金尚弘

東京農工大学で准教授をしています.好きなことは教育,研究,ゴルフ,骨ストレッチ,書道,…

金尚弘

東京農工大学で准教授をしています.好きなことは教育,研究,ゴルフ,骨ストレッチ,書道,美味しいものです.

最近の記事

研究をするなら言葉の定義にこだわろう

書き言葉は人類発展の基礎人間の特徴の一つは書き言葉で情報を残すことですよね.書いて残すことで,他の人にも読んでもらえるようになりますし,情報を蓄積していくことができます.技術の発展にもつながります.研究をするなら論文という形にして研究成果を残すのが一般的です.将来的には書き言葉以外が主要になるかもしれませんが,,,. 言葉の定義を明確に書き言葉が重要だということを認めてもらったとします.言葉の定義があやふあやなままで,まともな情報伝達ができたり,すばらしい研究成果が生み出せ

    • 内と外

      砂山のパラドックスとかハゲのパラドックスとかありますけど,何事も境界というものは曖昧なものです.内側と外側の境界もどこにあるのか,よくわかりませんね.日本の家には縁側がありますが,家の外側と内側の境界を曖昧にしていますよね. では,自分の身体の内側と外側の境界ってどこにあるんでしょう.口からお尻まで,管が通っていると考えたら,口の中や胃の中は外かも知れませんね.腸の中には腸内細菌がいたりするらしいので,もはや自分の中に別の生命がいるということになってますね.どこが自分でどこ

      • 対面と遠隔

        人間同士の接触が制限され,色々なものが遠隔で実施されていますね.この記事では,遠隔でやること,対面でやることのメリットとデメリットについて述べ,今後社会がどうなっていくかを予想します. 遠隔のメリット遠隔で何かをやるときには,インターネットを使って,デジタルでやりとりをしますよね.電話とかもあるかもですがここでは無視します. 遠隔(インターネット,デジタル)の主要なメリットは 1.移動時間が不要 2.交通費が不要 3.デジタル化したものを再利用可能 だと思います.

        • 質疑応答のコツ

          研究成果を学会などで発表すると,発表後に質疑応答の時間がある.発表には時間をかけて準備しやすいが,質疑応答の準備はしづらく,質疑応答が苦手という人は多いのではないだろうか. 質疑応答をビシッとこなして,スマートな印象を与えるためのコツをお伝えしたい. 質問者の話を最後まで聞く質問者が話終えるまで,黙って最後まで話を聞くこと.途中で答えがわかったとしても,ニコニコしながら話を聞くこと. 質問内容を把握するこんなことは当たり前と思えるかも知れないが,これができていないために

        研究をするなら言葉の定義にこだわろう

          AIとIA

          AI(Artificial Intelligence: 人工知能)という言葉を知っている人は多いと思います.では,IAという言葉を知っていますか.AIと同じぐらい大事な概念だと思うので,この記事で紹介します. AI(Artificial Intelligence: 人工知能)AIは色んな場面で登場するので,色んなAIの定義があります.大雑把にいうと,「計算機(パソコン)で,自動で,便利なこと,賢いことをさせるためのモノ」です.重要なのは,計算機に知能を持たせようとしている,

          多目的最適化

          多様な価値観があるなかで,どう意思決定をすべきか,多目的最適化が教えてくれます. 最適化問題については,https://note.com/dr_kano/n/nb1e73d3d4d54を参照ください.世の中のことを最適化問題の枠組みに当てはめることはとても汎用性があり有用なやり方です. 多目的最適化一口に最適化問題といっても,いろいろな種類があります.多目的最適化問題は,評価関数に複数の項目が入ってるやつです.例えば,CO2排出量は減らしたいけど便利さは失いたくないとか,

          多目的最適化

          研究を通じて学生が体験するべきこと

          大学における研究では,教員と学生がチームを組んで同じテーマに取り組むことが多いと思う.ただ,同じテーマを扱うからといって,教員がやりたいことと,学生がやるべきことが一致するとは限らない.この記事では,教員と学生にとっての研究の意味がどのように違いうるのかを例示し,学生がやるべきことについて私見を述べる. 大学教員にとっての研究大学教員にとって,研究はどんな意味があるのか.1つの重要な側面は,研究はメシの種であり,研究成果が求められるということだ.論文の数,特許の数,賞の数な

          研究を通じて学生が体験するべきこと

          方法論と感情論

          方法論方法論っていうのは,平たく言うと,誰がやっても同じ結果を得るための方法,マニュアルみたいなものを作るための学問です.(もっと広い意味の方法論もありますが.) 私は製造プロセスを安全に,低コストで運転するためのマニュアル作りの研究をしてるって感じです.こんな研究を専門用語ではプロセスシステム工学(PSE)と言います.自動化を推進してる,みたいな感じに思ってもらってもいいです. 誰がやっても,ある程度の成果が出せる,底上げができる,それって素晴らしい,というのが方法論の

          方法論と感情論

          目的と手段

          加納先生の手段を目的にするのはダメという記事(https://note.com/dr_kano/n/n53fae3938739?fbclid=IwAR0lbbBP2kBHLnnwGj_e6zDjVKiYYto7gR5KGEtSU_Q9O1-C-o_1sgOIozs)に触発されまして,自分の考えをよく表し,かつ,よく学生に言うことをメモしておきたいと思います.学生以外にも成立することだと思います. 1.目的の達成度を測定する方法を持つべき  目的があっても,それを達成できてい

          目的と手段