公認会計士が考える理想の販売管理Scalebaseの魅力とは
こんにちは。アルプnote編集部です。
アルプはサブスクリプションビジネスを行う企業向けに、今まで手作業や自社開発がスタンダードだった契約や請求の管理をSaaSとして提供するScalebaseというプロダクトを開発しています。
本日は、2021年7月末にアルプに入社した公認会計士で会計エキスパートの深堀さん(@FukahoriTax)にインタビューしました。
深堀さんは、前職ではマネーフォワードクラウド会計でプロダクトオーナーという重要なポジションを任されていました。そんな深堀さんが、なぜアルプに転職を決めたのか、会計エキスパートから見たScalebaseの魅力と課題についてお聞きしました。
ーーー深堀さんの経歴を教えてください
人と違うことをやらないと生きていく上で差別化できないなという気持ちがあり、大学時代に他の人と同じサラリーマンになるのが嫌で会計の勉強をし、公認会計士を取得しました。
公認会計士を取得すると多くの方は、監査法人に行きます。ただ監査法人は会社を監査する立場になので、企業側にとって必ずしも喜ばれる存在ではないです。税理士であれば、なるべく会社が税において有利になるよう指導・助言をするので、会社側にとって居てくれて嬉しい存在、会社側の立場になれるということもあり、税理士法人PwCに入社しました。
PwC時代
PwCでは主に、大企業の顧問になって決算を締めるときの税金の計算、節税相談、M&Aする際の会社のリスク評価、事業承継対策などをしていました。色々やっていたのですが、税務は企業活動の結果を計算するのが主なので、どうやってビジネスで売上をあげるかについてはあまり知ることがなかったです。税務のことを極めたわけではないのですが、このままだと視野が狭まるなと思い、マネーフォワードに転職しました。
マネーフォワード時代
マネーフォワードでは入社直後は会計ソフトのカスタマーサポートのお手伝いをしてました。特に税理士の方からのお問い合わせはサポートのメンバーも理解に苦悩するというのがありまして、エスカレで質問を受けて回答するというのを1年ほどしていました。今まで大企業相手の税務ばかりやっていて、中小企業の会計は詳しくなく苦労しました。その後は、少しづつ開発の仕様を作るのに携わり、最終的には、マネーフォワードクラウド会計のプロダクトオーナーとして企画を担当していました。
ーーーアルプの入社経緯を教えてください
代表の伊藤とは元々知り合いだったのですが、会計に詳しい人間がいないからと時々相談を受けていました。アルプのメンバーと飲む機会があった時にScalebaseに今後必要そうな機能について語っていたら、その後すぐにお客様に裏付け取りに行ってくれました。私の飲み会での話に対して「じゃあやりましょう」だと、本当にやって良いのかこちらも不安になるのですが、本気にして聞いてきてくれて「お客様が必要としていたので作りましょう」と言ってくれました。私の仮説を証明しに行ってくれたこととその本気度がすごくありがたかったです。そのようなこともあり、色々なメンバーとも話していく中で人と事業に惹かれ入社を決めました。
ーーーマネーフォワードではクラウド会計のプロダクトオーナーという重要なポジションをされていましたが、アルプに転職した理由はなんですか?
Scalebaseというサービスと作っている人たちが面白そうというのが一番の理由です。さらに経済的な合理性もあります。マネーフォワードではストックオプション(以下、SO)をもらっていて、上場したあと株が相当値上がりしてから譲渡をしました。株の良いところは、どれだけ高い値段で譲渡しても約20%しか税金がかからないことです。これはすごく重要なことで、給与だったら何千万、何億となると半分ほどは税金で徴収されます。株の譲渡は分離課税という方式なのですが、経済合理性を考えて給与でなく分離課税方式で所得を増やしたいと考えています。給与よりも株の方が税金の効率が良い、自分の頑張りを株にするかにするか、給与にするかで、株にすると税金の効率が良いよという話です。給与だと働けば働くほどディスカウントがかかってしまいます。SOが当たるかは自分の頑張り次第だと思っているので博打ではありますけどね(笑)。周りの税理士たちにも、分離課税方式でこっちの方が税金効率良いから転職しましたと言ったら笑っていました。
余談ですが、株の譲渡益の約20%のうち5%が住民税なので、ふるさと納税の枠もその分上がります。株を譲渡して利益を得た方はお早めに納税してください(笑)。
ーーー深堀さんが感じたScalebaseのポテンシャルについて教えて下さい
SaaSにも対応した販売管理サービス
SaaSのサービスがでてくる以前は、いかにモノを売って購買頻度を高めていくかという単価×数量×購買頻度の世界でした。SaaSが出てきて、いかに継続して使ってもらえるかという世界になってきています。SaaS事業において重要なのは売上です。売上をあげていく上で施策を速く回して、それが売上にどう反映されたかを管理する必要があります。SaaSの特性を生かした上で販売管理するサービスはあまりなく、Scalebaseであれば実現できると思いました。
サービスの需要
SaaSの市場はどんどん大きくなっていて、富士キメラ総研の調査によるとSaaS市場はすでに1兆を超えています。ただSaaSを管理するサービスがなく、Scalebaseが担っていける部分も大きいと考えています。
この状況を例えるとアメリカのゴールドラッシュに近いと思っていて、みんなが金を掘り進めて行った結果一番儲かったのは道具を提供した商人というのは有名な話で、今まさに伸びているSaaS市場に対して一番伸びるのはそれを管理するサービスだと思っています。
ーーー深堀さんがScalebaseでやっていきたいことは何ですか?
お客様の業務をいかによくするかということを常に考えていかないと行けないです。業務を良くするというのは、業務をなくす・少なくするという量の観点と、業務で気を使うところ・面倒なところを軽減するという質の観点があります。質と量についてお客様へのヒアリングや自身の経験から課題を吸い上げて、それを抽象化して機能に落とし込むという流れを作っていきたいと思います。
ーーー深堀さんが感じているScalebaseの課題は何ですか?
お客様の業務オペレーションに対するインプット不足
このフェーズで、契約した内容の管理をかなりのパターン細かくできているのがすごいと感じています。定額課金、使用量課金などの単価x数量のパターンについて、私自身まだ把握しきれないほど対応できています。
現在、Scalebaseを使っていただいている特定のお客様と密に進めてきたことで、複雑なパターンも網羅できているのですが、裏を返すとやれることとやれないことの差が激しいと感じています。開発チームとして、なるべくどのようなお客様でも対応できるように抽象化を考えてはいるのですが、それでもお客様の業務を理解するためのインプットの質と量が少なかったゆえに、やれることとやれないことの差が激しくなっているのだと感じます。これは自分に期待されているところでもあるのですが、体系だった業務オペレーションを開発チームにインプットしていき、より多くのお客様に対応できるシステムにしていきたいと考えています。
カスタマーサクセスのオンボーディング・サポートが必須
これは単純な話ですが、私が最初にScalebaseを開いたときに何したら良いかわからないというところですね(笑)。サイドバーのメニューに顧客・契約・請求とあって広くカバーしてそうに見えるが、実際自分が管理したいこのプランはできるのかという不安がお客様にはあると思います。
お客様に聞かれたら、こうやってできますよと返せる状態ではあるのですが、伝わりにくい状況というのが問題です。以前の職場でもあったのですが、新しい機能を追加してもお客様が思ったより使っていただけないことがあり、非効率なやり方のまま使っているお客様も多かったです。お客様にそのことをお伝えすると「そんな機能があったのですね、気付きませんでした」ということがあり、Scalebaseでも同じ課題があると感じています。チュートリアルの作成やマニュアルの拡充、ユーザーコミュニティの育成など、お客様が迷わずScalebaseを使える仕組みを作っていきたいと考えています。
一連の業務をすべて管理できるべき
お客様が契約をしてから、その組織の人がゴールを迎えるまでの一連の業務を管理できることが必要です。現状のScalebaseでは最低限実現はできているのですが、お客様がやりたい管理の深さまでできているかというと、まだまだと感じています。
バックオフィスでスプレッドシートを使うというのは、仕方がないからやってる側面があります。上場企業だと、人が編集権限を持って触ること、何か手入力することはヒューマンエラーのリスクがあるため、極力避けたいです。1回入力したら2回目を入力をしなくて良い状態を作っていく必要があるなと思っています。Scalebase単体で全てを実現する必要はなく、他社とAPI連携して人の手を介在しない状態を作りたいと考えています。
Scalebaseで会計を出力できるようにしたい
契約管理した内容は、法的に取引内容の情報を記録する業務、つまり会計になるのですが、契約情報の入力のみで会計資料ができるところまで出力できるようにしたいと考えています。会計資料ができた上でお客様が見たい分析の基礎資料まで提供できる、例えば経営企画や営業の人が経理に依頼をしなくてもScalebaseをみたら欲しい情報が全て取れる状態が理想です。
ーーー深堀さんはどういう人と働きたいですか?
キャラクター的な面で言うと良い意味で空気読まない人、マインド的な面でいうとどんな環境でも自分で楽しめる人、泥臭いことでもやれる人が良いなと思ってます。バックオフィス系は地味なことが多いので、泥臭い事やりながらでも楽しめる人が良いと思っています。
ーーー終わりに
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