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マナーをお伝えする立場の者として、
大人の女性の皆様へは外出するときにはメイクをしてくださいね、
と、申し上げるのですけれど。

果たしてファンデーションは絶対でしょうか?

ファンデーションはFoundation、基礎や基盤という意味です。
メイクの土台として、肌を美しく見せる道具として、ポイントメイクを施す前にお顔全体に塗るのがファンデーション。

しばらく前まではその基盤を作ってからポイントメイクをするのがマナーであり、当たり前であり、大人の女性たるもの、公の場に出るときには最低限身に纏うべきものと考えておりましたし、今もマナーの世界ではそう伝えています。

ただね、思うのです。

脱ファンデーションで美肌をキープしている方々に限っては、ファンデーションは絶対ではないかもしれない、と。

元々ファンデーションは素肌をより美しく見せるため、強いて言えば素顔の欠点を覆い隠すためのお道具。
ただのズボラですっぴんの素肌がボロボロの方と、
丁寧にご自分を扱い、美肌をキープしてすっぴんでもファンデーションを塗布しているより美しい方とでは、ステージが違う、と。

わたくしの周囲には素肌の方がファンデーションで覆い隠しているよりよほど美しい女性がたくさんいらっしゃいます。
彼女たちは素肌にオーガニック製品のポイントメイクを施しており、それはそれは本当に美しくて憧れずにいられないほどです。

大人の女性がきめ細やかな美肌をキープするにはそれ相応の努力と申しますか、丁寧なスキンケアが必要なのです。
彼女たちの美肌は、自分自身を愛し、大切に扱い、お手入れをしてきた証。

であれば、ファンデーションはMUSTではないのではないでしょうか。

マナー講師としては邪道と言われかねない主張ですが、わたくし個人としてはファンデーションを塗布するより美しい素肌を維持できているのならば、
あとはポイントメイクで装うだけで良いと思っています。
特にお昼間は。

お化粧にも時間のTPOがあり、お昼間は薄化粧でもOK、夜はできるだけはっきり目の血色がよく見えるメイクをとお伝えしております。

決して「濃いメイク」ではありません。
目的は、暗い空間でもご自身のお顔の表情を明るく健康的に保つこと。
とかく女性は貧血気味の方が多く、そうすると目の下にクマができてしまい間接照明などが中心の空間では貧相に、具合が悪そうに見えてしまうことがあります。

そうするとご一緒する方々に体調不良ではないのかと不必要なご心配をおかけすることになってしまいかねません。

そうしたことを回避するためにも夜は華やかに、はっきり目のメイクを、とお伝えしています。

華やかに装うための代表選手は口紅。
口紅の色味を少し強めにするとさすがにどんなに美肌でもノーファンデでは口紅だけ浮いてしまいます。
そうしたこともあるのでパーティなどのお席ではファンデーションは必要なものと考えますが、比較的カジュアルなお昼間のお茶会などの席ならばノーファンデーションでも良いのではないでしょうか。

「これがマナーだと習いました!」

とルールにがんじがらめになって思考停止するのではなく、
なぜファンデーションが推奨されているのかを考え、そこから判断することも大事ですよね。

マナーの根幹にある考え方のひとつに「自分自身もいとおしむ」「大切に丁寧に扱う」というものがあります。
ファンデーション以上の美肌を保っている方はそれらを実践していると考えられます。

脱ファンデにトライアル中のかたも、これからの方も、
ぜひぜひ丁寧にお手入れしてファンデーションを纏うより美しい素肌を手に入れてください。

そしてドレスアップした時には場に相応しく、ファンデーションも纏う。

そんな風に大人の女性として、自分で考えて選択し、行動に繋げる。
そしてどちらか一方の世界ではなく、たくさんの世界を楽しんでみてくださいね。


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