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なぜアメリカなのか?国の文化『アメリカンドリーム』

『アメリカンドリーム』アメリカ合衆国における成功の概念のひとつ。均等に与えられる機会を活かし、勤勉と努力によって勝ち取ることのできるものとされて、その根源は、独立宣言書に記された、幸福追求の権利に拠る。1600年代はじめ、欧米から北米へと、巨大な移民の波が押し寄せ始めました。

18世紀のアメリカ黎明期において、ヨーロッパに比べて、出身や身分が決定的な役割を果たすことが少なかったわけですが。広大な土地に眠る豊富な地下資源のもたらす巨万の富などに、志を抱いて、情熱を燃やした多数の人たちが、ヨーロッパから新大陸であるアメリカに渡ってきました。

政治的抑圧から逃れたり、信教の自由を求めたり、母国では得られない機会を求めたりするためにこの地を目指してやってくる。およそ3世紀に渡って、この流れは数百人の英国人による入植からはじまり。何百万人もの新しい移民の大波へと拡大していったのです。そして、北米大陸の北部に新たな文明を築くことに成功したのです。

「アメリカンドリーム」という言葉は、そんな彼らの夢や希望を鼓舞し続けてきたのです。あれから約400年以上が経過した今。アメリカは、世界ダントツナンバーワンの経済力を誇る大国になりました。世界中の企業の時価総額の約40%以上をアメリカ一カ国が占拠しています。

僕たち「株式投資家」も、まさに今「アメリカンドリーム」を抱き、米国企業の「成長株」に投資をし続けることで、巨億の資金を積み上げることに成功を果たしています。その原動力は、やはり「アメリカンドリーム」にあると思います。

今なお世界中から、世界規模での経済的・社会的な大成功を求めて、トップクラスに優秀な人財が、「アメリカンドリーム」を追い求めて、アメリカに集まり続けているのです。僕たち「株式投資家」は、そんな「アメリカンドリーム」の大きな流れに投資をすることで、汗水垂らした労働に勤しむことなく、放ったらかし的に、投資した資金を増大させ続けているのです。


日本人でありながらアメリカで大活躍

ロサンゼルス・エンゼルスから、FAとなっていた大谷翔平選手は、10年間総額約7億ドル(約1,000億円)で、ロサンゼルス・ドジャース入団を発表。メジャーリーグだけでなく、北米プロスポーツ史上最高額の超大型契約を締結したと報じられました。2023年シーズンの年俸は3,000万ドル(約43億円)で、驚かされましたが。遥かに上回る金額でした。

同じ日本人・・・と言って良いのか分からないほど。大谷選手は、パーフェクト超人的な方ですが。改めて、日本生まれ、日本育ちの日本人にも関わらず、これだけ大きな成功を成し遂げることができるフィールドなのだと実感させられます。

一方で、同じくプロ野球が大人気の日本国内では。2021年〜2022年、楽天の田中翔太選手が9億円。2021年読売ジャイアンツの菅野智之選手が8億円。2004年〜2005年横浜ベイスターズの佐々木主浩選手が6億5,000万円。2002年・読売ジャイアンツの松井秀喜選手で6億1,000万円。そして、2021年・ソフトバンクの柳田悠岐選手で同金額の6億1,000万円。

助っ人外国人として、2004年〜2027年ソフトバンクのロベルト・オスナ選手が約10億円。2003年〜2004年ソフトバンクのロベルト・ペタジーニがこれをちょっと超える7億2,000万円。これも日本国内では、大きな成功と言えるのでしょうが。やはり「アメリカンドリーム」と比較してしまうと、かなりの見劣りをしてしまいます。

実力さえあれば誰しもが活躍できる国

2023年に、米国企業のアルファベット(Google)のCEO、スンダー・ピチャイ氏が、2022年に総額約2億2,600万ドル(約約330億円)相当の報酬を受け取ったことが公表されていました。ピチャイ氏は、元々アメリカ人ではありません。タミル人の両親のもと、インドに生まれて、子供時代をマドラス(チェンナイ)で過ごしました。その後、アメリカのスタンフォード大学を卒業したことで、後発的にアメリカ人になったのです。

ピチャイ氏は、2015年、Googleの組織再編と、Googleの持株会社となるAlphabetの設立に伴い、GoogleのCEOに任命されていました。2019年に、世界最高速のスーパーコンピューターでも、約1万年かかる計算問題を、たったの3分20秒で解くことに成功させ、ピチャイ氏はその名を世界中の業界人の中に轟かせた過去を持ちます。

MicrosoftのCEOの年俸8,430万ドル(約122億円)サティア・ナデラ氏も、生まれも育ちも、インド・ハイデラバード。その後、後発的にアメリカ人になっています。今をときめくエヌビディアの創業者・CEOジェン・スン・フアンも、台湾の台南市生まれで、後発的にアメリカ人になっています。TESLAのCEO、2021年に資産約40兆円を超えたイーロン・マスクも、南アフリカ共和国生まれで、後発的にアメリカ人になっています。

例え、アメリカ人であっても、実力の無い人たちは、底辺になってしまいますが。完全実力主義であり、実力さえあれば、外国人であっても、後発的にアメリカ人となり、アメリカ人として、アメリカの国旗を背負って、大活躍することができる。「アメリカンドリーム」は、400年後の現在も進行形で。

世界で最も、国籍・人種関係なく、実力さえあれば、認められて莫大な年収や金融資産を築き上げることができるチャンスが与えられるのがアメリカ。この文化は、昨日、今日そうなったわけではなく。まさに、400年間に渡り長い年月と、数々の人種差別にまつわる諸問題を経て、築き上げられたものであり。そうそう、他国が真似できるものではないわけなのです。

これから先「インド」はどうなのですか?

「これから先、アメリカではなくて、「インド」が伸びるのではないでしょうか?インド系の投資信託はどうなのですか?」

個別面談を通して、そのような意見を頂戴しました。確かにインドも、人口増加真っ最中で、これから先に、伸びる国と地域であることは確かだとは思いますが。それでも、少なくても僕たちの、目の黒い内に、インドがアメリカを超えるということは考えられないと思います。

なぜなら、今日に至るまでも、これから先の、10年、20年後のミライも。世界各国の最も優秀な人財は、インドではなく、「アメリカンドリーム」を目指して、アメリカに集まるからです。今では全地球上にその名を轟かせることになった、アルファベット(Google)のCEO、スンダー・ピチャイ氏も、MicrosoftのCEOのサティア・ナデラ氏も、共に、インド生まれのインド育ちではありますが。

それでは、果たして彼らがインド国内で挑戦をしていたとしたら・・・。間違いなく、今のような状態には、なれていないと思います。インドは2023年の今なお、「生まれで人を差別する」文化が、根強く残っています。そもそもインドは、「カースト制」で有名な国なのです。インドの人口の6分の1を占める「ダリット」は、地位が低いために、日頃から暴力や虐待にさらされています。

「ダリット」であると判明した途端に、上位カーストの同僚たちによるいじめがはじまるのです。上位カーストほど純潔だとみなす考えは、宗教的儀式や食習慣、差別的習慣を通じて、長い間、インド社会の中核に根付いてきたわけなのです。インドの主要企業約4,000社の管理職約3万5,000人のうち、ダリットなど、下層カースト出身者はわずか「3人」です。この文化は、なかなか変わらないと思います。

そんな差別文化が根づいている国に、一体どこの国のどの天才君たちが、その持てる実力を最大限に発揮すべく、インドに移住してくるのでしょうか?インドほど極端では無いかもしれませんが、同様なことが、中国本土でも、その他の大多数の国々で、何かしらの形で根付いている。

日本でも、外国国籍の方々が大活躍して、高い年収をもらっていると、元日産のカルロス・ゴーンのように、周りの役員から足を引っ張られて、落とされてしまうのです。本当に有能な外国国籍の天才クンたちが、一体どうして活躍しようと、日本に移住ようとするのでしょうか?今の時代のお仕事は、1人の優秀な天才が、世界を塗り替えてしまうくらいの影響力を発揮できる。

もう「どこの国と地域が?」という勝敗は、既に決着がついていると思います。だから、後は「アメリカ」の「どこの企業が」という部分が焦点なのです。これは、少なくても僕たちの目の黒い内は、変わらないと思います。人間の文化は、そう簡単には変わらないからです。

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