SAND 南北コリア研究所

韓国・ソウルにあるシンクタンク(社)SAND研究所の日本支局。「脱北者にして東大博士号…

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韓国・ソウルにあるシンクタンク(社)SAND研究所の日本支局。「脱北者にして東大博士号」の所長ほか、その所長のネットワークを生かした韓国の大学教授・研究者陣の寄稿文を掲載するマガジン発行します。「北朝鮮ニュースの読解力が高まる」「北の人の視点・心情が分かる」!

最近の記事

[NKフォーカス]激変の南北関係 北朝鮮が「対南機関」を次々と閉鎖 協力も扇動もやめた…

昨年末から年始にかけて、南北関係が喧しい。北朝鮮側の最高権力者による強い発言が続いているのだ。 「朝鮮半島で戦争が現実的実体として近づいている」(金正恩朝鮮労働党総書記。2023年12月26日から30日まで開催された朝鮮労働党中央委員会第8期第9回全員会議) 「北南関係は、もはや同族関係、同質関係ではなく、敵対的な二国間関係、交戦国関係である」 「有事の際は核の兵力を動員して韓国全土を制圧するための大事変の準備に拍車をかけよ」(新年の辞) さらに15日には最高人民会議で

    • [SANDスクープ:平壌公開裁判映像] 現地高校生 韓国映画・音楽視聴罪で公開公開裁判「12年労働教化刑」

      平壌で高校生たちが韓国映画やミュージックビデオの視聴などにより「反動思想文化排斥法」違反罪で公開裁判を受け、12年の労働教化刑の判決を受けた場面が公開された。 SAND研究所が入手した北朝鮮内部の映像資料「首都であらゆる反社会主義、非社会主義現象を一掃するための闘争をさらに強化しよう」の内容だ。 この映像は北朝鮮当局が北朝鮮内で蔓延する韓流(K-カルチャー)の掃討のため、2020年12月に制定した「反動思想文化排斥法」の実施過程で摘発された事例を集めて編集した内部用住民の

      • 今年4月の韓国総選挙 「脱北者候補」が語る出馬理由 「脱北者が死ぬ覚悟で得る“自由”が韓国ではないがしろに」

        キム・クミョク(韓国政府国家報勲部政策顧問) 私は脱北者です。脱北者という言葉には、北朝鮮を脱出した移民という辞書的な意味と共に「自由を得るために命をかけた人々」という意味も込められています。私は自由を得るために持っていた全てを捨て、最高位層の生活も捨てて血の涙を流しながら脱北し、今こうして大韓民国の国民として生きています。 自由とは何か? 今日を生きる韓国人にとって自由は生まれた時から与えられる当たり前の権利です。誰もが自由を持っているため、自由はまるで空気のようなも

        • 韓日両国の核保有の必要性「北は300発所有時代へ」「米はあてに出来ない」=韓国専門家の視点

          チョン・ソンジャン 世宗研究所 韓半島戦略センター長 今からおよそ2年前のことだ。 金正恩は2022年12月、党中央委員会全員会議で核弾頭の保有量を「指数関数的に」増やすという立場を公に表明した。これが韓国と米国の研究機関が北朝鮮の核兵器の保有量と保有目標を過去より高く再評価する契機となった。 その結果、2023年1月に韓国国防研究院の朴容翰博士と李相圭博士が発表した報告書「北朝鮮の核弾頭の数量推計と展望」では、当時北朝鮮が保有していたウラン及びプルトニウム核弾頭の

        [NKフォーカス]激変の南北関係 北朝鮮が「対南機関」を次々と閉鎖 協力も扇動もやめた…

          2024年の日朝関係で"見るべきポイント"  韓国教授「両者は不信が強く国際情勢観も正面衝突」

          趙進九(チョ・ジング) 慶南大学極東問題研究所 北朝鮮と日本の関係と平壌宣言 「私たち(北朝鮮政府)は、平壌宣言を日朝関係改善の道しるべとして重く受け止め、その履行のためにこれまで日本側と様々な形式の接触と対話、会談を進めながら一貫して努力をしてきた。しかし、日本は日朝関係の性格と本質を否定し、平壌宣言を『拉致、核、ミサイル問題解決』のためのものと歪曲しながら一貫して彼らの不純な政治的目的の実現に悪用してきた」 2022年9月15日、北朝鮮外務省の宋一浩大使の談話の一部

          2024年の日朝関係で"見るべきポイント"  韓国教授「両者は不信が強く国際情勢観も正面衝突」

          「やべぇ奴キタ」 北朝鮮幹部の年末人事で韓国側が警戒する"軍の実質トップ" <キム・ミョンソンの北朝鮮インサイド>

          筆者=キム・ミョンソン(SAND南北コリア研究所) 写真=朝鮮中央TV パク・ジョンチョン党軍政指導部長が、北朝鮮軍部序列1位にあたる「労働党中央軍事委員会副委員長」に復帰した。 北朝鮮軍部を担当する労働党中央軍事委員長は金正恩が務めている。党中央軍事委員会副委員長は金正恩の後継者時代(2010年~2011年)に誕生した役職で、実質的に北朝鮮軍部を総括する重要な役職である。新年に韓国を狙った挑発的な軍事行動が強化される可能性が高いという見方が出ている。 パク・ジョンチョ

          「やべぇ奴キタ」 北朝鮮幹部の年末人事で韓国側が警戒する"軍の実質トップ" <キム・ミョンソンの北朝鮮インサイド>

          "金正恩 娘にキス" 平壌の年明けカウントダウンはどうだったのか? <キム・ミョンソンの北朝鮮インサイド>

          筆者=キム・ミョンソン(SAND南北コリア研究所) 写真=朝鮮中央TV 北朝鮮の金正恩国務委員長が、数万人の平壌市民がいる公の場で、娘のジュエの頬にキスをする様子が公開された。ジュエは母親であるリ・ソルジュよりも近い場所で金正恩に寄り添い、主席台で金正恩と共に花束を受け取る姿も見られた。 1日、北朝鮮の朝鮮中央テレビで公開された映像によると、金正恩は先月31日、北朝鮮平壌の5・1競技場で開催された新年の公演に出席した。 金正恩はこの日、ジュエと同じ車に乗り、公演場に腕を

          "金正恩 娘にキス" 平壌の年明けカウントダウンはどうだったのか? <キム・ミョンソンの北朝鮮インサイド>

          「韓国側と激しい応酬」 この年末 北朝鮮で何が起きていたのか <所長コラム>

          筆者=チェ・ギョンヒ(SAND南北コリア研究所所長) 2024年の新年早々、北朝鮮の金正恩はこう述べた。 「北南関係は、もはや同族関係、同質関係ではなく、敵対的な二国間関係、交戦国関係である」 「有事の際は核の兵力を動員して韓国全土を制圧するための大事変の準備に拍車をかけよ」 金正恩はまた、2023年12月26日から30日まで開催された朝鮮労働党中央委員会第8期第9回全員会議において「朝鮮半島で戦争が現実的実体として近づいている」と述べ、韓国に対する武力戦争の可能性を脅か

          「韓国側と激しい応酬」 この年末 北朝鮮で何が起きていたのか <所長コラム>

          SAND 南北コリア研究所よりご挨拶

          はじめまして。SAND南北コリア研究所です。 2017年に韓国で社団法人として設立された朝鮮半島情勢を研究するシンクタンクです。このたび日本の支局設立およびnoteを開始する運びとなりました。 我々が手掛ける 「SAND南北コリア研究所マガジン」 は、本研究所が数年に渡り韓国で取り組んできた北朝鮮情勢ニュースレターの日本語版です。 毎回、同所のチェ・ギョンヒ所長(東京大学博士)やキム・ミョンソン氏(元朝鮮日報記者)らの寄稿はもちろん、韓国の各大学・研究機関の北朝鮮関

          SAND 南北コリア研究所よりご挨拶