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自転車で訪ねる式内社、140字の古社巡礼
2022年8月4日 20:01
境内の前に一台の鉄馬。休憩する主にあいさつして山門をくぐる。高天原岸野神社の里宮とともに鎮座するのは極彩色の春日造社殿。緑に浮かび上がる社の朱色はみやびである一方、人為的で神住まう山のなかで人間の領分といわんばかり。それにしてもバイカー多い週末の金剛山。写真は奈良県五條市。
2022年8月3日 19:47
金剛山のダイヤモンドトレール。自転車を押し歩くと、すれ違うハイカーから「えっ自転車?」と驚きの声。奈良と大阪の県境、金剛山トンネル上を北へ向かうと神福山頂に小祠が鎮座。汗をぬぐい手を合わせる。下界は気温三十度超の真夏日だが、山中はヒグラシが大合唱。写真は奈良県五條市。
2022年8月2日 20:33
「境内山林斜面を降りると古墳有り、その下の巨岩の前に鎮座す」。御霊神社に合祀以前の落杣神社について由緒の興味深い記述。はやる気持ち抑えて拝殿参拝後、件の斜面を降りる。社叢林内の盛り土は玄室入口に鉄格子の扉のついた黒駒古墳。さらに下れば磐座とともに岩境神社。写真は奈良県五條市。
2022年8月2日 05:50
樹間の先に朱色の鳥居を見つけた安堵感といったら。草間寺近くの登り口から一時間。ラストは狭い石段を上がり本殿参拝。その瞬間、バサッと近くで大きな音。「葛城修験入峯二十八宿回奉行」の札はあるけど、ひととはすれ違うことはなかった。山奥の社に先人の偉業を見た。写真は奈良県五條市。
2022年7月29日 20:53
集落内の細くくねった道の先、濃緑の木々を従えた朱色の鳥居。稲の緑と森の緑に染まり、まるで吹く風までも緑色ではないかと思うくらい緑一色。由緒などない小さな境内の手水舎には「若宮神前」の文字。先に訪ねた御霊神社の祭神は井上内親王。若宮とは御子の火雷ではと推測。写真は奈良県五條市。
2022年7月28日 20:10
「霹靂」は「ヘキレキ」かと思ったが「カントケ」と読み、「神解け」、つまり雷鳴を意味。鬱蒼と生い茂る木々のなか、名前の勇ましさ同様、広前に降り注ぐまぶしい日差し。同郡には火雷神社も名を連ねる。同じ雷を意味しながら別社として存在するには深い意味がありそう。写真は奈良県五條市。
2022年7月27日 20:44
二見といえば夫婦岩のある伊勢を思い浮かべる。だから最寄駅は大和二見という。この地を開拓した二見首が祖神をまつったのが起源というが、祭神はいつしか「あめっさん」という水の神に。境内の向かい側には「二見神社の湧水」の看板。路地奥にコンクリートで仕切られた水場。写真は奈良県五條市。
2022年7月26日 20:28
吉野川から丹生川が分かれた南側。国道沿いの丹原共同選果場から裏手の社叢が顔を出す。名神大社である吉野郡の丹生川上神社をイメージしたが、国道からなかに入ると小さな境内。拝殿本殿を包み込む樹勢のある木々。鳥居くぐると右手に大型常夜灯。中台部分に太神宮の文字。写真は奈良県五條市。
2022年7月26日 11:44
「かくしてや なおや守らむ大荒木の 浮田の杜の標にあらなくに」と万葉歌碑。「浮田の杜」は荒木神社に比定、「古来より神威厳しくみだりにひとの立入を禁じていた」との説明の通り、鬱蒼とした社叢。緑の丘陵地への入口に立つ朱色の鳥居をくぐる。真夏の杜にセミの大合唱。写真は奈良県五條市。
2022年7月23日 19:15
阿陀比賣大神は浅間神社祭神の木花咲耶比賣命と同神とされる。御子を産むとき自ら産室に火をかけた伝説。三人の御子の名にはそれぞれ火の文字。この「比賣火懸(ひめひかけ)」と呼ばれる伝説に呼応するように吉野川沿いのコンモリとした森は「シメシカケ」という禁足地。写真は奈良県五條市。
2022年7月22日 20:29
五條市の町外れにこんもりとした緑。墓地が隣接し神社じゃないだろうと通り過ぎるも、意外にも神社の社叢だった。役行者創建で「聖武天皇ゆかりの寺」である安生寺とは同じ敷地。南面の寺と北面の神社が対角上に鎮座する構造。神仏混淆をまじまじと実感させる景色に驚いたよ。写真は奈良県五條市。
2022年1月11日 20:21
「元々東500m付近の丘の上にあった雲甘寺の鎮座社であった」と境内の由緒書。神社の名に寺名が入るのはもちろん、「〜坐」から始まる神社が多い大和にあって、地名ではなく寺名とは珍しい。四方を囲む背の高い木々。なかに入れば立ち並ぶ常夜灯に感じる信仰の厚さ。写真は奈良県平群町。
2022年1月10日 19:10
立ち寄ったイオン近くの交差点は「三室北」。そこから南の小高い山へ。神社が鎮座する三室山は三輪山を意味する御室山と同様、神奈備山。山とはいえ山頂付近まで住宅が迫るも、境内に入ればそこは別界。濃緑の木々が繁茂する森。鳥居を背に立つと視界の先に広がる俗界を一望。写真は奈良県斑鳩町。
2022年1月9日 20:17
遠くから神社かどうかの識別が難しいのは鳥居なき故。代わりに境内との境界に立つ門屋。伐った丸太がベンチとして置かれる親切ぶり。天児屋根命が祭神とされているが、豊玉比咩や玉櫛臣など諸説ある。周辺には古墳多く、近鉄竜田川駅に向かう途中の烏土塚古墳は石室が開口。写真は奈良県平群町。