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2020.8.14 プーチンが粉砕した大富豪の希望

見え隠れする覇権国家と名門財閥の影

2006年2月 G8首脳会議

「今、世界には3つの大問題がある…。『不安定なイラク』『核兵器を持つイラン』そして、『プーチンのロシアだ!』」
中東やイスラムと一見関係がないにも関わらず、目をつけられたプーチン。
そして、ソ連崩壊で終わったと思われた米露の対立。
今になって、これほどまでにアメリカがロシアを敵視する理由は一体何なのか?

日本のメディアでは、ほとんど取り上げられていないが、その発端はプーチンが大統領に就任した直後、ロシア国内で起きた大富豪粛清事件まで遡る。

1991年12月 ソ連崩壊

2,600%もの強烈なハイパーインフレに襲われ、ロシアの通貨は紙クズ同然となった。
ほとんどの国民が一文無しとなる中、密かに富の半分を独占した7人の男たちがいた。

彼らは、国営企業が軒並み民営化されるタイミングを見計らい、その株式を格安で買い漁っていった。

いつしか彼らは“新興財閥”と呼ばれるようになり、新生ロシアのメディアや銀行、石油、ガスなどのインフラ、さらには次の大統領さえも自由に決められるほどの力を持つようになった。

しかし、その栄華も長くは続かず、2000年にプーチンが大統領に就任するやいなや状況は一転。
欧米式の資本主義を嫌うプーチンは、彼らの粛清に着手する。

まずは、最大の大物2人を国外へ追放することに成功。

その次に目をつけたのが、国内最大手の石油会社『ユコス社』を保有し、新興財閥のNo.3として君臨する“ミハイル・ホドルコフスキー”だった。

後にプーチンは、この男を脱税などの罪で監獄送りにし、ロシアの石油利権を取り戻すことに成功するが、この行動が欧米の支配者たちを激怒させる引き金を引くことになった。

当時、相次ぐ大物の粛清に「明日は我が身」と怯えていたホドルコフスキーは、イギリスへと渡る。
ユダヤ系だった彼が支援を求めたのが、あの『ロスチャイルド家』だった。

ロシアの資源を見返りに、世界最大の財閥からお墨付きを得た彼は、欧米の支配者たちと共に“ある財団“を設立する。
その名も『オープン・ロシア財団』。

理事にはロスチャイルド卿の他、アメリカの大物政治家たちも名を連ね、その名の通り、これは欧米からプーチン・ロシアへの宣戦布告を意味していた。

ロスチャイルドの支援により、欧米の支配者層が集う社交界への伝手を得た彼はアメリカに渡る。

2003年6月には、アメリカの研究機関主催の国際会議に、ロシア人として唯一参加。
アメリカ副大統領と関係を構築した彼は、ついにユコス社をアメリカ石油大手に売り渡す交渉を切り出した。
当時、“10年以内に国内の石油が枯渇する”との調査結果が出ていたアメリカ政府の高官たちは、中東をはじめ、国外の石油資源確保に血眼になっていた。
そんな中、ロシア最大手の石油会社が持つ利権が手に入るとは、これ以上無い申し出だった。

プーチンと戦うため、世界の覇権国家アメリカを味方につけたいホドルコフスキーと石油利権を求めるアメリカ政府の思惑は見事に一致。

ロスチャイルド家、アメリカ政府を味方につけた彼は、
「これでプーチンも手が出せまい」
と安堵したことだろう…。

しかし、その予想に反してプーチンは売られた喧嘩を買う。

2003年10月、彼を電撃逮捕し、その全ての財産を凍結。
あっという間にユコス社は解体され、ロシアの石油の大半をプーチンが掌握。

莫大な石油利権を握りたい欧米の支配者たちの思惑は、脆くも崩れ去った。

これに対し、もちろん彼らは黙っていなかった。

「ホドルコフスキーはロシアの政治的な理由で利用された!人権侵害だ!」
とプーチンを痛烈に非難。
すぐさま反撃の手立てを用意する。

ホドルコフスキーが逮捕されて間もなく、ロシアと国境を接する旧ソ連諸国で、次々と不可解な革命が勃発する。
そして、もともと新ロシアだったほとんどの政権が倒れ、“親欧米政権”へと姿を変えていった。

ちなみに一連の革命の背後には、アメリカの情報機関NGOがいたことが分かっているが、この革命の結果、2006年にはロシア勢力圏の頭を超えて、欧州へと石油が輸出されるルートが完成。

資源頼みのロシア経済に、大きな打撃を与え続けることとなる。

この一連の事件によって再開されたロシアとアメリカの戦いは、その後のリーマン・ショック、中東での戦争、中国を巡る同盟など、現代までずっと続いている…。

表向きは単なるロシア国内の権力争いのように見えたじけんでしたが、その実態は、世界の支配者同士が争う“石油利権争奪戦”でした。

イラク戦争、中東紛争、シリア内戦など、日本ではその意味や背景がほとんど報じられない戦争も、事実を追っていけば、ほとんどが大国の支配者たちによる石油などの“エネルギー資源”を取り合う争いだということが分かります。

最近まで多くの日本人は、その事実を教えられず、すっかり忘れ去られてしまいましたが、日本が戦うことになったあの日米大戦も、石油などのエネルギー資源を巡る争いでした。

米英をはじめとする大国に、石油供給を止められた日本は、ついに耐えきれなくなりアメリカを攻撃。

一方で、有り余るほどの石油を持っていたアメリカは陸・海・空、あらゆる場面で日本を圧倒したのです。

このように、今まで報道を見ていただけでは一見意味が分からなかった戦争や事件も、大国の支配者同士のエネルギー資源を巡る争いという観点から見ると、全ての点が線で繋がり、スッキリと理解ができます。

実際、この世の中には、大多数の一般大衆とほんの一握りの支配者層が存在しています。
その中には、大国の指導者や政府高官もしくは国を牛耳るほどの超富豪がいて、世界の次なる覇権の座を狙って水面下で激しい闘いを繰り広げています。

このような戦いは、何も今に始まったわけではなく、15世紀の大航海時代から現代まで、主役とライバルが移り変わりながら絶えず続いています。
はっきり言って、彼らにとっては日常茶飯事のようなものですが、そのとばっちりを受けて火の粉を被るのはいつも私たち…。
本当のことは何も知らされず、単に彼らが流す情報を鵜呑みにする庶民なのです。
こういった支配者層の思考やモノの見方を知らなければ、事が起きる段階になって初めて気付き右往左往します。

しかし、支配者の彼らにしてみれば、それは全て想定の範囲内。
何年も前からの計画を只々実行しているだけなのです。
大事件や戦争さえも事前に計画だなんて物騒な…、陰謀論か?
と反射的に抵抗を示してしまう人もいるかも知れませんが、身近な例に置き換えれば、どの会社も業界への生き残りをかけ、シェアで1位を取るため社長はじめ経営陣がいろいろな施策を計画し、実行しているはずです。
たとえ経営状態が良かろうが悪かろうが、一般社員は実際に起こるまで知る由もありません。(実際、リーマン・ショックの後、いきなり解雇を命じられたり、会社が倒産した人もたくさんいましたので。)
たくさんの会社や個人が集まって“国家”という集団を作っているわけですから、国家も同じように運営されていると考えても何もおかしくはないでしょう。

支配者たちの考えていることや見ている世界は、私たち一般人とは全く違う。
しかし、彼らと接したり、彼らに近しいものと接したり行動する中で、そこには一定の法則があることに気付きました。
支配者の中には良い人悪い人、極悪人と色々なタイプの人がいますが、不思議とその思考やモノの見方は共通しています。

拙性が今から支配者になることは難しいですが、その法則さえ分かってしまえば情報の読み解き方が分かるので、世の中で起きている本当のこと、これから何が起きるのかという未来のことも自然と分かってきます。
それを元に行動すれば、危険や損を事前に回避することも逆に利益を得ることもできるようになります。

そして、その法則の1つが“経済覇権”。
通貨とエネルギーの確保です。

基軸通貨を握るものが世界を制し、エネルギーは平和よりも重要。
これを得るためなら謀略や情報操作、戦争さえも辞さないというのが、支配者たちに共通する思考パターンの1つです。

現代ではテレビ、新聞、雑誌、さらにはインターネットで膨大な量の情報が手に入ります。
しかし、
「昔より世界のことがよく分かるようになったか?」
と言われると、必ずしもそうとは言い切れないのではないでしょうか。
むしろ、取れる情報が多くなった分、
何が真実で何が間違っているのか?
一体誰を信じたら良いのか?
と、逆に混乱してしまう…。
そんな事が起きているようにも思えます。

世界情勢を読み解くにあたっても、たとえ手に入る情報が昔の何十倍、何百倍に増えようと、それを読み解くための法則や分析の仕方を知らなければ、何が重要かは全くわからないまま。
ただ膨大な情報が右から左に流れていくだけで、分析も予測もできず、昔と何も変わらない状態になってしまうでしょう…。

でも、一度正しいフィルタを手に入れれば、たとえ今と同じようにインターネットや新聞で情報収集していたとしても、その見え方はガラリと変わります。
意味ある情報だけが目に入るようになり、今起きている本当のこと。
これから世界がどうなっていくのかをメディアやコメンテーターに頼るのではなく、自分自身である程度分析できるようになるでしょう。

もし、この法則を知らないまま闇雲に情報を取っていても、正しく有益な情報を取捨選択できずに、宝の持ち腐れになってしまいます。
さらには、点でバラバラで背景が分からず、全く面白く感じられないばかりか、一向に本当のことが分からず、むしろたくさんの情報で混乱は深まるばかり…。

そして、私たちの生活に影響を及ぼす重大な事件や戦争が実際に起ってから、ようやく気付いてあたふたさせられることになり、時には投資で大金を失くしたり、会社の給料が減ってしまったり、最悪の場合はクビになったりと、いざという時に大切な家族を守れません…。

しかし、当時このような法則を知っていて、情報を分析することで事前に危機を察知していた人たちは、何年も前からそれに備え、被害を最小限に抑えることができました。
賢い人たちは株を事前に売却して、暴落後にまた投資をしたり、経営者なら大きな投資は控え、堅実な収益の柱を作るなど、そこから利益を得ることもできました。

皆さんには、今までと同じ間違いを繰り返し、余計な損を被ったり、不利な思いをしてほしくはないですし、正しく世界の動きを把握することで、事前に危機を察知して回避するだけでなく、あわよくば賢く利益を得られるようにもなって欲しいです。
そして、漫然と流れてくる情報を受け取るのではなく、その裏も表も見通すことで、ただのテレビや新聞でさえ、毎日、情報を取るのが楽しくなるよう、一生涯をエキサイティングで、彩りある日々に変えるようなきっかけを得て欲しいと思います。

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