ハンモックビジネスから学ぶ、起業のよくある失敗と4つの教訓~スモールビジネスの教科書
おはようございます。最近マーケティングの大家の書いた本を読んでいたら、スモールビジネスの教科書も今より更に価値向上を望めるなと実感しました。
何も考えずにインプットを行っても、あまり得るものは無いですが新規事業を作っている最中などはすぐにでも応用できる箇所があるので書籍は本当に凄いですね。邦訳された本などは、訳者の能力によって読みやすさが段違いなのが辛いですが。
さて、今回はキャンパー、ハイカー、ノマド的生活を送る人をメインターゲットにした旅行用ハンモック事業を行う「Maca」を紹介します。
販売は全てWebサイトで直接消費者に届ける、流行りのD2Cブランド。
創業者1人だけのブランドでサイドプロジェクト(副業)の位置付けで創業されました。おそらく、これからあなたがスモールビジネス起業をする際もこのMacaの創業者と同じような形でプロジェクトがスタートするでしょう。
ただ今回の事例はいつもと違い、スモールビジネスの教科書(SMBマガジン)で初めて「失敗するであろう事業」を紹介します。
これまでは成功しているスモールビジネスの事例から「成功へのエッセンス」を抽出してきましたが今回は「失敗するべくして失敗する事業」から「成功から遠ざかるエッセンス」を抽出して教訓としていきます。
「あー、副業でニッチを攻めるD2Cブランド作って稼ぎたいなー。」って考えている方は、今回の事例から学んで似たような失敗をしないように気を付けてください。
事業アイデアを思い付いたきっかけ
Airbnb、Instagram、Doordash、Facebook、Uberなどのスタートアップの動向をまとめた記事を読んだりするのが好きだった創業者。
長年、様々なアイデアが頭の中に溢れており、どれをすればいいのか分からなかったようです。
起業あるあるなのですが「アイデアはあるけど技術的知識がない…」、「助けてくれる人をどう探せばいいか分からない…」、「事業アイデアが浮かばない…」という問題が発生するので実際に行動するのは難しいです。
結局Macaの創業者は、「自分に知識があり、達成できそうなこと」をやるしかないと決意して【ECサイト×メキシコ×ハンモック】で事業化することを決めました(自分勝手なニッチ戦略)。
この時点でニッチ戦略を正しく使えてないですよね…皆さんは下の記事を読んで同じ過ちを繰り返さないようにしてくださいね。
子供の頃、母方の実家のあるメキシコで夏の大半を過ごし、メキシコのユカタン州のどの家にも、少なくとも1つのハンモックが吊るされていて、すぐにくつろげるようになっている光景を覚えていた創業者。
毎晩のように、誰がベッドではなくハンモックで寝るかで兄弟喧嘩をするくらいハンモックは快適な睡眠の頂点であり、最高にクールなものだと思っていたので販売する商品をハンモックにしました。
そして、過去にフルタイムで働いていた仕事がEコマース・ソフトウェアの分野だったことも手伝って、ECで商品を販売するというビジネスモデルは身近なものでした。
つまり、前述した起業あるあるに悩まされることが無く事業化することができたというわけです。
ただ当初は、新しいことが学べる楽しいサイドプロジェクト(副業)のつもりで始めました。
実際、副業であっても、会社を辞めて独立した場合であっても、全て創業者の責任で事業が進んでいくので、学べると思っていたことは間違いではありません。
Macaが他のハンモックと比較して優れている点(差別化)
創業者自身は、ハンモック全体を安全にサッカーボールの大きさに収めることができるシンプルなバッグとスリーブを発明したことが差別化になっていると述べています。
2本のストラップで設置自体も数分で完了するMacaの製品は、”持ち運べるハンモック”として訴求することが可能になりました。
ハンモックを小さくまとめて収納できるバッグ
最初のプロトタイプ作成までの過程
ハンモック製造:
メキシコのメリダにあるフェアトレード企業に委託。この会社は、メキシコのメリダ周辺のマヤ族の農村地域で、900人以上の職人と協力しています。原材料は初期費用なしで織り手に提供され、織り手は自分のスケジュールに合わせて自宅でハンモックを手作りし、後日、完成したハンモックを送ってくれています。
ハンモックの問題点:
このハンモックは移動が難しく、頻繁に設置したり撤去したりすると、絡まってしまうこと。
Macaはこの点を解決することに注力しました。
問題点を解決するためにとった方法:
フルスリーブのコンセプトにより、絡まる心配もなく、ハンモックの出し入れも非常に簡単になりました。現在のデザインにたどり着いた私は、2017年にハンモックを1つ1つ作り、販売を開始しました。
持ち運び用バッグ・スリーブの製造委託:
販売までのストーリー
ウェブサイトの公開後、「あ、これはマーケティング勝負だ」と悟った創業者は一般的なマーケティング施策を実施
親しい友人・家族から注文はあったものの、それ以外からの受注はゼロ。
ある日「見知らぬ人」からの注文が入ったときに「え?この人は誰?」となって躍起になって探したそうですが結局全くの他人でありレビューも残してくれていました(画像参照)。
販売後、集客や顧客維持に効果的だった事
健全な量の製品レビューを集めること
無名のブランドであるため、ウェブサイトを訪問した潜在的な顧客が「まともなブランドであること」、「製品が素晴らしいものであること」を納得できなければ購入しません。
ニッチ市場を選び、ターゲティングを絞ること
バンライフ(キャンピングカーでの生活)とRV車(レジャー用の車)のコミュニティを最初にターゲットとして設定。
これらのコミュニティに参加している人々はまさにMacaのようなプロダクトを求めていたため、雑誌などと提携し広告を出稿。
とある雑誌のギフトランキングで1位を獲得し、それを社会的証明として利用したりすることでCVRが上昇。他にもInstagram公式アカウントのフォロワーを増やすため、ブロガー、インスタグラマー、ノマドと協力(製品を提供し、投稿してもらうこと)などのマーケティング施策が上手くいったようです。
以下、月商や原価率などから分かる展望と、Macaのビジネスから得られる教訓などを辛辣に書いていくので有料です。
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