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月が泣くとき

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書き溜めた詩を まとめています。
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2024年2月の記事一覧

犠牲をはらう

どこに 繋がるのだろう 混沌の裏側

あなたは言った

結果を 惜しんで
無くならない不安をよそに笑って
ただ早く過ぎ去れば いいと

守るべきものの
端っこだけを 掴んで
繋がらない愛しさを

罪の深さを幾度 問うても
過ちの大きさは 変わらない

さようならというのは
とても 簡単で

それ以外の言葉を捜すことに
これほどの犠牲を払うなんて
わたしは しらなかった
#詩 #詩を書く#詩作#ポ

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幻と

ぜんぶ ぜんぶ
幻だったかもしれない

身体が
覚えていることだけが頼りなのに

なんだかもう
忘れてしまった

宙ぶらりんの
わたしは
#詩 #詩作#詩を書く#ポエム

夜が時間を蝕んで

夜が
時間を
蝕んでいる

どうしようもなさを
もてあまして

意味を失い
ただ うずくまる

わらいごとではない

耐えることしか
知らない
穴が空いてしまった

夜が
時間を
蝕んでいる
#詩 #詩を書く#ポエム

夜明けの砂漠

夜がしらんできた

私のほかに在るものは
今 ここにいることの不思議と
どこまでも続く 有限の砂と
やすらかな星と
安堵

そして孤独
#詩 #詩を書く#ポエム#記憶

記憶

早く眠ってしまいたいのに
夜の闇が
馴染みすぎて
靄がみえてしまう

わたしは
くすりと
ひとつ 笑う

そしたら
もう 他にやることがなくなってしまって

おいてけぼりだな
と ちいさくつぶやくしか
それしか なかった

幼少の
とある夜
#詩 #詩を書く#ポエム

からっぽ

それとなしに
現実的なものだけを
頼りにして
一日を 過ごす

薄いカーテン越しに見る
夕焼けの 弱さ
風を 孕んだ
あの人の 漆黒の髪
蝉の鳴く声に

わたしは 動じない

今更ながら
時間は 戻らないことに
ハッと 気が付いて

暗がりの部屋で
一本の 煙草を のむ
#詩 #詩を書く#ポエム#記憶