3月場所を振り返って。
波乱、盤石、安定、波乱、逆転、奇跡。
様々な要素がこれでもかと詰め込まれた15日間。
長年にわたって相撲を見続けてきたものにとって、これほどの場所はなかっ…
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#大相撲
第3章〜稀勢の里の軌跡〜(2375字)
遡ること13年前、朝青龍全盛の相撲界に期待の新星が現れた。
平成の大横綱、貴乃花の最年少記録に次ぐ2番目の若さ(18歳3カ月)で新入幕を果たした力士、「萩原」改め「稀勢の里」。
十両への昇進も貴乃花に次ぐ記録(17歳9カ月)である。
この頃から大相撲ファンの心はくすぐられている。当時のライバルはヨーロッパ初の力士で長身の琴欧洲(現:鳴戸親方)や小兵・業師の豊ノ島で、かつての「若・貴・曙時代」
第4章〜初優勝から横綱昇進〜(2764字)
2017年1月場所。稀勢の里にとって運命の場所であった。再び「全勝優勝くらいのハイレベルな優勝」を綱獲りの条件に出されながら、場所前の不調論をよそに稀勢の里は再び勝ち続けた。9日目にかど番の大関琴奨菊に黒星を喫すも、上位陣の休場などの流れも重なり14日目まで単独トップの13勝1敗。星一つ差で白鵬が追う展開。ファンは今日白鵬が勝って、明日は直接対決で優勝が決まるだろうな、と予想していただろう。しかし
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