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台湾料理屋×コーヒースタンド×人材育成

皆さんこんにちは。
Salvador Coffee オーナーの柴田です。
ちょっとだけ、真面目な話をしたいと思います。

僕は今27歳です。
Salvador Coffeeを札幌市の中央区山鼻にOpenさせて、1年半が経ちます。「そんな歳で独立してお店出すなんて凄いね〜なんて言われることもしばしば。」今日はその「凄いね」のハードルを下げる話をしたいと思っています。

紆余曲折あって札幌に引っ越し、そのタイミングでスターバックスという会社にアルバイトパートナーとして入社しました。

コーヒーのこと(これはほぼ独学)、店舗の効率的なオペレーション、本社から送られてくる販促やプロモーションの内容などを1年半学びました。途中からは他のカフェでもアルバイトを始め、週7で勤務して、頭も体も疲れ、満身創痍の日々でした。

そんな時ふと思ったんです。
ひとりで生きていくのに必要なお金が年間120万ちょっとだとして、1日5000円程度を自力で稼げれば問題ない。フラペチーノやラテを1日たった10杯売れば、生きていけると。(スタバだと15分以内で提供が終わる量です)

今思えばそれ自体めちゃくちゃ甘い考えなんですが、シンプルに考えて間違った思考ではないんですよね。生きるのに必要な分だけを稼いで、それ以上の欲を出す必要なんて実際ないのだから。

問題なのは、自営業で生きていくのに必要な収入を得ること自体かなり難しいということなのですが…。店を始めてからやっと気づいたのでした…。笑

独立のきっかけって案外その辺に転がってると思うんですよね。サッと掴めるか掴めないかの問題な気がしていて。

外国のことわざに「機会ははげ頭だ」っていう言葉があるんです。チャンスは、前で受け止めなくてはならない、髪がないから後ろから掴むことはできない。という意味です。

僕の場合、偶然空き物件に出会って、勢いでお店始めちゃったのでスタートアップのハードルは特に感じなかったんですが、そこのマインドは経験値だったり考え方によってだいぶ差が出てくるところ。保守になってしまうのは仕方のないことです。

ひとこと伝えたいのは、独立するのは誰でもできるし、別にすごいことでもなんでもないということです。

僕は今、山鼻のお店をメインにひとりで切り盛りしながら、すすきのにある夜メインの台湾料理屋を間借りして、「大安の日」の昼11時から15時だけ営業するコーヒースタンドを経営しています。

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台湾料理屋でコーヒースタンド!?

って、どのくらいの人が思うんだろう。

僕はあのお店に通い始めた瞬間から、ここでコーヒーやったら最高にクールな文化を作れるはず!って思っていました。実際に今、店内の空気感はエキゾチックそのもので、札幌とは思えないアングラでオープンな、いびつな空間が出来上がっています

そしてコーヒーがすげえ美味しい。笑

店名を「コーヒー大安」といいます。

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お店のコンセプトは至ってシンプル。

月に5回ある大安吉日のみ11時から15時の間で営業。

将来コーヒー関係で独立してお店を出したいバリスタが、日替わりでお店に立って営業することができる。

仕込みから販促、当日の営業や売上管理、マーケティングなど全てにおいてバリスタが自分でやる。

つまり「コーヒー大安」は一つの店というよりは、自己実現を夢見る個性を伸ばすための間借り集団なのです。

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単なるイベント的なことではなく、リアルに近い喫茶営業を自分の力で、しかもノーリスクでやれることで、「お店を持つ」ということへのハードルをグッと下げてやれないか。と考えています。

家賃も安く、本人の収入がマイナスになることは基本無いので、やむを得ず守りに入ることはなく、本人のやりたいように自由な挑戦をすることができます。

「こんなお店がやりたい」という夢や希望に挑戦することで初めて、理想と現実のギャップに気づいたり、逆にそこにたどり着くためのメソッドを考えるきっかけになると思っています。

ちょっと口が悪くなってしまうんですが、僕は大抵の日本人は主体性に欠けていると思っています。自分の判断基準となる軸がブレている、または軸が他人になっているということです。

これはきっと教育の弊害というか、社会構造がそうなっているんだと思います。僕は何も言えません。

主体性がないと何が起きるかという話。

仕事を、お金を得るためにやる雑用か何かだと思っている。面倒くさい、ダルい、楽しくない。惰性でやっている。

そんな人生何が面白いの?って思ってしまいます。
お客さんも熱意を感じないから心が揺れないですよね。
ひどい悪循環です。

何をやるにも受け身、人任せで、誰かの役に立ちたい(搾取されたい)みたいな人が本当に多いです。これは由々しき事態ですが、誰も危機感は持っていないようです。

自分はこう思うから、こうしている。

たったそれだけの説明ができない社会人の多いこと。

これが本当に許せないし、腹が立つのです。

特にバリスタという仕事は誰でもできる。カフェの仕事なんて、ただやるだけなら特殊技能も何も要らないのです。問題なのは、主体性をもって、熱意をもってやれるかどうか。

それは雇われだろうと事業主だろうと関係のないこと。自分の気持ちで、自分の温度で動けよ!ということを、コーヒー大安の営業、バリスタのトレーニングを通じて伝えていこうとしているのです。

やりたいことがあって、それを自力で、流暢でないながらも説明できて、時には苦労しながらも実現していく。他人に流されず、自分の軸で状況判断をしていく。

そんな人材を育てていくための、
「台湾料理×コーヒースタンド」なんです。

山口周さんがよく言ってますが、

「問題解決能力が買われる時代は終わりを迎えた。今必要なのは問題を自分で見つける力だ。」

まさにその通りです。

惰性で従属することがなく、自分と対話をする能力を。

そんな若者が多く育っていったら、見違えるように素晴らしいカルチャーが生まれ、国全体が盛り上がっていくと思うんですよね。食い潰されない、タフ社会が出来上がっていくと思うんです。


僕が挑戦している「コーヒー大安」はとても小さな規模です。繁華街とはいえ、1日営業して2回転程度が平均です。この取り組みがもっと人の知る所となり、私もやってみたい!とか応援してあげたい!という輪が広がることを期待しています。

札幌近郊の皆さんは、一度お店にもいらっしゃってくださいね!

コーヒー大安のアカウントはこちらです。

『コーヒー大安Instagramアカウント』

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