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日本EAP協会シンポジウムに社長の榎本正己が登壇しました

 7月15日、「第24回 日本EAP協会シンポジウム(EAP及びメンタルヘルスケア業界:市場活性化と新規産業創出)」に当社代表取締役社長の榎本正己が登壇しました。当社東北支社の相談室長、清野俊充(日本EAP協会事務局長)が、当社メルマガに大会のレポートを掲載しましたのでご紹介します。


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■大会名:第24回 日本EAP協会総会/シンポジウム(令和5年度 第2回研修会)
■主 催:日本EAP協会
■日 時:2023年7月15日(土) 14:15~16:45
■テーマ:EAP及びメンタルヘルスケア業界:市場活性化と新規産業創出
■講 師:小栁 勇太(経済産業省ヘルスケア産業課課長補佐)
      「国の方向性、将来への展開:市場が求めるもの」
     大野 考司(NTTデータ経営研究所)
      「職域の心の健康分野における産業育成の必要性と課題」
     菅 優一郎(日本航空 人財戦略部)
      「メンタルヘルスを含むエンゲージメントの向上に係る取り組みについて」
     榎本 正己(ジャパンEAPシステムズ 代表取締役社長)
      「EAP及びメンタルヘルスケア業界市場活性化と新規産業創出~ とある外部EAP機関の活動と課題」
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●シンポジウム概要

 シンポジウムでは、国が進める職域での心の健康分野における事業について、企業(需要側)、プロバイダー(供給側)双方の視点から、課題や対応について議論されました。
 
 以下がシンポジム全体の内容の抜粋です。

<職域の心の健康分野における産業育成の必要性と課題>
・生産年齢人口の減少に伴い、健康寿命の延伸や健康への投資を中心とした産業市場の拡大が必要
・人的資源管理から人的資本投資への変化に伴い、リスキリング等を通じた個と組織の成長が必要
・人材と組織の心の健康保持増進及びパフォーマンス向上に係るボトルネックの解消に向け、ポジティブメンタルヘルスの強化とデジタルの活用を見据えた産業の育成が必要
・需要側による健康経営の促進、供給側によるヘルスケアサービスの信頼性確保を通じた社会実装が必要
・一定の評価軸(情報管理やエビデンスの有無等)に基づきサービスを選択できる仕組みの構築が課題

 榎本からは、当社の強みである「企業(人事・管理職)との連携」「健康支援(メンタルヘルス)とキャリア支援(ポジティブヘルス)」等について話題提供を行い、日ごろの活動を通して感じる課題、それを踏まえた需要側企業や国への要望として、EAPの活用法、ストレスチェック集団分析とTHP活動との関連性などを伝えました。
 
 当日は、ヘルスケアサービスにおける「デジタル化の推進」「質の担保に向けたエビデンスの構築」といった今後の展開、「効果測定で企業側が重視したい項目は何か?」「健康経営促進に向けた取り組みとして何が必要か?」などの実践的な質疑もなされました。
 
 当社は引き続き、個別支援を丁寧に行う「泥臭さ」を大切に、人の幸せやよりよい働き方、人と組織の生産性などに寄与して参ります。
 
 清野のレポートは以上です。 

●何と、米沢は初めてEAP協会の大会に参加

 ここからは米沢の参加報告です。ジャパンEAPシステムズに30年近く籍を置きながら、日本EAP協会の大会に参加するのは初めてでした。何で今まで参加しなかったのか?改めて考えるとよくわからないのですが、協会の活動はEAPカウンセラーのためのもの、という意識がどこかにあったのかもしれません。協会員のみなさま、ごめんなさい。今年度から積極的に学んでいこうと思っております。

●経済産業省が関わることの心強さ

 経済産業省の小栁さんは、生産年齢人口の減少、公的な社会保障の負担増といった我が国の課題を提示され、健康寿命の延伸と、人々の健康への投資・健康に関わる産業市場の拡大を見据え、1.ヘルスケアサービスの信頼性確保、2.心の健康に関する取り組み、3.心の健康保持増進領域における予防サービス市場の環境整備の3点について、わかりやすく説明してくださいました。
 経済産業省が健康の分野に積極的に取り組んでいるということに気づいたのは数年前でした。ある学会で経済産業省の方の講演を聴く機会があって、「うわ、これは本気だ!」と感動したことを今でもはっきり覚えています(内容は忘れましたが)。私たち医療者はどうしても「安全」の方から健康を考えがちです。「守り」と言ってもいいかもしれません。「安全・安心」があるからこそ挑戦もできるわけですが、ではどこに向かえばいいのか。何を目指せばより健康になれるのか。「攻撃は最大の防御」という言い古された言葉がありますが、目標を持って進む人はやはり強くしなやかであると思っています。私が仕事の軸足を臨床から予防医学の分野に移したのも、健やかに生きていくには何をすればいいかを考えたかったためです。私は「健康経営」を初めとする経済産業省のこれからの仕事に期待しています。 

●NTTデータのサポートは大きい

 次はNTTデータ経営研究所の大野さんのお話でした。実はNTTデータは私の出身小学校のすぐ近くで、勝手に親近感を抱いていたのですが、心の健康に関する研究も行っているとはまったく存じ上げませんでした。失礼しました。大野さんからは、1.産業育成の必要性と課題、2.品質確保のための方策、3.「職域における心の健康関連サービス」活用に向けた研究会についての3点について、データを元に詳しく説明してくださいました。製品・サービスの品質確保の話は小栁さんからも出たのですが、これはメンタルヘルスの分野の課題ですね。EAPの営業場面では、しばしば「EAPにはどんな効果があるのか?」と聞かれます。さらにそのサービスの品質はどのように担保されるのか。メンタルヘルスサービスの数値化、見える化は私たちにとってずっと課題でしたが、NTTデータのような専門家のバックアップが得られると、大きな支えになります。

●JALは「三位一体」で全社員を支える

 3番目は企業の現場の立場から、日本航空の菅さんの話を聞けました。菅さんは日本航空に総合職として入職されましたが、経営破綻した際にいったん会社を離れ、大学院でカウンセリングを学び、外部EAPを経て2019年に日本航空の人材戦略部に戻られた方です。
 菅さんは、メンタル支援、キャリア支援、組織開発支援の「三位一体」で全社員を支え、「働きがい」を追及するという考えを示されました。働く上での「心の幸福」とは、「心が安定」×「働きがい」と定義し、「働きがい」追及のための「5階層モデル」という菅さんオリジナルの理論を紹介してくださいました。これは、職場の「心理的安全性」と「ストローク」(フィードバック、サポートなど)から形成された組織を土台に、「健康」「マインド」「スキル」で構成された個人があるという考え方です。詳細をお伝えできないのが残念ですが、とても納得しました。
 後半は現場での取り組みの話でした。まだまだ道半ばとおっしゃっていましたが、企業理念に則ったアイデアを軸に展開される取り組みは、一貫性があって強いのではないかと思わされました。

●JESのサービスは「濃い!」

 最後は社長の榎本の話でした。内容は清野のレポート通りですが、自分が所属する会社の話を第三者的に聴くことは意外にありませんし、上記3名のお話を聴いた後だからこそ感じる、困りごとが起こっている「現場」に密着し、寄り添った、実に密度の濃いサポートをしている会社なのだな、と改めて感じた次第です。

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