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極私的ジャズ銘盤選2021春・延長戦

本題の前に、今週の二郎系のコーナー!!!

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いつ振りでしょう、「あいすべきものすべてに ニュータウン店」のラーメン350gニンニクヤサイチョイマシアブラマシマシカラメ。3月某日まん防直前のタイミングで奇跡的に空席時間を狙っての訪問。カエシの強いアルデンテストレート麺で頂く二郎系。完整されたコロナ対策にも感謝、ごちでした。慌てて食べましたのでややピンボケ気味なのはご愛嬌ということで。

あの季刊化発言は一体何だったのか。銘盤選・春まさかの延長戦突入です。

Scott LaFaroの幻影を追いかけて。死後まもなく録音された1962年の音源がこの度発表されました。『Moonbeams』『How My Heart Sings』と同時期のテイクで、シンコペーションを多用する独特のベースラインは、まさしくLaFaroの代名詞とも言える歌い回しです。Chuck Israelの感性が赴くままに、あるいは「Milestones」の名演が3人の脳裏をよぎったか。

Chad LBイタコ説。氏の節々に思わずMichael Breckerの姿を重ねてしまう。おおよそ10年ごとにアップデートされ続けるテナー奏者の系譜とトレンド、例えばChris Potterが、Joshua RedmanがそうであったようにChadもまたこの先の10年間を作っていくのだろうなと感じさせてくれます。スタンダードを突き詰めた本作にもそういった強い意思表示が表れている。

是非歌モノが聞いてみたいけれどなかなか音源が見つからないピアニスト、主宰の中での二大巨頭は、Danny GrisettとNitai Hershkovitsでした。この度待望のリリース、予想を遥かに上回る宇宙的なサウンドに仕上がってます。アコピとエレピがダビングされ絶妙に絡み合う世界観は、Bill Evans『New Conversations』を彷彿とさせる。

Sam Gendelの新作は、52曲収録という驚異的なボリューム。2012年頃から宅録やライブで披露された音源を集めて構成されています。音楽家としての危機意識あるいは問題提起。こんな時代だからこそ音楽を奏でる意味とは。焼き立てのパンを食べられるというありふれた幸せ。ある種、このコロナ禍を象徴するコンセプトアルバムとも言い換えられそう。

豪華2枚組の新作は、クラシック盤とジャズ盤で構成されています。近年、室内楽のジョイントコンサートに意欲的で、相方の演奏に着想を得てその場で即興演奏を披露してみせたり。主宰も現場で体験する機会に恵まれましたが、60歳を迎えてもなお衰える気配のない創作意欲。亡きチックも、天国で微笑んで聞いてくれていることでしょう。

こちらも夢の競演。Dr. Lonnie SmithとIggy Popのコラボレーションなんて、令和3年、一体誰が予想できたでしょうか。しかもフォークロックの草分け的存在であるDonovanの名曲カバーときたもんですから。なんでもLonnieのライブにふらっと遊びに来て一緒に音楽やろうよなんて声を掛けたのだと。なんだかもういろいろと凄くて現実味が皆無。

主宰は非常に不勉強ながら、韓国ジャズの文脈で彼女の存在を知りました。大谷桃さんを中心とするユニットの最新作は、Moonchildから多大な影響を受けたであろうリバーブの効いた優しい音場と、アンニュイながら芯の太さがある音楽性。これらが絶妙な塩梅でミックスされた唯一無二のサウンド。YouTubeチャンネルも開設されてます、充実のラインナップにも納得。

こちらもなかなかの期待盤です。Kevin Eubanks、Obed Calvaireとのトリオ編成で臨んだ本作は、去る30年前にリリースされた『Extensions』の雰囲気が漂っている。満を持してのM-BASE回帰、その先に広がる新しい地平へとリスナーを誘ってくれる1曲に仕上がっています。コロナ禍さえなければ、日本公演も観られたところでしょうか。本当に悔やまれます。

もしもRoy Hargroveが「Poinciana」を奏でたら、主宰はそんな心持ちでこの名曲に酔いしれておりました。記念すべき10枚目のリーダーアルバム。故・佐藤博氏に見出され音楽シーンに登場、瞬く間にスターダムを駆け上がった感のある実力派。近年、よりコンセプチュアルな作風に磨きがかかりさらに音楽観が増幅されている印象。『Dear Gatsby』の後継作的位置付けか。

春の陣・延長戦ラストを飾るのはセルフカバー。アコースティックアレンジを施すことで、オリジナルとは全く異なる質感や奥行きを感じられたりするものですが。正直、恐れ入りました。屋内外を問わぬ非常にアットホームなライブパフォーマンスが魅力の彼女ですが、あの鮮度そのままにパッケージングしてくれました。我ながら早くも夏の陣が待ち遠しい。

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