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とある団地の片隅で。

あんこが好き。それも、なめらかなこしあんが。

普段は職場の食堂でランチを食べるわたしも、ここ最近は職場の近くにお気に入りのパン屋さんを見つけて、足繁く通っている。といってもわたしの出勤日は週に1回だけだから、たまの贅沢。

在宅での仕事が日常になった今日この頃、外で食べる気もしないしどうせ家にいるならと、自炊が習慣化してきた。という状態は、職場の誰もが感じていて。週に1回くらいは、「外にご飯を買いに行く」という贅沢をしてもいいよね、と自然とみんなで通うようになって早1ヶ月。

団地の隅にあるその小さなパン屋さんの横には、昔ながらのそれまた小さなお餅屋さんが並んでいる。
みんなと一緒にパンを買いに行きながら、ちょっと首を伸ばして眺めてみるけれど、悩んでいるうちにみんなの買い物が終わってしまって、後ろ髪ひかれつつ何も買わずに過ごしていた。  

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そんな今日。
朝からバタバタしていたわたしは、みんなとお昼休みを取るタイミングがズレてしまって、ひとりでパン屋さんに向かった。
青い空に白い雲。ポカポカ陽気に包まれてパンを3つ選んで外に出ると、いつものように隣のお餅屋さんに首を伸ばす。

およ。
今がそのときなのでは?

おそるおそるお餅屋さんに近づくと、お店の前で日向ぼっこをしていたおばあちゃんが、ショーケースの前にいそいそと移動する。

これは逃げられない。
意を決して、ショーケースの向かい側で、わたしはうんうんと悩む。

大福にも、草餅にも「つぶ/こし」と2種類。
みたらし団子も大粒ぞろい。

そういえば、こしあんの草餅って食べたことないかも。そう思いながら
「草餅のこしあんを……」
と注文して、お金と草餅を交換する。

職場への帰り道、こんなにポカポカ陽気で、美味しそうなこしあんの草餅を購入したというのに、それを見せる人が周りにいないことにふと気付いて。
ちょっと寂しくなったから、つつじと一緒にパシャリ。

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草餅は、おやつの時間にぺろっと食べたよ。
想像通り、なめらかなあんこがたっぷりと。
次は、こしあんの大福をお金と交換しに行こうっと。

***

そういえば、小学生の頃はこの花の蜜を一生懸命吸ってたよなぁなんて思いながら。
登下校のつつじの蜜って、なんであんなに魅力的だったんだろう。


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