テレワーク環境において復職面談をする上での留意点について(COVID-19産業保健コンサルティングチームより回答)
【質問】
復職面談をする上での対応方法と、テレワークから出社に戻った際の留意点について
(企業規模：300名以下、業種：メーカー)
コロナ流行以前より、メンタル不調にて休職している社員がおりましたが、この度、主治医より復職可の診断書が提出されました。本人とも連絡を定期的にとっており、本人も早期の復職意向が強いため、弊社としても復職させたいと思っております。
現状では、弊社の社員はほぼ全員がテレワークにて業務を実施しており、ICTでの復職面談及びテレワークでの復職が妥当ではないかと考えております。
しかし復職面談について、産業医に相談しましたが、特にメンタル不調の復職面談は対面が望ましいといわれており、一方で出社させての面談は感染のリスクもあるため、対応に苦慮している状態です。
つきましては当該社員の復職に際し、今後どの様な手続きを踏めばよろしいかアドバイスいただきたいです。
また、会社としてテレワークから出社での業務に戻った際に、当該社員について留意する点等があれば併せて教えていただけますと幸いです。
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【回答】
COVID-19産業保健コンサルティングチーム(※)より回答
※産業医を中心として結成された有志のチーム、画像は代表の小橋正樹氏
ご相談ありがとうございます。
一般にメンタル不調による休職者の復帰時は、様々な情報をふまえて判断を
行いますので、貴社の産業医が仰るように、対面での面談が望ましいと言うご意見はその通りであると思います。
一方で、出社に伴う感染リスクやご本人の早期復職意向なども考えると、ICTを用いた面談でも産業医が復帰可否判断を行えるように、事業場側で必要な情報を準備した上で、改めて面談実施を依頼されるのはいかがでしょうか。
具体的に必要な情報（決定しておくべき事柄）としては、以下が挙げられます。
１．復帰後の業務内容
２．職場のフォロー体制
３．（テレワーク訓練の結果）
４．（主治医の情報）
テレワークの場合は、勤怠不良やパフォーマンスが見づらくなる、体調不良が分かりにくくなるといった可能性があり、復帰後も注意する必要がありますので、パフォーマンスの評価方法も併せた業務内容と、業務開始・終了のタイミングで上長が体調確認を行う、などといったフォロー体制を事前に決めておくと、体調悪化が疑われる際にすぐ拾い上げることができるため、産業医としては復帰判断をし易くなるかと思います。
加えて、産業医面談の前にテレワークの訓練（始業終業時間に報告、成果が出ないPC作業など）を1週間程度でも実施させると、復帰判断の助けとなるので良いかもしれません。
さらに体調悪化が見られた際には主治医受診を指示することを考えると、受診がしやすい環境か（オンライン診療対応、予約外でも受診できるか）について確認いただき、産業医に情報提供するのも判断の一助になるかと存じます。
テレワークから出社での業務に戻る際には、業務負荷が変化する（通勤など）、そして感染リスクもある程度は抑えられている（もしくは対策が十分取れている）と想定されます。
対応としては、改めて対面の産業医面談にて状況確認（出社での業務従事可否判断）を行うことが挙げられますが、産業医が初回の復職判定の際に「出社での業務に耐えうる」ことも含めて判断すれば、改めての面談は不要とし、会社指示により出社での業務に従事させてもよいと考えます。
後者のケースでは、判断の参考として「初回面談時に対面での面談が必要」と考えている可能性もありますので、対面での面談でしか対応できないと言われた場合には、以下のような感染対策を行った上で、実施いただくのもやむを得ないかもしれません。
・正対しない形で面談する（4人掛け机の対角に座る）
・面談時間は短時間にする(15分程度)
・面談室の換気や使用前後の消毒を行う
・全員がマスク着用の上で面談する
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