産業ダイアローグ研究所

精神科専門医・指導医であり、認定産業医でもある米沢宏が所長を務める株式会社ジャパンEA…

産業ダイアローグ研究所

精神科専門医・指導医であり、認定産業医でもある米沢宏が所長を務める株式会社ジャパンEAPシステムズ「産業ダイアローグ研究所」のnoteです。オープンダイアローグのアイデアの産業領域での活用を推進し、「ビジョン・クラフティング研究所」と共にEAPの新たな可能性を探って参ります。

マガジン

  • トラウマ関連

    トラウマ関連の記事を収めています

  • JES学術活動

    米沢だけでなく株式会社ジャパンEAPシステムズ スタッフの学会・講演活動を紹介します。

  • オープンダイアローグとその周辺

    オープンダイアローグだけでなく、産業領域で活用できるさまざまな心理社会的アプローチを紹介します。

  • アディクション問題

    アディクション問題に関連する記事を収めます。

  • JES通信コラム

    株式会社ジャパンEAPシステムズのメルマガ、JES通信に掲載している「ドクター米沢のミニコラム」を毎月転載します。

最近の記事

トラウマ・インフォームドケアとは何か(TICその1)

 2024年6月、金剛出版主催の「トラウマ臨床の現在(いま)」というワークショップが開かれ、「トラウマインフォームドケア」と「トラウマインフォームド認知行動療法」に参加しました。2つのワークショップ、どちらも素晴らしかったのですが、特にトラウマインフォームドケア(TIC)はすべての人に知ってほしいと思い、今回取り上げます。 (チラシの表記は「トラウマインフォームドケア」となっていますが、私は「・」が入った「トラウマ・インフォームドケア」の方が見やすいので好きです。本論では略称

    • セミナーのご案内:支援者のためのレジリエンス・スクール 第2回 ~アディクションのメカニズムを知る~

       10月1日のイベントのご案内を忘れていました!副所長の春日の運営する、森とこころの研究所が主催する支援者のためのレジリエンス・スクールです。  第2回のテーマは「アディクションのメカニズムを知る」。  アディクション、と聞いて、みなさんはどんなイメージを持つでしょうか。  私たちの身の回りには、気づかないうちに依存状態に陥る危険性が潜んでいるものが多くあります。  スマートフォンやSNS、アルコールやギャンブルなど、誰にでも身近なものが依存の対象になりうるのです。  しかし

      • 特集「パワーハラスメント防止と産業精神保健」が公開されました(産業精神保健学会誌)

         当研究所所長の米沢と副所長の春日が編集委員を務めております日本産業精神保健学会誌ですが、このたび「産業精神保健」第32巻 第3号が公開されましたのでご案内申し上げます。 『産業精神保健』第32巻 第3号 ●特集 パワーハラスメント防止と産業精神保健 ▼特集にあたって/大庭 さよ ▼パワーハラスメントの歴史と今後の課題/岡田 康子 ▼パワーハラスメントが起こる個人的要因と組織的要因/津野 香奈美   ▼精神障害の労災認定事案における心理的負荷としてのパワーハラスメン

        • 10月に名古屋でアルコールの研修講師をします

          ■令和6年度 名古屋市依存症支援者研修会(アルコール健康障害)■ メンタルヘルス問題とアルコール 〜どう気づき、繋ぎ、関わるのか?〜 日時: 第1回 10月27日(日) 第2回 11月17日(日) 場所:西山クリニック 定員40名。対象は原則名古屋在勤の方のようですが、お問合せください。 詳しくはチラシをご覧ください。  私は10月27日(日)午前に登壇します。今回は産業分野に焦点を当てるようで、午後は産業保健師さんも登場します。私も産業現場の活動に絞ってお話ししようと思っ

        トラウマ・インフォームドケアとは何か(TICその1)

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        • 産業オープンダイアローグ研究会
          11本

        記事

          合理的配慮を考える:精神の障害の場合(JES通信【vol.186】2024.9.10.ドクター米沢のミニコラムより)

           先月のコラム(JES通信vol.185)では5月に行われた産業衛生学会のシンポジウムを踏まえ、障害者の合理的配慮の基本的な事柄を確認しました。その内容はnoteに掲載しています。今回は私の専門である精神の障害の合理的配慮について、メンタルヘルス不調による休職者の復職支援を中心に考えてみたいと思います。 1.メンタル不調による休職者も精神障害者? a.慌てて合理的配慮の勉強を始めた  職場での合理的配慮が義務化されたのは2016年(事業者等は努力義務)。当時私はメンタルク

          合理的配慮を考える:精神の障害の場合(JES通信【vol.186】2024.9.10.ドクター米沢のミニコラムより)

          公開シンポジウム「依存症といのち」の予告動画ができました

           自殺予防学会といのちの電話共催の公開シンポジウム、「依存症といのち」のご案内をしましたが、シンポジウムの予告動画が公開されましたのでご案内します。    また当日は無料のオンライン配信がございますので、以下のリンクからご参加ください。   みなさまのご視聴、ご参加をお待ちしております。どうぞよろしくお願いします。

          公開シンポジウム「依存症といのち」の予告動画ができました

          フィンランドの対話資料を検討する(2024年度第3回産業OD勉強会)

           2024年度第3回産業オープンダイアローグ勉強会を8月29日にオンライン開催しました。参加者は6名でした。今回は副所長の春日が3月にフィンランドを訪問した際に入手したダイアローグの資料を取り上げました。現在日本語への翻訳が進行中だそうですが、その一部を提示してもらい、参加者それぞれがコメントする形で勉強会は進みました。  ここ数ヶ月、私は殺人的な忙しさを経験していました。え、今日は8月29日!?まだ8月前半だと思っていた…8月にやりたいことがいっぱいあったのに…と愕然とした

          フィンランドの対話資料を検討する(2024年度第3回産業OD勉強会)

          JFPA思春期保健セミナーのご案内

           こちらのご案内を忘れていました。今年もJFPA思春期保健セミナー コースⅠを担当します。9月27日から10月13日までのオンライン配信です。チラシでは申込締切が9月2日となっていますが、ホームページでは9月9日までとなっています。ご確認ください。私は以下のような内容をお話ししました。  このセミナーは1981年から開催されていて、今回で何と92回!私がお世話になった先生方が講師を務められていて近づき難かったのですが、いつの間にか世代交代し、2020年からお手伝いするように

          JFPA思春期保健セミナーのご案内

          自殺予防学会シンポジウム「依存症といのち」に登壇します

           2024年9月、第48回日本自殺予防学会大会および第29回日本臨床死生学会総会の合同大会が、さいたま市で開かれます。自殺予防学会大会では以前より開催地の「いのちの電話」が共催として関わり、公開シンポジウムを担当してきました。米沢は2023年より社会福祉法人埼玉いのちの電話の理事を務めており、今回のシンポジウムの司会を担当することになりました。  埼玉いのちの電話として公開シンポジウムを担当するのは2000年に行われた第25回大会以来、2度目になります。今回のテーマは「依存症

          自殺予防学会シンポジウム「依存症といのち」に登壇します

          学会参加報告:産業衛生学会2024広島 最終回

           産業衛生学会2024広島の報告、最終回です。その1、その2、その3、その4、その5もご参照ください。    広島訪問ははるか昔に学会で来たのですが、何の学会だったか思い出せないし、一泊だけで観光もせずとんぼ返りでした。今回は3日間あるので、この目でしっかりと「ヒロシマ」を見なければと思っていました。 ▼平和公園、原爆ドーム、そして平和祈念館  初日午後は平和公園を隅から隅まで、ゆっくりと回りました。原爆ドーム、映像では数えきれないほど見てきましたが、実物を見るとやはり感

          学会参加報告:産業衛生学会2024広島 最終回

          学会参加報告:産業衛生学会2024広島その5

           産業衛生学会2024広島の報告その5です。その1、その2、その3、その4もご参照ください。 ▼LGBTQ+労働者に産業保健はどう向き合うべきか  その4で紹介した生活記録表アプリのランチョンセミナーが終わるとそのままメインホールに残り、LGBTQ+のシンポジウムを聴きました。  第1席兼座長の江口氏からは、LGBTQ+に関する知識が乏しいために、当事者への接し方に自信が持てないというご自身の感覚を率直に話されました。とても共感しました。たとえばLGBTQ+という言葉一

          学会参加報告:産業衛生学会2024広島その5

          学会参加報告:産業衛生学会2024広島その4

           産業衛生学会2024広島の報告その4です。その1、その2、その3もご参照ください。 ▼生活自動記録アプリ!  土曜午前の自由集会を終え、ランチョンセミナー15「睡眠・生活習慣と休職予防・復職支援 ~ 最新の生活自動記録アプリの活用 ~」に参加しました。リワークに携わる身としては東京医科大学の睡眠健康研究ユニットリーダーの志村哲祥氏。睡眠研究で有名なスタンフォード大学にも籍を置かれているそうです。  レクチャー前半は睡眠研究の情報をアップデート。後半に心想計というアプリが

          学会参加報告:産業衛生学会2024広島その4

          学会参加報告:自由集会「職場における合理的配慮について多職種による意見交換」に登壇(産業衛生学会2024広島その3)

           産業衛生学会2024広島の報告その3です。その1はこちらをご覧ください。その2では障害者の合理的配慮のシンポジウムの報告とそれを踏まえて押さえておきたいことを記しました。今回は米沢が登壇した自由集会「職場における合理的配慮について多職種による意見交換」の様子と、自由集会の準備をしながら精神障害者の合理的配慮について考えたことを記します。 ▼自由集会:産業保健から合理的配慮を考える会  自由集会って何だ?と思われる方もあるかと思いますが、ミニシンポジウムであったり、意見交

          学会参加報告:自由集会「職場における合理的配慮について多職種による意見交換」に登壇(産業衛生学会2024広島その3)

          合理的配慮 について:産業衛生学会(広島)シンポジウムを踏まえて(JES通信【vol.185】2024.8.9.ドクター米沢のミニコラムより):学会報告その2

           毎日とんでもなく暑い日が続いておりますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。  熱中症やコロナ第11波など、気になることはたくさんありますが、これらに関しては昨年8月のコラムをご参照ください(資料1)。基本的な考え方・対策は変わっていません。今回は2024年5月に行われた 第97回日本産業衛生学会(資料2)の報告も兼ね、障害者の合理的配慮を取り上げます。 ▼産業衛生学会で取り上げた背景  この春、合理的配慮をめぐる報道を目にする機会が増えました。2024年4月から、自社

          合理的配慮 について:産業衛生学会(広島)シンポジウムを踏まえて(JES通信【vol.185】2024.8.9.ドクター米沢のミニコラムより):学会報告その2

          学会参加報告:産業衛生学会2024広島その1

           ご報告が遅くなりましたが、5月に広島で行われた第97回日本産業衛生学会に参加しました。今回は最終日に行われた、障害者の合理的配慮の自由集会(ミニシンポジウム)に登壇するのがメインの役割でしたが、いろいろな学びがありました。   ------------------------------------------------------------- 第97回日本産業衛生学会 日時:2024年5月22-25日 会場:広島国際会議場・中国新聞ビル テーマ:変革期における産業保健

          学会参加報告:産業衛生学会2024広島その1

          日経ビジネスに米沢のインタビューが載りました

          ▼何と、巻頭の「有訓無訓」に米沢が載った!  日経ビジネス2024年8月5日号の「有訓無訓」に米沢のインタビューが載りました。  日経ビジネスさんとは2017年以来のお付き合いです。過去にこんなインタビューを受けました。 ●ビジネスマンとストレス管理 (2017.11.10) ●パワハラを起こしやすい人 起きやすい職場 (2018.5.4) ●依存症リスク、健康リスク 体質を意識して適切な飲酒を (2018.8.31)  今でもオンラインで記事が残っているのはあり

          日経ビジネスに米沢のインタビューが載りました