寺田愛里

幸せって何だろう... そう考えることが多くなりました。

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  • せいてんのへきれき   でも負けない

    2020年 作者の人生に起きた出来事を物語的にまとめています。

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せいてんのへきれき

雲の上 LAXに着いて空港カウンターへ急いだ 関西への深夜便はANAしか運航していない。 乗せてもらえるかどうかはイチかバチかだった。 カウンターにはまだ誰もいなかった。 深夜の空港カウンターは各社がシェアしていたので 私が到着した時はどこか知らないアジアの航空会社の看板が出ていた。 私は近くにいた空港スタッフに事情を伝え エアラインスタッフがいつ来るのかを聞いてみた。 『とりあえずそこに並んでな、だけど 乗れるかどうかは航空会社に聞かないとわからないよ。』 彼は指さ

    • お金のことを昔の人は『おあし』って呼んでいたそうです。 お金には足があっていろんな人のところへ旅すると信じられていたからだとか。 お金もエネルギーを持っているからポジティブなエネルギーを与えて旅立たせればまた一回り大きくなって帰ってきますね。

      • 優しさの裏に強さ それが必要なんだよね

        • 母さん

          元気にしてますか? そちらの生活はどんな感じですか? 日曜日の昼下がり、 一人ソファに座っているとふと貴女のことを想います。 ここは海も近くて夏でも涼しい風が吹くんだよ。 できたらここに座って一緒にお茶を飲みながら あの頃のようにいろんな話がしたいね。 お腹が空いたら母さんの大好きなパスタを作ってあげるから。 母さん、また逢いたいね。

        せいてんのへきれき

        • お金のことを昔の人は『おあし』って呼んでいたそうです。 お金には足があっていろんな人のところへ旅すると信じられていたからだとか。 お金もエネルギーを持っているからポジティブなエネルギーを与えて旅立たせればまた一回り大きくなって帰ってきますね。

        • 優しさの裏に強さ それが必要なんだよね

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        • せいてんのへきれき   でも負けない
          4本

        記事

          お金の不安と生きる

          今朝目が覚めたとたんにこの言葉が降りてきた。 お金の不安と生きる? そういや、 もうずいぶん長いこと お金の不安と生きてきたね きっと物心ついてからずっとだね いつからそんな不安を抱えるようになったのかすらわかんないけれど。 若い頃、 知り合いのお婆さんに言われたことがある。 ちょっとサイキックなお婆ちゃんで 母も何かあるたび悩みを聞いてもらっていた。 そのお婆ちゃんが私をみてこう言ったことがある。 『あんたは一生お金には苦労せんわ』 あぁそういえばいつも必要なお

          お金の不安と生きる

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          4.母 右脳と左脳という言い方をすれば左脳は理性的に100%理解している。 その上でこれから自分や家族に起きる事、これから先何をすべきなのかを しっかりと考えている。 右脳はそれを受け入れ切れていなかった。 これは夢に違いない、私にそんなことが起こるはずがない むしろそんな風に考えることで私を護ろうとしているかのように この感覚はあの時と似ている 半年前の2月2日、 電話が鳴った。 日本の兄からだった。 珍しいなぁと思いつつ 『どうした?』と電話を取る。 すると腹から

          せいてんのへきれき

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          3.豚足野郎 『また逢おうね』 そう約束してエリカと別れた 1人車に乗り込み助手席のちいさな箱を見たとたん あの豚足野郎が言った言葉を思い出して少し吐き気がした。 『私物を入れる良い箱を差し上げます。取っ手のついた使いやすい とてもいい箱ですよ。』 『スタッフがお手伝いしますからこの部屋を出たら速やかに荷物をまとめてください。』 『あぁそれから、これより先社屋を出るまでは誰とも口を利かないように。  "さよなら"くらいはいいですけどね』 まるで昔観たハリウッド映画

          せいてんのへきれき

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          2.共感スタバにつくとエリカがいた。 彼女もあの会議室に呼ばれた一人だった。 わたしより先に席を立ちそのまま帰ってこなかった。 同じように自分の身に起きた現実を理解できないまま 私が連絡してくると信じて待っていた。 わたしもエリカが必ず私を待っているとわかっていた。 2人はコーヒーを手にしたまましばらくは何も話さなかった。 エリカと私はもう17年以上も同じチームで働いた お互い言葉を交わさなくとも気持ちが伝わるそんな関係だった。 彼女は私の部下だった、そうほんの1時間前

          せいてんのへきれき

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          1.晴天の霹靂ある日の夕方 いつもの営業会議に呼び出された。 会議室に行ってみるとかなり様子がおかしい そこには居るはずのない人事部長がひとり座っていた。 彼は他の社員から『豚足野郎』と呼ばれ嫌われていた。 30分後小さな段ボール箱を抱えた見張り役に 付き添われて駐車場にいた。 自分の身に起きている現実が他人事のように 想えた。 悲しいとか悔しいとかそんな感情すらわかない。 体中が少ししびれたような ちょっと息をするのが苦しい感じがした。 私の視界はとても狭くなって自分

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