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陶芸窯の購入を家族に納得してもらう50の方法 #2 部屋の不燃化について

窯の稼働の条件として、第三者に安全を確認してもらうことになった訳ですが、まず自分が判る範囲で安全な状態を作ろうと思いました。

1級建築士と消防設備士1.3.4.6類の資格を持っているので、自分の専門分野でまず安心安全な状態を作っていきたいと思います。

設置場所は木造住宅の2階で、寝室として使っていた3畳ほどのスペースにしました。というか、そこしか場所がなかったのです。

法的規制について

建築基準法に内装制限というものがあります。

住宅の場合は、ガスコンロなどの火気を使う部屋、つまりキッチンが制限を受けます。(ただし2階建ての2階にある火気使用室は制限は受けません。)

1階で火災が起きるとすぐに2階も燃えますが、2階の火災だと1階に燃え広がるには時間がかかるので緩和されているのだと思います。また1階が燃えていなければ階段で避難出来るというのもあるのでしょう。そう考えれば窯を設置するなら2階の方がいいとも言えますね。

具体的にどういう制限を受けるかというと、壁と天井を燃えにくい材料で作る必要があります。ちなみに床は制限がありません。

どれぐらい燃えにくいかですが、不燃材の場合、加熱開始後20分間燃えないこととあります。(準不燃の場合は10分)

え、そんな短くていいの? と思ってしまいますが、119番通報して消防士が駆けつけるまでの時間持ちこたえればよいと言うことらしいです。

還元焼成をどうするか?

ただ陶芸窯の場合はガスコンロとは少し状況が異なります。ガスバーナーで窯の下から炎を送り込む還元焼成は床が燃える可能性があります。なので内装制限とは別に床も不燃化する必要があります。


還元焼成のガスバーナーは900℃〜1200℃までのあいだ窯に炎を送り込みます。時間にして4時間位でしょうか。

直接炎が当たる訳ではありませんが床が高温になることが予想されます。(いちど温度を計測したいと思いまが)

1階であれば床をコンクリートの土間にすることはよくあります。
ただ2階に土間コンクリートを打つとなると、なかなか大がかりなリノベーションになってしまい、あまり現実的ではありません。

悩んだあげく次のような仕様にしました。

実施した仕様

天井:準不燃ジプトーン9ミリ厚2枚貼り

壁:プラスターボード9ミリ厚2枚貼り

床:ケイカル板12ミリ厚+ガルバリウム鋼板   +150ミリ角せっ器質タイル

壁と天井は厚さ12ミリ以上で不燃材になります。今回、窯は2階に設置するので法律上は不燃化する必要はないのですが、もしもの時に備えて床、壁、天井を不燃材で仕上げています。


問題の床は、なるべく軽くて燃えない素材にしました。漏電した時のことを考えて窯とタイルの間にゴムシートを敷いています。


ケイカル板は割れやすいといいますが、圧縮強さは75N/cm2(1N=0.102kg)あるので問題はないかなと。(4つ足で支えているので、350kg÷4で15センチ角タイルに90kg弱の荷重)

ただケイカル板のままだとさすがに床材としてはきびしいので、0.35ミリのガルバリウム鋼板を敷きました。鉄なので漏電した時のことを考えるとこわいのですが、窯がのる部分にはタイルを敷き、架台のキャスターの下に耐熱性のあるゴムシートを敷いて絶縁しています。

念のために、簡易的ではありますが抵抗を測定してみましたが、通電はありません。

こんな感じで部屋の不燃化に関して出来ることはやってみました。

あとはこれを誰に確認してもらうかですが、
思い当たるのは京都大学の防災研究所ぐらいしかありません。相談してもまず相手にしてもらえないでしょう。

とりあえず、判断材料となる資料としてのnote記事を書き続けたいと思います。

なんだか卒論を書いてるような気がしてきました。

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