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企業戦士ガンダム

note、三日坊主になりかけてました。
久しぶりに投稿します。
この時期になると毎年のように思い出す。
新卒で入った黒より黒いドブラックな、愛すべき元弊社のことを。

なんとなく怠惰に大学生活を過ごした私は、なんとなくで就活して、
内定を貰った会社になんとなく入ることにした。
これが大いなる過ちだったんですね。
カイシャの評判(今はライトハウスて言うのね)とかちゃんと見とけば良かった。元弊社、ボロッカスに書かれてたから。
来年就職のみんなはしっかり下調べしようね!おじさんとの約束だ!

自分の備忘録も兼ねて、オモシロ(くない)エピソードを書き連ねておこうと思う。


■内定式は大変アットホームであるが…

これ、中小ブラック企業あるあるだと思うのだが。
入るまではみんな優しく、チヤホヤされます。
社長や役員の距離感も近く、みんなで無礼講とばかり酒を飲みながら、
「これからのウチの未来は君たちにかかっとるよ!」
なーんて激励をしてくださるわけです。

入ってから思います。あの優しかった人たちは一体どこへ行った?
そして内定式にいた社員さん、リアルに何名か消えてます。
この数ヶ月で…?という疑問と共に、新卒生活が始まります。


■ブラックの朝は早い

毎朝7時前には必ず会社に行ってました。定時?8時半ですが?
新卒は誰よりも早く会社に行って、社屋周りの掃除をするのが決まり。
誰もいない会社に向かって大声で「おはようございます!」と叫び、
先輩が来たら大声で「おはようございます!!」の御挨拶、
社長が送迎車で入ってきたら全速力で追いかけて行って、
「おはようございます!!!」と絶叫でお出迎え。

この掃除の怖い所は、終わりがわからないという点です。
時間がかかると怒られますし、かといって切り上げてしまうと、
後々にあそこがまだ汚れていただのと怒鳴られます。
お前はシンデレラの継母か?


■ブラックの夜は遅い

朝は早いですよね。じゃあ夜(退勤)も早いのかって?
そんなわけはないでしょう。
日が変わってんのに社内メールが来ることも多々。
でも会社泊まり込みまではしたことがないので、
そういう意味ではマシだったのかもしれん。


■社訓は声高らかに

昭和の企業のイメージでよくあるやつだと思います。
私が入社したのは平成後期でしたが、それはもう元気よくやってました。
全部暗記して、朝礼でみんなで大合唱です。
声が小さいと「お前やる気がねえだろ」と怒られます。
社訓はぜーんぶ聞こえだけは良い絵空事で、
経営陣はこんなん守ってねーじゃねえかっていうことばかりでした。

他にも、朝礼では自己啓発系の本をみんなで朗読して持ち回りで感想を発表したりしてました。
あとは社長の尊敬する経営者の本についても毎日読んで、自分をどう変えたいかの作文提出させられたり。
今思い返すともはやカルト宗教だろこんなん。


■社内は恐怖が支配する

とにかくみんな目が死んでましたね。
ことあるごとに社長は「お前は被告なんだ」とばかり社員を呼び出し、
みんなが仕事している事務室の真ん前で立たせたまま、
自分は椅子に踏ん反り返って延々と怒鳴り散らして叱責してました。
せめて社長室とかでやればいいのにね。

役員もみんな同じ感じで、よくまあ怒鳴り散らして追い詰めるような言い方をする奴ばかりだった。(一族経営なので親族だから似て当たり前か?)
なもんで、みんな如何に社内で刺されないかばかりを考えていて、お客様よりも身内の敵の方に労力を使うっていう、馬鹿みたいなことになってた。


■恐ろしいスピードで人が辞めていく

この元弊社は小さな一族経営の零細で、従業員数は50人いない程度でした。
しかしながら、その規模にも関わらず毎月2、3人が辞めていくんですよね。
中途も積極的に採っていたので(そりゃ毎月バンバカ人が辞めていくから)人は入ってくるのですが、中途入社の人が口を揃えて「この会社は異常だ」と言う。そして数ヶ月で辞めていく。
他の会社を見てきた転職者が言うので、本当にヤバかったんでしょう。

会社は上層部の一族と、一族に気に入られたごますりが上手な人。
あとは新卒から一般的な会社を知らずに続けてきて、今更逃げられない人。
半数くらいがそれで、残りの半数は入っては辞めたり、転職活動中で近いうちに逃げるつもりの人で成り立っていて。
よくやっていけてるなと感心する様相でした。

大手企業のOEMを担う会社だったので、ルートがあり簡単には潰れないんだろうなあ。潰れてくれたら嬉しいのにな♡


■何をしても怒られる

新卒の時って、何したらいいかわからないじゃないですか。
でも指導役に「何したらいいですか」なんて聞こうもんなら、「そんなん自分で考えろや」と怒られる。
じゃあ出来そうなこと考えてやり始めると、「何勝手なことしてんだよ」と怒られる。
なので考えて「〇〇しようと思うのですがこれでいいですか」と聞いてみれば、「お前はそれやるなっつったら言葉の通りやらないんだな?俺が言う通りにしか動けんのか?」とか詰められる。イミフ。

あとは人によって言うことが違いすぎる。
研修受けてたA先輩が急用で席を外し、「待機してろ」というので待っていたら、通りがかったB先輩に「何ぼーっとしてんだ?」と怒られる。
B先輩曰く「待ってる時間が無駄なんだから自分で考えて行動しろ」とのこと。
怒られてしまったので違うことを探そうと社内をウロついていたら、戻ってきたA先輩ガチギレ。「俺が待機してろっつったのに何してんだ?」

まあ研修受けてたのはA先輩からなので、それを守っておくべきだった気もしないでもないが。右も左もわからん上に詰められてばかりで精神病みかけ、常に顔色伺ってビクビクしていたので。
B先輩に「いや、A先輩に待機してろと言われましたので」とか言えんて。


■24時間常に心休まる時がない

入社して半年間は研修期間として、強制的に寮で集団生活でした。
寮と言ってもプライベートスペースは無いに等しく、
台所便所は共同、部屋は2段ベッドのみで家具など無し。
そこに新卒2人で押し込まれ、もはやタコ部屋。
風呂も無く簡素なシャワールームがあるのみ。

極めつけは、寮には今思い返してもびっくりするくらい性格のひん曲がった嫌味な先輩も住んでおり(こちらはちゃんと広い一人部屋だった)、
少しでも寮内が汚れていたりするとネチネチ嫌味を言ってくるわけです。
会社でも気が病むのに、帰ってきても先輩の目に怯え、もう24時間監視されているような気分でした。

あとは深夜に叩き起こされたりとかもありました。
「〇〇先輩が飲み屋まで車で行っちゃったから、お前が迎えに行って運転して送ってこい」とか言って。
翌朝も7時前には出勤なのに、深夜3時に迎えに行ってさ。
感謝されるならまだしも、その先輩も酔ってるもんだから、送ってる車内でメチャクチャに詰めてくんのよ。
深夜に叩き起こされて飲み屋まで迎えに行っといて説教されるって今思い返すとムカつくのだが、当時は本当に精神が参っていたので何も言い返せず。
サンドバッグになるしかありませんでした。


振り返っていくとまだまだ他にも色々あったのだが。
そんなだったので、ストレスで激ヤセしましてね。
元々やせ型だったのに入社してからの半年くらいで10kg近く痩せて。
BMIも17.4までいった。
元気が足りないだの覇気が無いだの常日頃から怒られていたので、空元気で笑いながら痩せてしまったと話したら、「お前何ヘラヘラしてんだよ」と怒られた。
飯もあまり喉を通らなかったし、血便は出てたし、休みも何もする気が起きなかった。今思うと半分鬱状態だったんだろうなあ…。

結局1年経たず内に限界がきて、仕事を辞めました。
10年近く過ぎた今、こうしてネタにして笑えているけれど。
当時はキツかったなあ。
まあちゃんと就活しなかった自分が悪いんですけど。

もうずっと人生失敗しっぱなし。
喪った時間は取り戻せません。
クソみたいな人生、笑うしかないですね。\チャンチャン/




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