界隈がプロジェクトをたちあげましたが、土井尻からは手があがっていなかった。それなら我々が!というのもひとつの理由です。

<リーダー:伊藤靖樹さん>
一級建築士で、長野県建築士会 松筑支部 ひとまちづくり委員長。
設計事務所と工務店が融合した建築会社、五条建設の取締役

野)ここ数年、街歩きイベントなんかもちょこちょこ行ったんですが、土井尻は、すぐ近くに松本城があるのにのんびりしていて、静かな暮らしができそうだなと。クラフトなどのものづくりをする人や、小さな商いをしたい人なら、こんなまちなかで職住近接の暮らしができたら理想的ではないかと思うようになりました。

<サブリーダー:野口大介さん>
建築家。長野県建築士会 松筑支部 ひとまちづくり委員でもあり、
主に建築設計・監理を担う野口大介建築設計室を主宰

野)それで最初は、簡単に組み立てられる小屋をつくって、クラフト作家とかに使ってもらい、この界隈でイベント的に出店できる機会をつくろうと考えたんです。パネルを組み立てるだけで完成する、半個室のブースみたいなものを設計し、地元のヒノキ材を使って実際に制作しました。面積も空間もパネルの組み合わせで変えられるので、用途に応じた間取りになるんです。

伊)先日の◯◯◯APリーダー会議のときにみなさんに見てもらいましたが、結構好評でしたよね。早速「使ってみたい」と言っていただけた。
当初はクラフト作家に、と想定していたけど、用途も対象も限定しない方がおもしろいんじゃないか、と。近々では、界隈の夏祭りで使ってもらうことになっていますが、そうやっていろいろなことに試用してもらい、可能性を広げたい。

土井尻に残る土塁に座って、プロジェクトの構想(妄想?)をふくらませる2人

野)この仮設小屋は、まちなかで暮らしたり商売するってどんな感じか、気軽に体験してもらうための装置という感じですね。誰かがそこにいて、なんとなく集まれるような空間になればいいと。それでプロジェクト名も「まちなかリビング」にしたんだけど、このネーミング、どうもまだしっくりきてないんですよねえ……。

伊)え、そうなの? 僕はいい名前だと思うんだけどなあ。僕だったら、植物が好きなので植物を入れてグリーンウォールにしたりしてみたらいいな、とか考えてます。そうなるとかなりリビングっぽいでしょ?

野)リーダー会議では「布で覆って大きな照明にしたら」っていうアイデアが出て、驚きというか新鮮でしたねえ。そんな考えもあるのか! と。影絵なんかもやったらいいかもしれない。プロジェクト名はともかく、仮設小屋自体にもちゃんとした名前をつけないといけませんね。

チームメンバーだけで考えていたときより、用途も可能性も広がっている「まちなかリビング」の仮設小屋。……確かにいい名前をつけてあげたいものです。ぜひ読者の皆さまもお知恵をお貸しください!


人物写真/文責:◯◯◯ap Magazine編集部

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