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大切にされたと感じるからこそ、人を大切に想える

1on1でのあるパパの言葉。

ゆうじさん(仮名)は幼少期、父親へ不満を持っていました。父親は、一緒に遊んでくれることもなく、いつも厳しく、わが子でも寄せ付けない雰囲気があったそうです。

ゆうじさんにとって辛かったのが、「相談ができなかったこと」話したいときに、話を聞いてもらえない。特に顕著だったのが、高校・大学受験のとき。志望校の相談はもちろん、すべり止めの受験をするかどうかすら、話し合いができなかったと言います。(すべり止めを受けるくらいなら、受験させない、浪人も許さないと言われたそうです)

ゆうじさんは、そういった経験から、相談できる親子関係を築いていきたい、と強く考えるようになりました。ただ、自分では話すまで、強く意識したいなかったことで、1on1を通じて、自分の大切にしていることを自覚することができたようです。

さらに突っ込んで、なぜ相談できる親子関係が大切なのか。ご自身の言葉で理由を語ってもらったとき「大切にされた経験のある人は、他人を大切にできる」というキーワードが出てきました。とても素敵な考え方ですね。

ゆうじさんにとって、父親が厳しかった一方、母親は全てを肯定してくれる温かい存在でした。その経験から、わが子にも「自分が大切にされた」と感じてもらえるようなことをたくさん行って、いきたい。その先に相談できる親子関係があると考えています。

・小1のとき、近所の友達とカブトムシをとりに朝早く出かけるとき、ゆうじさんの母親だけついてきてくれた(他の家庭の人は来なかった)

・夏のプールに行くとき、近所の子どもを集めて引率係を率先して行っていた

ゆうじさんは、そんな日常の場面から「大切にされた」と体感をもって、今自身が父親となっています。語彙の少ない子どもにいくら「大切にしている」と説明しても理解してもらえませんよね。むしろ、日常の積み重ねから、子ども自身が感じ取るものだと思います。

親がどれだけ思いをかけても、受け取るのは子どもであって上手くいくかどうかなんてわかりませんよね。ただ、親として、子どもがどんなことに関心を持っているのか、何に悩んでいるのかを知ろうとする姿勢は、思いを伝えるためにも大切だと思います。

時には、調子に乗っている(自分のことしか考えていない)とお灸をすえることも必要かもしれません。そのタイミングを外さないためにも、知ろう(理解しよう)とするスタンスは大切ですね。

ちなみに、厳しいと思っていたゆうじさんの父親も、浪人を許さないと言いつつも、実は浪人することを覚悟していたと、後にゆうじさんが母親から聞いたそうです。身近がゆえに、親子におけるコミュニケーションって難しいものですね。

良かれと思った言動が、親の独りよがりな押し付けにならないように、気をつけたいものです。

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