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抹茶の秘密🍵他のお茶とのユニークな違い

こんにちは!国際茶の湯団体茶柳会学生インターンの中村です。

我々茶柳会は、「茶の湯をもっと自由に、もっと日常に」というクレドのもとに、在京大使館でのイベント開催などを行っています。

今回は、そんな私たちがこよなく愛する「抹茶」についてのお話です。
「お茶」には抹茶だけでなく、煎茶やほうじ茶、烏龍茶など、たくさんの種類がありますよね。
みなさんは、抹茶と他のお茶の違いをご存知ですか…?
普段違いを意識することは少ないですが、実は両者には明確な違いがあるんです!

そこで今回は、抹茶のユニークさについて「飲み方」と「作り方」の大きく2つの点から紹介したいと思います。

⑴飲み方の違い

まず、煎茶、烏龍茶、紅茶などの抹茶以外のお茶の飲み方を考えてみます。
これらは、急須やポットなどを用いて、お湯や水を入れ、茶葉から栄養を抽出して飲まれることが一般的です。

どのお茶も茶葉から栄養を抽出して飲むことが共通している

一方で、抹茶は茶筅などの茶道具を用いてとても細かい粉末状の茶葉をお湯に溶かして飲まれます

ちなみに、粉末状にされる前の茶葉は碾茶(てんちゃ)と呼ばれ、石臼を用いて細かい粉末にされ、抹茶となります。
この石臼で抹茶を作る作業はとても時間がかかり、市販の抹茶1缶(20g)を作るのに30分もかかるそうです。

石臼で碾くことで熱の発生を抑え、豊かな香りや風味の抹茶が生まれる

つまり、抹茶とその他のお茶の飲み方の違いは、以下のようにまとめることができます。

・抹茶=茶葉そのものを細かく砕いてお湯に溶かした飲み物
・その他のお茶=茶葉の栄養をお湯で抽出した飲み物

このように比較してみると、抹茶は茶葉そのものを頂いているという点で、飲み物であると同時に、「食べ物」として捉えることもできそうですよね!

⑵作り方の違い

次に、茶葉の栽培方法について、特に煎茶との違いをご紹介したいと思います。
読者の方の中には、(1)の「飲み方」の違いを見て、煎茶を粉状にして飲めば抹茶なのではないかと思われた方もいるかもしれません。
しかし、抹茶と煎茶にはその栽培方法から大きな違いがあるんです!

まず、煎茶は一般的に露地(ろじ)栽培という栽培方法が採用されています。
これは、ビニールハウスなどを使わずに、屋外で栽培する手法です。
露地栽培を利用して育った茶葉は、日光を多く浴びることで、渋み成分であるカテキンが多くなります。

露地栽培の様子

一方で、抹茶は、被覆(ひふく)栽培という栽培方法で作られています。
被覆栽培は、遮光資材を畑にかぶせることで、一定期間光を遮って栽培する方法です。
被覆栽培にも棚がけ被覆や直がけ被覆など様々な手法があります。
被覆栽培を利用すると、旨味成分であるテアニンが多くなります。

被覆栽培の様子

煎茶と抹茶の栽培方法の違いをまとめると以下のようになります。

抹茶=被覆栽培により旨味(テアニン)を増加
煎茶=露地栽培により渋み(カテキン)を増加

確かに、煎茶に比べると抹茶の方が甘味や旨味が多いと普段飲んでいても感じられますよね。

煎茶と抹茶の持つ味の違いの秘密が、このように製造過程にあるというのはとても興味深いです。

最後に

今回は、「飲み方」や「作り方」といった観点から、抹茶とその他のお茶の主な違いをまとめてみました。
普段日常的に飲んでいるお茶ですが、作り方や含まれる栄養の違いなどを意識することは少ないかもしれません。

今回の記事で、お茶の奥深さをより感じていただけたら嬉しいです!


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