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平凡な商品すらも爆売れするストーリーの力~人類最大の弱点、物語について

「心を揺さぶるフィクション」

あなたは今までに出会ったことがありますか?

どんな形態であっても構いません。映画やドラマ、当然OKです。漫画でもアニメでも小説でも問題ありません。とにかく、フィクションに心を揺さぶられたことはありますか?

ヒーローが悪役を打ち倒す勧善懲悪モノでスカッとしたこと。

悪役のあまりの非道さに怒りを抱いてムカムカしたこと。

親子の絆、ペットとの絆、恋人との絆を描いた感動の映画で思わず涙がこぼれたこと。

漫才や落語を見ておなかが痛くなるくらい笑ったこと。

そんな経験ありませんか?

私はあります。というよりしょっちゅうです。

左ききエレンなんて何度読んでも心が震えますし、連載を見るたびにわくわくします。他にも沢山のクリエイティブに心を動かされています。

「それがどうした?俺にも漫画を読んで感動した経験くらいあるけど、ビジネスになんの関係があるんだ?」と思われましたか?

関係大ありです。持たざる者がスモールビジネスで成功するために超重要なのがフィクションの力、正確に言うとストーリーの力をうまく活用することです。

フィクションに心を動かされたことがある人、あなたはストーリーの力をうまく使うことができるでしょう。

しかし、「え?フィクションに心動かすとかないけど?」という方、そんな方がもしいればストーリーの力を活用するのは難しいかもしれません…というか、そんな人怖いです。

ストーリーは人類の最大の武器である

ライオンのような鋭い牙も爪もなく、熊のような丈夫なカラダもない、チーターのように素早く走る力もない、物理的なスペックが脆弱な人間が地球上で栄華を誇っているのはストーリーの力をうまく使ったからです。

物語の形で教訓を広め、残し、世代を超えて常に進歩した結果今があります。

「濁った水は悪い聖霊がついているから飲んではいけない」

「豚は不浄な生き物だから食べてはいけない」

「この川には龍が住んでいるから近くに家を建ててはいけない。」

など、衛生意識や災害への備え、戦い方など人類が生き延びるための知恵が物語という形で受け継がれてきました。

これは他の動物にはできないことです。基本的に動物は経験によって学び、それを世代を、そして集団を越えて伝える術を持っていません。

人類を地球上でここまで繁栄させる役割を担ったストーリーは、人類最強の武器と言ってもいいでしょう。

ストーリーという弱点:人間の脳はストーリーをほぼ無条件に信じるようにできてしまっている

ストーリーの力を使って人類は繁栄してきましたが、同時にとてつもない弱点もはらんでいます。

そう、人間の脳みそはストーリーを信じすぎてしまうのです。

冒頭の話に戻りましょう。

私たちはたとえフィクションであったとしても、心が動かされてしまうのです。

たった120分程度の時間で「この世のどこにも存在していない人のために泣ける」ってよく考えたらおかしくない?

例えば、120分くらいの感動モノの映画があったとしましょう。

最初のシーンで通行人Aが死んでしまう場面があったとして、泣いてしまう観客はどれくらいいるでしょうか?

ほとんどいませんよね。だって意味わかんないですもん。映画が始まって突然なんの役割も持たない通行人の人が死んでどうしろと?って感じですよ。

しかし、これが90分間にわたって主人公と絆を深めてきたヒロインが亡くなるシーンだったらどうでしょう?泣いてしまう人、いますよね?

通行人もヒロインも、どちらの人物もフィクションの住人です。現実であるこの世界には存在しません。

「はい、カット―。」の声がかかれば役者は動き出す。そんなこと冷静に考えれば分かるはずですが、ストーリーに夢中になっている間はどうしてか感動してしまいます。

よく考えたらおかしいですよね。現実には存在しない、出会って言葉を交わしたわけでもない架空の人物の死に、涙を流すなんて。

この、よく考えたら異常な現象を引き起こすのがストーリーの力です。

実在しない架空の人物の死に涙を流させることができるんです。実在するあなたの商品を「欲しい」と思う気持ちにすることなんて余裕そうじゃないですか?

ようやく今回の主旨が分かってきましたね。

そうです。今回は、ビジネスにおけるストーリーの力の凄さを実感してもらおうという記事です。

商品力が弱いものでさえ売れてしまうストーリーの力

よく考えて欲しいのですが、カネもない、コネも無い、スキルもないし実績もない、あるのは少しの時間だけ。そんな圧倒的な持たざる者が開発した商品、大体は売れません。

持たざる者が最初から凄まじい価値を持った商品開発をすることなんて、まぁ、ありません。しかし、それでも売る必要がある。

そんなとき、あなたならどうしますか?

安売りも一つの手です。ただ、これまで何度もお伝えしてきましたが安売りは一歩間違えれば地獄への片道切符です。

このような状況の時に値下げもせず、売ることができるのがストーリーの力です。長期的にビジネスを成功させるためには商品力が必要ですが、一定の壁であれば無視できるほどストーリーの力というものは強力です。

ゴミ商品を販売する手口

例えば、詐欺系の情報商材を想像してみてください。

1日10分スマホだけで毎日10万円を稼ぐ!とか、最強FXシステム、完全自動で月利20%を稼いでくれる!みたいなやつです。

キャッチコピーは強力で、"効果が本当なら"商品価値がめちゃくちゃ高いのですが、普通に聞いたら信じられませんよね。

騙される側の知能が著しく低い場合もありますが、詐欺グループは普通以上の知能を持った人間すらも騙してしまいます。

普通の知能を持った人間の「え、怪しい…」という壁を乗り越えるためによく使われるのがストーリーの力。

下のようなレターがあるランディングページ(LP)を見たことありませんか?


少し昔の話をさせていただきます。20代前半のころ大不況のあおりを受けて就活では100社にお祈りメールを送られました。それでもめげずに頑張ってようやく就職できた企業はとんでもないブラック企業でした…。

日中は鬼のような上司に怒鳴られ、残業代という概念がない会社で、月に200時間以上の残業をしていました。

日をまたぐ前に家に帰ることができれば幸せで、朝のホームを通過する特急電車を見ながら「もう、ここで人生を終わらせた方が楽なんじゃないか…」と考えたことは一度や二度ではありません。

どれだけ働いても給料は増えず、生活するのでさえ精一杯、そんな生活の中、私は体を壊してしまいます。

当然、会社は首になり、貯金も無かったので次第に家賃も払えなくなっていきます…。クレジットカードは止められ、消費者金融からの借金が返せず、回収の日が来るたびに布団にうずくまり、息を潜め怯えるという生活を送っていました。

このまま生きていても迷惑をかけるだけだと思った私は全てを捨てて逃げることを決意しました。

~~~中略~~~

そこで○○という稼ぎ方を知ります。

~~~中略~~~

一度無くなったような人生ですから、本気で取り組みました。その結果、3ヶ月後には100万円、半年後には300万円の収入が得られたのです。

あれだけだめで、何もできなかった私でさえ~~~

~~~
~~


手を変え品を変えながらストーリーを利用して信じ込ませているのです。「怪しい商材」という感想を持っていた人間がいつの間にかストーリーに引き込まれ、真実味を感じるようになります。

なぜか?人間の脳はストーリーをほぼ無条件に信じてしまうからです。しかもビフォーアフターのように変化が明確なものを見せられると効果倍増です

つまり「どん底から成功者へ」というストーリーを信じてしまう過程で、そのために使った手段(情報商材の内容)すらも信じてしまう。そんなバグのようなことが起きてしまっているのです。


あなたのビジネスでストーリーを活用する方法

人間がストーリーを半ば強制的に信じさせられてしまうことは分かった。ただ、スモールビジネス大全の読者の皆様が気になっているのは「私のビジネスにどうやって活用したらいいんですか?」というところですよね。分かってます。

感情で買い、理性で納得する

消費者の購買行動を表す言葉に「感情でモノを買い、理性で納得する」というフレーズがあります。

ストーリーはまさに、感情でモノを買わせて、理性で納得させるためにピッタリな道具です。ここからは、あなたのビジネスにおいて、この便利な道具を活用する方法を紹介していきます。

売れる営業になるためのストーリー活用術

Webページだけで使えるのがストーリーではありません。

対面での営業、接客のときにも大活躍するのがストーリーです。

例えば、法人営業をしている際に「このマシンは○○ができる機械です。」というスペックだけを推してませんか?三流です。

「御社の稼働率を大幅に高めて利益率を上げることができます。」とベネフィットを推しだせている人、素晴らしいですが、二流です。

「御社の稼働率を大幅に高めて利益率を上げることができます。御社と同様の境遇にあった会社では~~~から~~~という結果になりました。」とベネフィット、ストーリー、ビフォーアフターが伝えれて一流です。

クライアントからすると、いくらベネフィットを伝えられたとしても「まぁでも営業トークだしな…」と、どこかで疑いの心を持ってしまっているのが現実です。この疑いの壁を超えるためにストーリーを活用してみてください。

超一流はどうなのか?超一流は「良い商品なので買ってください」で売れます。

コモディティ商品でさえ売れるようになるストーリー活用術

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