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ママはいつも好きなことできていいね

「ママはいつも好きなこと出来ていいね」と、娘5歳に突然言われた。

その日は、父母会に行く調整を上司に掛け合い、急いで仕事を済ませ、早めに保育園迎えに行き、図書館に行きたかったのに雨でUターン、家で急いで夕飯作り、食べているところにまさかの夫が登場。聞けば職場を休み家で寝てたとか。いつも帰宅深夜なので、休むのはいいけど休んだら伝えてくれよと、夕飯いるなら先に言えと、むしろ元気なら作ってくれててもいいじゃんと……いや、グチじゃないですよ。決して。あくまでも状況説明ですよ。

そんなワンオペの不満がぐるぐると渦巻いて、いつもなるべく朗らかに誘っているお風呂もピリピリと無理矢理入れ、夫が一人でお風呂に入るのを見ながら娘の髪を乾かし、歯磨きに入る。そんな矢先だった。

つまり、何も思い通りにいかないこんな世の中で、好きなことなんて何ができたか、と思う日々で、その言葉が出たことにびっくりした。

「ママの好きなことって何?」

少しトゲのある言い方になってしまったかな?と思いながら、娘に尋ねる。

娘は私の気持ちに構わず、のんびりと考えそして言った。

「娘ちゃんと絵本読んだり、娘ちゃんとお花見たりしてきれいだねって言ったり、娘ちゃんと寝るのも好きでしょ」

予想外の答え!!
「……それは娘ちゃんが好きなことじゃないのー?」と返してしまう。
「娘ちゃんは寝るのすきじゃないもーん」
「ママは娘ちゃんと寝るのは好きだけど、寝かせるのは全然寝ないからすきじゃないもーん」
「でも寝る前お話するのは好き」
「それはママも好き」
なんだこの会話は、推しか。照れ隠しか。

ともあれ娘は、私が好きで娘と一緒に絵本読んだり寝たりしていると思っていたのか、と分かった。
逆にわたしの中の『好きなこと』って、ひとり時間だったり、娘抜きのイメージだったなと、改めて突きつけられた気がした。ごめんよ娘。

どうして、好きなことは娘抜きだと勝手に思っていたんだろう。
『好きなこと』と言われると、『母じゃない自分を取り戻す時間』だと思うからだ。誰かのためじゃない、自分だけの時間じゃないと許されないような。

もちろん、その時間も大切だしないとやっていけない。でも。
娘のいうように、共有している時間も楽しめていたら『好きなこと』カテゴリーに入れてあげられたら。
なんだか私のキャパが広くなるように感じた。

きっと娘という最大の推しとこんなに密に過ごせる時間は、毎年どんどん減っていく。10年後には、私がやりたいと思っても、もう、膝の上で一緒に絵本読んで、添い寝したり、できないんだろうな。
寝る前、歯磨きしながらムシバイキンの話をしたり、寝る前楽しかったことを話したり、する中で笑う娘との時間最高だ。娘がいるから花を見たり、育てたり、喜びを分かち合うことができる。
そうか、不妊治療で辛かったとき、出産後死にかけたとき、我が子とやりたいと思っていた事が、今叶っているんだ!

そう思うと、確かに、「ママはいつも好きなことしてる」のかもしれない。

もちろん、だからといって、たまには一人で息抜きするのも必要だと思うけども。

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