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心療内科のかわりにサウナに行ったら、人生が救われた話

インドの大学院を出て就職し、福岡で会社勤めをしていたときのこと。
社会人1年目で思い悩むことも多く、残業が続く中で心身ともに疲れ切っていた。

起きて出勤することを思うと涙がぼろぼろ溢れて止まらなくなったある朝、私は1日有給をとって現実逃避しようと思った。

本当は心療内科でも受診したほうがいいのではと思い調べたのだが、どこも予約いっぱいですぐに見てもらえる所はなかった。

家にじっとしていてもどうしようもないので、あてもなく街に出かけて、ドトールで時間をつぶしていた時、兄から前に来ていたLINEを思い出した。

福岡に新たに女性専用サウナがオープンしたので、行ってみれば?という兄からのLINEだった。数年前からサウナにはまっていた兄は、この頃にはもう立派なサウナーだった。

「そうだ、今から行ってみよう!」と予約を入れて向かったのはサウナラボ。1人用の小さめのサウナ室が3つと大きめのサウナ室が1つ、そして水風呂の代わりにマイナス25度の大型冷凍庫のようなアイスサウナがある。

お気に入りのドーム型サウナ

受付でもらったサウナハットとポンチョを着るとまるで自分がムーミンになったような気持ち。体の内側からいい匂いになりそうな、備え付けのお洒落ハーブウォーターを飲みながらサウナに入る。

ドーム型のサウナで寝そべってみる。じわーっと体の内側から温まってくると、「ああこんなに私って冷えてたんだ」と初めて気づいた。

ぼーっと優しい灯りを見つめていると、最近のもやもやしていたことがどうでもよくなってきた。

15分温まってダラダラ汗が流れてきたらアイスサウナに入りクールダウン。サラダ屋でバイトしていた時に毎日入っていた業務用大型冷凍庫を思い出した。体が冷えすぎないうちに出て、リビングで寝そべって休憩。

これを2回ほど繰り返すと、すーっと頭の中が洗われたような感覚になった。もやもやもやもや四方八方に張り巡らされていた思考や悩みのタネがざーっと洗い流されて、「どうでもいいや」状態になった。これが俗に言う「ととのい」という状態か。

心ゆくまでサウナを楽しみ、帰路に着く頃には自分がびっくりするほどリフレッシュされているのを感じた。凝り固まっていた首や肩もほぐれ、足先までぽかぽか。

もう少しがんばれそう、そう思って翌日は会社に行けた。
それからは週末にサウナに行くことを心の支えにするうちにだんだんとメンタルも安定してきた。

会社を辞めてからも、病める時も健やかなる時もサウナに通っている。
思い悩んだらサウナに向かう。そしてととのった時に悩んでいたことへの答えがスッと降りてくる時がある。

なぜなのか、それはサウナでは自分自身と対話ができるからだ。日常生活では常にスマホやパソコンからの情報がとめどなく入ってくる。でもサウナでは肌にぷつぷつとわき上がる汗を見つめるか、自分と対話するしかいない。

うまくいかない彼氏と別れるか否かの答えも、サウナがくれた。SNSのフォロワーの増減で一喜一憂することの無意味さも教えてくれた。

不思議なことに、ある程度のストレスがあったり悩みがある時のほうが「ととのい」度は上がる。ノンストレスで心身も疲れていない時にはあまりととのわない。

人生におけるある程度の苦難やストレスは、より高尚なととのいのための準備運動として受け入れよう、そんな風に思えるから強い。


追伸:サムネのセクシーな女性は私ではありません。


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