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2022.5.13 人口減少で日本は崩壊…←これ嘘

近代の150年で9000万人も増えた日本の人口

日本の2019年の出生数が、年間90万人割れしたことは記憶に新しいと思います。

90万人割れは政府予想よりも2年早く、人口減少が一段と鮮明になりました。

日本の出生数はベビーブーム時、1949(昭和24)年の270万人から減少を続け、1983(昭和58)年までは150万人、2015(平成27)年までは100万人を維持していましたが、いよいよ次の段階に入りました。

近年ベストセラーとなった『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』では、こんな未来図が描かれています。

<2015年時点において1億2700万人を数えた日本の総人口が、40年後には9000万人を下回り、100年も経たぬうちに5000万人ほどに減る。
・・・
こんなに急激に人口が減るのは世界史において類例がない。
われわれは、長い歴史にあって極めて特異な時代を生きているのである。>

こういう予測を読むたびに、
「ちょっと待って」
と言いたくなります。

この予測は正しいとしても、江戸末期には3200万人だった日本の人口は、この150年ほどで9000万人も増えたのです。

幕末の開国以来、日本は近代西洋文明の優等生として人口を急激に伸ばしつつ、経済大国を築き上げてきました。

しかし、自然環境から見れば、相当な無理をしています。

9000万人も増えた人口を養うために厖大な食料を輸入し、食糧自給率はカロリーベースでは楽観的に計算しても54%ほどです。

その一方で、年間600万t規模もの食品ロスを出しています。

さらに荒廃農地・耕作放棄地として無駄になっている土地が70万haと、ピーク時の11.5%。

まさに、
「もったいない」
「天地に申し訳ない」
状態なのです。

世界に目を向ければ、現在の79億人が今後30年で20億人も増えると予想されています。

発展途上国での食事の改善を考えると、今後の食糧供給は逼迫し、価格も上がっていきます。

今のうちに、日本列島内で持続可能な生活を築いていく事が安全保障上も必要です。

100年後に5000千万人という人口規模は、農林水産業を再建しつつ、食料自給を確立し、かつ都市の過密と地方の過疎を解消して、日本列島の自然と調和した『和の文明』を築くには適正な水準かもしれません。

近年始まった人口減少は、そろそろ近代西洋文明を卒業して、こうした『和の文明』を築く時だと、八百万の神々が促しているのかのようです。

人口減少が必ずしも経済の縮小と貧困化につながるわけではない

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