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遺影にふさわしい写真とは…

 葬儀の際に作成され、その後に永く残り続ける遺影写真。

 自分のことをよく知る子どもたちだけでなく、もしかしたら記憶があやふやかもしれない孫やひ孫、さらにはまだ世に産まれていない子孫たちまで、その写真を見続けることになります。
 つまり「自分が亡くなった後に、ご遺族やご子孫が自身をイメージする」のに大きな影響を与えるアイテムが遺影写真なのです。

 こんにちは、燦ホールディングスnote編集部の祖父江です。

 今回は「遺影にふさわしい写真とは…」というテーマで、遺影写真を用意する際に知っておきたい内容についてご説明いたします。



いま「生前に遺影を選んでおく人」が増えてきている理由とは?

 昨今、遺影写真を事前に自ら選択&準備しておく方々が増えています。その背景や理由には「自分の希望の写真を遺影にできるから」「遺される方のご負担を減らすことができるから」という2つの側面がございます。

 亡くなってから遺影写真を用意する場合、ご遺族が葬儀までの慌ただしいさなか、膨大なアルバムの中から遺影に適した写真を探して選ぶこととなります。また、候補が見つかっても、最終的な1枚を選ぶ際に親族間で意見が分かれたり…など、決定までの時間と労力は意外とかかるものです。
 さらに、適した写真がなかなか見つからない場合には、爪の大きさに満たない程度にしか顔が映っていないような写真や、はるか昔に撮影した写真を選ばざるを得ないこともあるでしょう。その結果「ぼやけている」「面影が違う」など、ご遺族や会葬者に違和感を抱かせてしまうこともあります。

 これらの問題は、事前に写真館などで撮影しておいたり、自分のお気に入りの写真を予め選び、エンディングノートに添えておくことで解決することができます。

 前述の通り、遺影写真を通じて"故人の印象"が永きに渡り子孫へ伝わっていくものです。わざわざ生前に遺影写真を準備するのは「どこか自分の死を予感させるようで気が進まない」という考えの方もいらっしゃいますが、ご自身だけでなくご家族のためにも、前向きに検討してみるとよいでしょう。


ご自身で写真を準備するには…

 遺影写真を自ら準備する場合「新たに撮ってもらう」または「過去のお気に入りの写真を選んでおく」という2つの方法があります。

「スタジオで撮ってもらう」

 最近では、遺影写真を撮影してくれるスタジオや写真館が増えています。まずは、そのようなサービスを行っている店舗を探し、撮影の予約を行います。自分でヘアメイクをする場合は、撮影だけをお願いすればよいのですが、ヘアメイクも併せてお願いしたい場合には、そのような付帯サービスがある店舗を探しましょう。サービスの内容によっては、必要な部分に撮影後のレタッチ(修整)を行ってもらうことも可能です。

 料金は、写真のサイズや枚数、オプションなどによって変わりますので、いくつかの写真館に問い合わせをしてみるとよいでしょう。

「過去の写真を遺影にしてもらう」

 過去のお気に入りの1枚を遺影にしたい場合、事前に準備する内容は「どの写真にするか?」を決め「現像プリントまたはデジタルデータを準備しておく」ことです。なお、実際の写真の提出は、“亡くなった直後、葬儀社との打合せ時”に必要となります。


失敗しない、写真選びのポイント

遺影写真ができるまで、の流れを知っておこう

 まず「遺影写真はどのようにでき上がるのか?」を知っておきましょう。

 一般的な流れとしては、遺影に使用する1枚を決めて葬儀社へ預けた後、素材が現像プリントの場合には写真をスキャンし、デジタルデータにしたうえで加工が行われます。素材がデジタルデータの場合は、そのまま引き渡されます。

 加工工程では、現像プリントに付いていた傷などを修整したり、写真の背景を置き換えるといった処理が行われます。また「顔の表情はよいのだけれど、服装が遺影にふさわしくない」という場合には、スーツや着物などに着せ替える画像処理を行うこともあります。加工が終わるとデータを引き伸ばしてプリントし、額装を施して完成となります。

 遺影のサイズに特に決まりはありませんが、祭壇に置いたり、出棺時にご遺族が掲げたりするために使われる“四つ切サイズ”と、ご自宅の仏壇に設置するための“Lサイズ”をセットで用意することが一般的です。

どのような写真を選ぶのがベストなのか?

 次に、どのような写真が遺影に向いているのか?をご紹介しましょう。これには、いくつかポイントがございます。

  1. 顔が「大きく」「はっきりと」写っている

  2. (デジタルデータの場合)極端にファイルサイズが小さいものは避ける

  3. 背景はあまり気にしなくても大丈夫

 まずは、1.について。
 現像プリントを引き伸ばして作成する場合、元の写真の顔の写りが小さいと、引き伸ばした際に"ぼやけた"写真になってしまいます。そのため、できるだけ顔が大きく写っていて、かつピントが合っているものを選ぶことが望ましいです。顔の大きさは最低でも親指の爪の大きさ程度、できれば10円玉よりも大きく写っているものが用意できるとベストです。
 顔が写っているとはいえ、たくさんの人数で撮影した集合写真は、顔の写りが小さめになるため、遺影写真には適していません。また、運転免許証の顔写真で遺影を作成することも可能ですが、免許証自体が高精細なプリントとは言い難いため、もし他の写真が用意できるようであれば、そちらを選ぶほうが望ましいでしょう。

 2.については、デジタルカメラで撮影した写真の場合、極端に解像度やファイルサイズの小さなデータは、引き伸ばした際にぼやけてしまうことがあるので注意しましょう。

 3.については、例えば「顔はきれいにハッキリ写っているけど、背景が気に入らない」といった写真を使いたい、という場合です。
 このような場合は、人物だけを切り抜いて他の背景と合成できますので心配ありません。また、背景については、葬儀社のスタッフとの打合せの際に、様々なパターンの中から選んで決めることとなります。

撮影時期の許容範囲は?

 あまり写真を撮影する or される習慣のない方の場合、直近の写真がなかなか見当たらない、ということもあるでしょう。そのような場合の「遺影写真の撮影時期の許容範囲」は、どれくらいが目安なのでしょうか?

 一般的には、おおむね5年以内の写真を選ぶことが望ましい、と言われていますが、最近では撮影の年月に拘らず「その人らしい姿の写真」が選ばれる傾向にあります。

 例えば、長く闘病をしていて「直近の写真が手元にない」「本人が元気な頃の姿を遺影にしたい」といった場合には、5年以上前の写真が選ばれることも多々ございます。実際には、面影がわからないほどかけ離れていなければ、それほど気にすることはないでしょう。


地域の葬儀社が開催する「写真撮影イベント」を利用するのもGood!

 「遺影写真を用意しておきたいけど、手元にいい写真がない…」という方へ。

 全国各地の葬儀社にて、しばしば遺影写真の撮影会イベントが行われることがあります。もしお近くの葬儀社にてこのようなイベントが開催されるような場合は、一度参加してみるのもよいでしょう。
 また、同時に事前相談会を設けている場合も多いので、ぜひこちらも参加しておくと、いざというときの安心にもつながります。

 燦ホールディングスのグループ各社でも、不定期に開催するイベントにて「写真撮影会」を実施することがございます(※イベントにより内容が異なります)。機会がございましたらぜひご参加ください。


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