お寺に行く・さむ活に行く理由|11月25日開催レポート
こんにちは!さむ活P山田です。
福井の冬の始まりですね。ストーブやこたつを出したり、車のタイヤをスノータイヤに変えたりしている方が多いのでは。昨日開催したさむ活も、秋から冬への変化をたくさん感じられる1日でした。
さむ活とは福井県あわら市の天王山安楽寺にて毎月開催している体験企画です。お坊さんの修行のひとつ「作務」から生まれた数々の非日常体験やプチ瞑想、精進スイーツなど安楽寺ならではの体験を通して、お寺でゆっくり心地よく過ごしていただくプログラムです。
さむ活の詳細はこちら▼
こちらのnoteでは毎月開催するさむ活をレポートしつつ、山田がさむ活を通して気付いたこと、お寺のあり方や過ごし方について思うことなどをまとめていきます。
次回のさむ活は12月24日(日)詳しくはこちら▼
https://samu-katsu1124.peatix.com/
おはよう寺ねこさん
前日からこの日にかけて、天気予報で「山地で雪が降る」「気温がぐっと下がる」と言われていました。これだけ寒いと皆さんお家にこもるだろうな~、安楽寺は風があるから寒いだろうし…と身震い。この冬一番あったかい服をしっかり着こんで出発。
安楽寺に到着し、受付を設営していると
安楽寺を住まいのひとつにしている寺ねこ、たびさん。安楽寺でTNR(飼い主のいない猫を増やさないために、一旦捕獲し去勢、リリースする活動)をした猫さんです。最初は姿を見ること自体めずらしかったのに、最近は住職せいはんさんや坊守あきさん以外の人の前にもどんどん登場してくれます。
ぬるりと本堂に入ってにゃーにゃー言いながら、こちらが立ち上がるとちょっと逃げ、また寄ってきて、音を出すとちょっと逃げ、でもまた寄ってきて…を繰り返していました。
寺ねこさんにご挨拶したら、オープン準備をしながらせいはんさんやあきさんとお話。ストーブのまわりに集まって、近況報告や「そういえばあのニュース知ってます?」なんて世間話から、話が深まったり広がったり……
時々外にたびさんの気配を感じて「寒いから本堂に入っておいで」なんて声をかけてみるものの、そういう気分じゃないみたい。本堂の戸を猫1匹分開けておいて、ゆるりゆるりと3人でお話していました。
11月の安楽寺散策
やっぱり本堂は寒いね!と、エアコンがある客殿に移動して過ごしていると、外から差し込む日差しがなんとなく明るくなってきました。悪天候を心配していたけれど、実はそうでもないのかも。
せいはんさんが淹れてくれた美味しいコーヒーが全身に染みわたり、すっかりあたたまったので、安楽寺を散策してみることにしました。
外へ出ると、せいはんさんが落ち葉かきグッズを抱えて出かけていったので、後ろからついていきました。
中庭の落ち葉かきに出かけたんですね。「本当はもっとこまめにやりたいんだけどね~」「綺麗すぎるよりも、自然な感じでいいよね!ということにしよう」なんて言いながら(笑)積もり積もった落ち葉たちを集めていくせいはんさん。
苔の上に乗った落ち葉は手でやさしくかき集めていきます。
とその時「あっ!これ綺麗!」とせいはんさん。どれどれ……
あら、緑が瑞々しい苔の上にイチョウの葉っぱが!なんだか蝶のよう。朝少し雨がふったこともあって、しっとりうるんだ葉っぱたちがなんとも爽やかです。
苔の形ってかわいらしいですよね。近づくと木のような形で、自分が小人になったような感覚になります。素手でふれるとふわふわもこもこで、まさに毛の長い猫さんを撫でているような感じ。
「あっ!これも綺麗!!」とせいはんさん。水がめに張った水の中に紅葉した葉っぱが。綺麗~!ぴんと張った水面を見て「ゼリーみたいで美味しそう」と思ったのは秘密です。
お次はこちら。境内の大イチョウです。例年の見ごろは11月上旬でしたが、今年は色づくのが遅かったらしく、この2~3日前に黄色くなってきたんだそう。去年剪定したので葉っぱは少なめ。
木のふもとから見上げてみるとこの迫力。風が吹くたびにざざ~っと葉っぱがこすれる音に包まれます。ここちよい。
木の肌と言えばいいのでしょうか。いくつも層が重なって、パリパリになっています。春夏もこんな感じだったかしら。冬支度で風合いが変わったりしているのかも。あたたかくなったらまた見てみよう。
お次はこちら。六体地蔵さま。落ち葉と帽子の色がなんとも良い相性。
帽子が水分を含んで、ちょっと深かぶりになっていました。これはこれでちょっとおしゃれ。なんとなく整えさせてもらって、ふと見上げてみると
あら!これまた綺麗。すべての葉っぱが真っ赤に色づいているよりも、赤、黄色、オレンジ、緑といろんな色が無造作にある方が私は好きかも。こんな模様のブランケットでも作ってみようかしら。
つくってみました。色とりどりの葉っぱにくるまれる「はっぱブランケット」
お次は墓地へ。ガーデニング墓niwaboの冬の様子はこんな感じ。今日も北潟湖がよく見通せてとっても気持ちいい。
足元にも色とりどりの植物たち。寒くてもこんな鮮やかな色合いを見ると、なんだか力が湧いてきますね。
林の木々たちも風に吹かれてざわざわとうごめいていました。目に優しくて穏やかで、時間を忘れてゆっくりしてしまいました。
初めてのお客様
客殿にもどり、散策で冷えた体をあたためながら早めの休憩をいただいていたら、うれしいうれしいお客様!
さむ活にも安楽寺にも初めてお越しくださったお客様です。お寺や神社をめぐることがお好きで、イベントサイトでさむ活を見つけて「福井にもこんな企画があるんだ!」とびっくりされたんだそうです。
見つけてくださりとっても嬉しいです。ありがとうございます✨
お選びいただいたのは、瞑想と精進スイーツがセットになったよくばりプラン。瞑想は初めてということでしたので、入門編をご案内。住職せいはんさんのレクチャーでゆっくり体験いただきました。
レクチャーと2分瞑想、10分瞑想でざっくり2~30分ほどのプログラム。ゆっくりと自分の呼吸を見つめ、周囲の音や自分の頭の中に起こることを無理におさえず、ゆるやかに受け入れながら過ごす時間です。
終了後にご感想をいただくと「不思議な浮遊感がありました」と新感覚を体験していただけたようで良かったです。「普段は、集中すると息がとまっている時もあって」とおっしゃっていて、日頃の呼吸についてふりかえられるきっかけにもなったようです。
客殿に移動して精進スイーツタイム!お出しすると「こんなにたくさん!」「おいしそう」と嬉しいお声をいただきました。そうなんです、坊守あきさんのこだわりがふんだんに詰まった精進スイーツ。さむ活では「試食」としているんですが、季節を感じるメニューとボリュームが大人気なんです。
今回のメニューは、いも団子ぜんざい、おいもとりんごのカップケーキ、そしてRaw生チョコレート。あわらの薬膳茶のお店279(つなぐ)さんの薬膳茶もご一緒に♪ あきさんの精進スイーツは教室も開催していますので、気になる方はこちらのページをご覧くださいませ。
さて!スイーツを楽しんでいただいたあとは、いよいよメインプログラム。今回は室内さむの定番「仏器みがき」を体験いただきました。手袋を使った安楽寺流のみがき方をレクチャーして、護摩堂の金色仏器をふきふき。
仏器みがきをしていると、手元の仏器がきれいになっていく気持ちよさはもちろんながら、その場を共有している人同士の会話が自然と進む魅力があるんです。面と向かってお話をするよりもリラックスして、手を動かすことで頭も働きやすくなるのかも。
お寺に、さむ活に来る理由
仏器みがきをしながら、越前狛犬や笏谷石のお話があがりました。「安楽寺にもあるんですよ」とご紹介し、お帰りの際にご案内させていただくことになりました。
安楽寺のいろんな場所をご案内して、その由来や歴史をお話するせいはんさん。ある意味、安楽寺にとっては日常の風景かもしれません。でもさむ活にとってはなんだか新鮮……
これまでさむ活という空間や、お寺での過ごし方そのものに目を向けていましたが、お寺だからこそ・安楽寺だからこその「見る」「学ぶ」「ふれる」にスポットを当てていく方向も、実は面白いのかも。
次回は12月24日(日)
ということで、初めましてのお客様にお越しいただき、たくさんの発見をいただいた今回のさむ活。いかがでしたでしょうか。
ちなみに、ご案内の最中「にゃー」と声が。昼間は外縁で寝ていた寺ねこたびさんが目を覚ましてやってきました。
餌を入れているあきさんが手を伸ばすと、軽い猫パンチが飛んできます。お客様も猫がお好きとのことで、あたたかく見守ってくださいました。たびさんもあったかくするんだよ~
さて、次回のさむ活は12月24日(日)開催です。クリスマスイブということは、何かあるのかも?ないのかも。
翌年1月からは雪も心配されるため一旦お休みさせていただいて、次年度のさむ活について検討期間に入ります。今年最後のさむ活にもこれからの展開にも、どうぞご注目くださいませ。