Game-changingであるか、という視点〜SDGsを問い直す〜
「アフリカでAI ?!」ってよく驚かれてたので、エチオピアのAIカンパニーiCog Labs・CEO Getnetの創業ストーリーをまとめたところ、思いの外、反響いただきました。ありがとうございます。
特に、「アフリカもAIも、関係ないのだけど」と言いながら
「(それでも)ワクワクしますね!」って声が多かったのが嬉かったです。
社名GAXの由来
じつは、アフリカであることも、AIに取り組むことも、私たちがやろうとしていることの根幹ではなかったりします。
たまたまアフリカであって、たまたまAIであった、というだけ。
本当にやろうとしていることは何か、っていうと
iCog Labsとの協業を決めて夫・秋間信人が会社を立ち上げるときに、その名前に込めました。
それは、
GAX=「Game-changing Accelerator」
「ゲームチェンジングを加速させるもの」たれ、ということでした。
この“ゲームチェンジング”っていうのが、本当にあらゆる場面でめちゃくちゃ大事だと思っていて、
誰と何に取り組むか、そして一緒につくろうとしている未来、すべてに「ゲームチェンジングであるか、という視点で貫かれていると実感しています。
そもそも「ゲーム」とは
いえば、所与の条件、与えられた土俵、価値観や仕組みなど
あるときは”常識”という言葉に収められているような
「自分たちがどこで何をしようとしているのか」って舞台設定の話。
やっかいなのは、実際の世界では、「こうあるもんだ」って思い込んでしまってる事象が幾重にも重なっているがために、「自分たちがどんなゲームの上にいるか」なんて、自覚しがたいってことかと。
そう”魚は水を知らない”。
一方で、直感している人も多いように、あらゆる場面で、あらゆる意味で、無自覚にプレイしていた”ゲーム”を自覚し、そのゲーム自体を変えていくこと、「ゲームチェンジ」、その必要が「いま」ほど迫られたことは、これまでなかったんじゃないか、と思います。
SDGsを問い直す
話題のSDGsもそう。
過去の延長線上の営みをそのまま繰り返してしまっては、
人類の、地球の存続Sustainabilityが危ぶまれる、、
じゃあどうやってSustainabilityを担保するような
「過去の延長線上にはない」未来をつくっていけるのか?
「問題をつくったパラダイムでは、その問題を解決することはできない」
ーA.アインシュタイン
「問題」にフォーカスする、「○番のゴールにアプローチしています」
って言い合う「ゲーム」では、SDGsが希求している世界は作れない、です。
なぜって、それは過去の延長線上のゲーム、だから。
弊社La torcheが関わることの多い「国際開発」の文脈でも同様で、、
「いかに貧しい彼らを助けるか」なんて視座では、かえって"彼ら"が自らを「自分たちは助けてもらう存在」と思い込み、本来の目的であろうエンパワメントとはかけ離れた現実を引き寄せてしまう、、
なんて本末転倒な現場が「よかれ」と、つくられてしまっています。("地獄までの道は善意で舗装されている"とは、教訓の中でもかなり手厳しいが。)
「問題」「足りないもの」にフォーカスするのではなく、いかに「ポテンシャル」や「チャンス/機会」、すでに持っているものからの展開を見出すか。その新しい物語を地道にも実装するか。
"従来の国際開発"を超えて、どう違うレイヤーでともに仕事をつくり、エンパワメントし合える好循環、ゲームチェンジングな現場がつくれるか。
その視点があるからこそ、現地でも同じチャレンジをする「現実を変えるキーパーソン」との信頼関係が築けて、一緒に取り組めているのだ、と振り返ります。
同じSDGsって言葉も、「(ゴールにあるような)問題を何とかしないと」ってだけで、自分たちがどんな「水」の中にいるか無自覚のまま、どのゲームをどう変えるべきかって視座が不在のまま使うと、すぐにバレます。
あー、その意味でSDGsって言葉に使われてる人ねって。
無自覚の罠を超えるために
無自覚であるものを変えるのは不可能に近いでしょう。
(何かの変化で、ついでに変わることはあっても)
でも、過去の延長線上にないもののために新しい梯子を立てかけるためには「系の外との出会い」が鍵になる、と思うのです。
自分の無自覚にある当たり前、その塊である「系」、その外側にあるもの・人・事象との出会い。(いや出会い頭の事故、みたいな衝突かも。)
そこで初めて、「あー自分の当たり前、ゲーム、って絶対的なものじゃないかも。他の選択肢、可能性があるかも。」って発見につながるような。
その意味で、1万キロ離れたエチオピアから、今回やってくるGetnetとの出会いが、誰かの「系の外との出会い」になって、ゲームチェンジングの始まりの始まり、となったらこの上ない喜びです。本当に。
彼自身が、「ゲームチェンジ」を体現していることも大きいと思います。
今回の彼らの滞在は約10日間。
「Game-changing Accelerator たれ」と社名に込めた原点に戻れる、
そんな10日間となりますように。
↑2019年2月、アディスアベバでの一コマ。
後日談:この記事にある2020年2月の彼らの来日後、ご存知のように世界は新型コロナウイルスの波に飲まれていきました。類まれな機会だったのだな、と噛み締めています。
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