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成功と失敗から見るオフライン展示会初心者のいろは ~SaaSスタートアップ向け~

自己紹介



はじめまして。アルプ株式会社で、Sales&Marketingを担当している佐藤晴香です。
当社では、サブスクに代表される継続課金モデルに特化した販売・請求管理SaaS「Scalebase 」を提供しています✌

100を超える事業者様にご提供しています

アルプは、2022/10/12~14に開催される日本最大のバックオフィス向け専門展示会 総務・人事・経理WeeKに出展します🎉

今回で、オフラインの展示会は3回目の出展です。
2022年4月オフライン展示会初出展時は、見事にてんやわんやして、本当に大変でした…
スタートアップ×オフライン展示会のPMは、学びしかなかったのでnote書きます。

初心者が陥りがちな罠

最初にお伝えしますが、
製品名・ロゴの知名度がない会社が、大手の手法を真似すると失敗します。

オフライン展示会の手法をネットで検索すると、以下の施策が多くヒットします。

- ロゴを前面に押し出した造作
- 派手なノベルティなど予算がかなりかかる施策
- コンパニオンさんを多めに配置する

上記に代表される認知度が高い企業の施策をまるっと真似するだけでは、絶対に失敗します。
自社の立ち位置を冷静に把握し、オフライン展示会の目的、予算、をきちんと考え理解し、身の丈にあったオフライン展示会にしてください🙏

このnoteはこんな人におススメ

- オフライン展示会に出るか悩んでいる方
- オフライン展示会に出ることが決まったが、何をしていいか不明な方
- オフライン展示会の代理店を検討している方

オフライン展示会には出るべきなのかどうか

結論、一回出ないとわからないと思います。(真顔。冗談抜き。)
当社は、出て正解でした。
理由は以下です。

- オンライン展示会と比較して商談単価が低い ( ≠リード獲得単価 )
- マーケティング戦略を考える大きなきっかけになった
- 会社としての士気があがった

当社はサブスクに代表される継続課金モデルの事業に強い販売・請求管理SaaSです。

複雑になりがちな契約管理も、Scalebaseでまるっと解決◎

競合がほぼ不在であり、システム化の必要性から訴える必要があります。
結果、リードを獲得するマーケティング戦略だけでなく、
マーケットが何を求めているか、どのようなメッセージングが刺さるのか、など検証することが非常に大事なフェーズです。
その上で、顧客の反応、声がきけるオフラインは非常に貴重な場でした。

出展することを決めたらやること

まず出展する展示会、出展場所決めます。
※当社はRX Japan 株式会社が実施しているオフライン展示会に出ています。
出展を検討されている会社様は、RX Japan 株式会社にお問い合わせください!ブース場所のおススメなど、RXの営業さんがアドバイスしてくれます。

展示会、出展場所が決まってからが大変でした。
『代理店を探すのかな?』ということはわかっていましたがお作法が全く分からなかったので
事業責任者の毛利 ( @yukimori1213 ) 経由で、オフライン展示会出展経験がある株式会社LayerX マーケ担当の方につないでもらいました🙇

その中で、まずやること、2つを教えてもらいました。

  1. 目標決定(多くの場合は商談獲得かリード獲得)

  2. 上記が実現できる代理店を選定

1,目標設定

当然ですが、ソリューション領域、コマ数、単価等により目標数字は大きく変化します。
オンライン展示会と同様、オフライン展示会もリードの質は波がありますので、リード獲得件数を目標にすると、痛い目を見る可能性があります。
当社は、年間目標から逆算し、商談件数と、受注件数を目標に置きました。
( 最初はエイヤーです。 )

2,代理店コンペ

2-Ⅰ 声掛け先

初めて出展する場合、いったい何をどこまで自社でやって、どこから代理店にお願いしたらよいかわからないと思います。
会社さんによっては、ブースの装飾のみを発注して、オペレーションはすべて自社で回す会社さんもありますが、多くの会社は運営も提案可能な代理店に発注をしています。
代理店も、色んな種類があります。
乃村工藝社、丹青社、xpdゼオなどに代表される大手。
アートフリーク、博展などの中堅。
またその他イベントに強い代理店などネットで検索すると、何社様か出てきますので是非見てみてください。

2-Ⅱ 提案依頼

当社がコンペをする際に使った提案依頼書sampleを置いておきますのでどうぞご活用ください。

上記に加え、会社/プロダクトビジョン、イメージを商談の中で丁寧にお伝えしました。

以下の流れで進めました。

1, 代理店さんに問い合わせ。上記の依頼書を添付。
2, 初回商談。自社/プロダクトについて、依頼書の補足など説明。
3, 代理店さんより提案いただく。
4, その後追加でのやり取り数回。
5, 決定👏

当社は、出展4か月前に声かけし、2か月前に代理店を決定しました。
結果、アートフリーク様にお願いすることにしました☺

代理店がきまったらやること

ここからが、怒涛でした。
※使っていたタスク表 notionの一部。

自分含め社員2名+インターン1名で準備しました

基本的に、代理店さんがリードしてくれるので不安に感じる必要はありません。
私が一番悩んだのは造作に印字するメッセージをどうするかです。

代理店さんが立体造作を提案してくれます。ここの壁面に何を印字するのか決めていきます。


印字可能な面は大小合わせて5面というレイアウト。それに合わせて紙パンフレット。
素材がほぼない状況で、0からのスタートでした。
当社はUI/UXデザイナーは複数名在籍していますが、BXデザイナーは不在です。
製品説明、課題訴求、様々考えが巡りますが…
オフライン展示会の目的は商談件数と、受注件数です。

商談を獲得する前段階、どのようなメッセージを打ち出せばブースに足を止めてくれるか、興味関心をひけるか、という点で考えました。

壁面作成の失敗と成功

↓ 詳細は以下に記載していきます ↓

第1回目

w6178 x h3600の一番大きな壁面。ここが肝です。

文字を大きくして、誰でも当てはまりそうな文言にしました。
が、失敗しました。

- 歩きながら見れる情報量
- 課題がざっくりしすぎている
- 導入効果は一切記載なし

立ち止まってもらうという効果が見られませんでした。
これはヤッテしまった…😨😨と思い、急きょ翌月の展示会までに変更することにしました。 ( 検討期間 わずか営業日10日 ) 
それがこちらです。
第2回目

がらっと変えてみました。

情報量を多くしたことで、逆にお客様は立ち止まり、文字を読んでくれるようになりました。
更に、人が多く通る通路に、立ち止まるメッセージを打ち出したく、以下のメッセージを置きました。

みなさんもこんな経験ありませんか?Scalebaseが解決してくれるかもしれません。

これが大成功でした。

立ち止まって指をさして、盛り上がっている方々が何名もいました🙌
実は上記の文言、マーケのみで考えたわけでなく、当社プロダクトチームと夕方以降、飲酒しながら決めました😷 🍻 😷
当社は、公認会計士、税理士事務所経営者、元経理部などドメイン知識が豊富なメンバーが多く、彼らとディスカッションする中で、導いた文章です。

運営当日の失敗と成功

ここは、皆さんぜひ真似してください!

①ノベルティは、10円の駄菓子でもあったほうが絶対にいい

↓ 詳細は以下に記載していきます ↓

1回目はノベルティなしで実施しました。
が、失敗しました。
並んでいるパン屋さんに入りたくなる、混んでいる居酒屋に入りたくなるのと一緒でブースは賑やかな方が絶対にいいです。賑やかにする方法は色々あると思いますが、当社は2回目から駄菓子の配布を実施しました。

最終日は餅太郎がなくなり、色々なドン・キホーテに
『餅太郎はありませんか!』と電話したのはいい思い出です。

これだけで、お客様が足をとめてくださり、パンフレットをベースにプチ商談が開始です。
興味を持っていただいたお客様は、商談ブースへ誘導します。
こんなにコスパのよい施策はないと思います。当社は実施し続けます!

➁デモ/金額提示しない

↓ 詳細は以下に記載していきます ↓

1回目の私の運営方針は、『完璧なデモをして買わせる。』というものでした。
が、失敗しました。
商材の特性にもよりますが、当社はその場で即決する難易度が非常に高いツールです。
関係者での合意形成の元決定する類のツールですので、展示会ブース内ですべて丁寧に説明しきったところで、購入されるわけではありません。

2回目、私が打ち出した方針は

説明でおなかいっぱいにしないように。次回のアポを絶対とってください。

これを徹底しました。次回のアポがすぐとれるように

- spirで、スケジュールを見れるようにしておく
- 商談がとりやすくなるようなスライドのみ手元資料として準備しておく

など、準備をしておきました。
結果、ブースで次回商談を何十件も獲得することができました。
オフライン展示会でも、Spirは必須です!

会期中~後

名刺交換、ブースでお話したリードは、その場でセグメントわけをし、その後のフォローオペーレションを分けます。


①ターゲットか否か
…当社は継続課金事業者に強いSaaSであるため、継続課金ありorなし
➁商談確度
…A: 商談確定合意済み。日程確定連絡送付。
…B: すぐに商談打診。
…C: 積極的に追わない。


計6パターンで、それぞれフォローオペレーションを事前に決めておき、即フォローしました。

これはマーケター皆さん思っていると思いますが

リードは生ものです。鮮度が命。

振り返って

創業間もない会社/プロダクトは、決まっていないことが大半で、一つ一つ自身の手で作っていく楽しみがあります。
スピードも非常に重要で、突貫工事で創り上げる仕事も非常に多いです。
その中で、オフラインの展示会は多額の費用をかけるだけでなく、
会社/プロダクトを立体造作で目の前に出現させる貴重な場です。
リード獲得は当然ですがそれ以上に、

- 会社/プロダクトは、どんな印象を持たれたいだろうか?
- 顧客にどんな未来を描いてほしいだろうか?
 - 世の中どう変えていきたいだろうか?

など会社/プロダクトについてチームで、深く考える非常にいい機会でした。
最終的に決めるのはPMの自分です。

- キーメッセージは本当にこれでいいのだろうか
- 予算に見合った成果を上げることはできるのだろうか
- 駄菓子は餅太郎で本当にいいのだろうか…

沢山悩んだことがありましたが、アルプは代表含め全員ポジティブで建設的な意見をくれます。価値観、行動指針がとても浸透しています。

「そもそも確実なことはなく、やらないと見えないことばかり。だから、正解を探しすぎず、まずやっていこう。」


アルプのこの環境でだったからこそ、
1回目の失敗を即エネルギーに変え、2回目の成功に導けたかなと思います。

おわりに- 絶賛採用中 -

当社は創業5期目に入り、ビックネームの受注も増えてきましたが、従業員は50名以下のまだまだこれからのフェーズです。当社では、一緒に事業を創れるメンバーを募集しています!
少しでも興味がある方、ぜひお気軽にお話しましょう~

お読みいただきありがとうございました!

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