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⑤(自分が学び中の)PR、企画、ブランディングの話_番外編…大企業→中小企業に転職して2年で自分が学んだこと

11/2のnoteの最後の文末で、「自分の力量不足が嫌と言うほどわかった…」と書きましたが、その考えに至るまでの、自分の2年間の経験を、書き残しておきます。2年前の、現実が分かっていなかった自分に、ぜひ読ませてあげたい。そして、読ませた後に、絶対この経験はしておけ!覚悟しとけよ!と背中を押してあげたい。


自分の社会人としてのキャリアは、
約10年、某メガバンクでの営業や社内調整部署での経験。
→のち、転職。約2年、中小企業でお金周りを中心としたバックオフィス+
初めて挑戦する広報PR、プランナー、という仕事をしてきました。(現職)
約2年の間に、3つの「間 あいだ」を経験することができました。

1.大企業⇔中小企業 の間を知る。(人間関係)

どちらが良いという訳でもなく、批判する想いも全く無いことを先に
書いておきます。
大企業と中小企業、転職し大きく違ったのは、人間関係の濃さでした。

前職も特徴がある職場だったので一般的とは言えませんが…
前職では、(基本的に)論理的に、冷静に、整然と仕事が進んでいました。
ロジカルなことが一番。社内政治も多々ありましたが、合理的であることが物事を通すにあたっての全ての条件でした。
一方、現職では人間臭く、感情も隠すことなく仕事の中でやりとりされていました。組織の中での最終判断が合理的で無い、と感じたことも。
当初は「どう考えても効率的ではない」「なぜ組織の成長を考えず、目の前のことに文句を言ったり、自分の立場ででしか物事を判断しない人がいるのか」と憤慨していた時期もありました。

当時、中小企業の中での仕事の進め方に悩んでいた自分に、アドバイスを下さった方の言葉が今でも心に残っています。これが、言い得て的、かと。
「大企業に勤める人は、自分の意見で会社を動かすことができないと諦めているから何も言わない。中小企業の人は、自分の意見が組織に影響を及ぼせると思っているから些細なことも口に出すのだ。」
「人は、正論では動かない。頭では分かっていても、どこかおもしろくない、気に食わないと…感情が反発すると従わないもの。だから正論だけを通そうとするな。」

2.組織人⇔フリーランスの間を知る。(組織に所属する立場、そうでない立場)

現職では、フリーランスとの付き合いも多い会社だったため、会社として
フリーランスとどう付き合っていくか、シビアな面も含め良く見ることができました。

やはり社員という立場と、フリーランスは、守られている状況が違う。
どんなに良好に関係を築いているフリーランスであっても、会社とは一線を
置いている。馴れ合いは無い。シビアに報酬に見合う仕事であるか、会社としても図る。それで良いと思いますし、それが理想的な会社とフリーランスとの付き合い方だと思います。

大企業に比べれば中小企業の社員は、よりシビアに人件費単価を見られますが…それでも、人材の育成余地を考え、やはり、社員は守られています。
自分も現職で仕事に尽くしてきた中で、いろいろと力及ばずで今の会社で迷惑をかけてきた部分もありました。でもこれまでやってこれた。
これは、社員として守られていたからだと思っています。

この2年、当社の経営幹部の方たちが、経営戦略としての社内外のリソース配分について決断をしていく様子を近くで見、学ばせてもらってきました。
決断は早い。そしてそこには確実に、社員であるか外部人材であるかが影響してきます。(どんなに仕事上は良い付き合いをしていても。逆に良い付き合いのフリーランスは社内に囲い込みたいので、社員登用を打診する)
蛇足ですが、移住にあたって引き続き、今の会社から、仕事を業務委託の形で手伝えないかというありがたい話を頂いています。自分も今の会社が好きなので、是非と思う一方、契約は正社員からフリーランスに切り替わるので、今後、シビアに判断される場が来る…と覚悟をしています。これまでの
付き合いとは確実に変わる。
良好に付き合いを続けていくために、より、注意して業務委託元とのコミュニケーションを深めていく配慮が必要になるのだろうなと、今、ここまでまとめている中で、ふと気づきました。(これまでは対面でしていたコミュニケーションに、距離も時差も加わるので、より、一層。)

3.プロ⇔素人の間を知る。(プロとして「稼げる」スキルと経験、実績の積み方、積むまでかかる時間)

自分は転職前、金融系のバックオフィス業務の経験値を、ほぼ唯一のスキルとして転職しました。
将来は工芸系のプロデューサーになりたいという夢を持って。プロデューサーに必要な企画力、編集力、etcは一体なんなのか、ということも知らずに。(そんなことも知らずに新しい場に飛び込んだ行動力は今でも褒めてあげたい…自分、よくやった。後悔は無い。)
なんとかなると思っていましたし、努力さえすれば多少なりとも、カタチになると思っていました。

結論、プロデューサーとしては全く使い物になりませんでした。企画の基礎の基礎から、教えていただく状態。しかも、基礎力をつける企画のトレーニング方法も、迷走に迷走を続け、2年にしてようやく入口に経った段階…。入口が分かるまで、長かったし苦しかった…。(だからこそ、入り口が分かった今、移住するのが本当に心残りなのです)

ではこの2年、自分は仕事で何ができたのかというと、
誰かがtwitterでつぶやいていたこの言葉を借りて、
「3年前、自分が磨いたことで今、仕事ができている」状態。
3年前、自分が金融機関で行っていたバックオフィス整備、業務フロー、ルール整備、各関係機関との調整仕事などで身につけたスキルが、今、生きています。それこそ、自治体や省庁との、助成金補助金採択業務などにて。

伝統工芸の職人などは10年仕事を続けてもまだ、ひよっこと言います。
ある分野のプロになるにも、最低3年はかかるのではないかという実感を
今は持っています。もとから超せっかちで、当時33歳という年齢もあり、何か早く実績を出さなくては…と2年前の焦っていた自分に、一言、「落ち着け」と声を掛けたい。そう簡単に実績は出ない。だからこそ、今、一見ムダとも思える仕事も丁寧に、頭を使い、ひとつひとつこなせ、と。
ちゃんと身になるから、と。
ようやくその意識と姿勢が、最近身についてきたと思っています。まだまだ、華やかな実績からは程遠い。ですが、工芸職人さんや、クライアントさんや、関わる方との丁寧な人間関係の作り方、信頼の築き方、企画を提案するまでの相手との関係の作り方、などなど…一つ一つ、積み上げている手応えがあります。まだまだ、ですが。

4.まとめ

以上3点、自分がこの2年で得た学びです。
正直、転職して年収は下がりました。でも、この数年は修行期間で
年収下がった分は、授業料を払っていると自分に言い聞かせてきました。
そう思ってがんばってきた自分の決断は正しかったと
やっぱり、ここは褒めておきたい。


この2年、まったく楽ではありませんでした。苦しくて苦しくて、思い通りにならないことが多すぎて、悔し涙を流していることも多かったです。
けれども、この経験は何にも代えがたいのと、これがあってこそ
次のステップもなんとかなるさ、とも思っています。

だからこそ、今の会社では2年では足らないという悔しさもあり、
自分もまだ成長しきっていない、という不安も大いにあるのですが…。

まぁ次のステップというのは、大概は突然訪れるもので、準備不足な挑むものなのかもしれないですね。
そこで怯まず、躊躇せず、トライして、無理やり、自分を引き上げるものなのかもしれない。その怖いもの知らずさの姿勢を、この2年で磨いてきたのかもしれません。

だいぶ長くなりました。
こんなことを書いていたら、まだ年末は先なのに、だいぶしんみりとして
きてしまいました。会社を辞めるのだってまだ先なのに。
でも、ここで振り返えることができたので、
連休明けもまた、仕事を丁寧に始められそうです。

と言っても仕事、好きなので、今日も仕事したし、明日もしますが。
では。

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