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イギリスのロックダウンと『武器としての国際人権』

はじめまして

こんにちは。今イギリスでこれを書いています。こっちは今日も天気悪いです。今年の3月は雨ばっかりでした。

私、2022年12月に集英社新書『武器としての国際人権』を出版したんですが、その後、読者の方々に(「有料でもいいから」)「その後日談とか裏話が聞きたい」とか「いろんな人権の話が聞きたい」というリクエストをいただきました。

そういえばFacebookでもそういう投稿には反応が多い。NOTEってやり方まだよくわからないけど、とりあえず書いてみますので、お付き合いください。

私のいるエセックス大学は国際人権コースを世界でもいち早く設立したところ。私も20年ほど前に大学院生としてここに来ました。町は15万人くらいの規模でロンドンから電車で1時間弱の通勤圏です。

が、近くにはfoot pathがいっぱいあって、夏場はあちこちで野生のブラックベリーなんかがたわわに。夏の間に収穫して冷凍しておいたんですが、今日は久しぶりにそれでパイを作りました。ブラックベリーとマルベリーです。

そして、作りながらイギリスで厳しいロックダウンが始まった3年前の今頃のことを思い返しました。

ロックダウンって?

イギリスのロックダウンは2020年3月に始まったんですが、日本の自主規制とはわけが違うんです。人と会うことを「法律で禁止」されたんですからね。破ると罰金ですよ。警察が見回ってました。

町も、スーパーと薬局以外はほぼ全部閉まってる。外出は買い出しと、1日1回一種類の運動を、一人または同じ家の人とだけ許されている、という感じ。それまで「当たり前」だった自由がどんどん狭められていく、という経験をしましたね。

講義や講演で私がよく引用する「日頃、呼吸することを私たちは意識してなくても、息ができなくなるとその重要性に気づく。人権も同様で、なくなりそうになって初めてその重要性に気づく」という元国連人権高等弁務官の言葉の意味を実感しました。

イギリスのその当時の様子はIWJに『ロックダウンレポート』の連載を寄稿してるので、ご覧ください。


執筆とお菓子作り

そんな中、自宅でお菓子作りに励む人が増え、べーキングパウダーや小麦粉が品薄になったりしていました。私も気晴らしにネットでいろんなレシピ見つけて、チーズケーキやらクッキーやら作っていました。

そしてずっと籠って毎日毎日専念していたのが、執筆活動です。あの頃はまだ原稿を書き始めたばかりで先が見えず、一般書の世界も初めてでわからないことばかり。それまで論文とネット記事くらいしか書いたことがなかったので。

「これは論文じゃないんだから」と自分に言い聞かせ、少しでもわかりやすい文章になるように編集者に助けてもらいながら、ただひたすら書き続ける日々でした。

ロックダウンでメンタルがやられた人は本当に多かったです。私も気づいたらストレスで脱毛症になっていましたよ。両耳の上あたりの髪の毛ががっさり抜けて薄くなってるのに気づいたんです。あれは焦りましたね。これはストレスからだって専門家に言われました。

そんな中、執筆という大きな「毎日の課題」があったのはしんどかったけど、よかったです。今振り返れば。

ひたすら机に向かい、1日1回の運動で外に出かけて、ブラックベリーなんかとってきて、気晴らしでお菓子作って、またひたすら執筆する。そんな日々でしたねえ。

そうそう、執筆の初期はあの厳しいロックダウン中、お菓子作りしながら書いたんですよ、この本。ぜひ、皆さんもお菓子でも食べながら読んでみてくださいね。



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