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孤独ねグルメ 第六話

赤坂
 
正真正銘の大都会だ
 
 

 
さてと、用事は済ませたがまだ午前中だ
 
 
飯には少し早いか
まだやってない店もある

 
 

 
 
赤坂といえばTBSのお膝元
 
 
せっかくだ
 
ちょっとTBSを拝んでいこうじゃないか

 
 

 
 
こっちでいいのかな?
 
 
いや、駅からすぐ姿をお目見えできるはずなんだが…
 
 
かなり歩いてるぞ
 
 

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なんだ? この急な坂道は
 
 
TBSの社員が毎日通ってるとは思えないぞ
 
 
でもなんか見覚えがあるような…
 
 

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あ!
 
 
これは“赤坂五丁目ミニマラソン”で見てる所じゃないのか?
 
 
それなら合ってるということか?
 
 
いや、ところどころそれっぽい人を見かけるものの
どうも人通りが少な過ぎる
 
 
 
1度駅まで戻って仕切り直しだ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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ふぅ、やっとTBSがお目見えだ
 
 
まるっきり逆方向に行っていたようだ
 
 

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これが噂のビッグハットってヤツか
 
 
 
ドラマのポスターがいくつもあったり
人の流れといいこっちが本物だな
 
道もなだらかだ

 
 

 
 
しかしずいぶん歩いたな
 
 
さすがに疲れた
 
 

 
 
いや、
 
 
 
腹が
 
 
 
減った
 
 
 

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店を探そう
 
 
 
時間は…うわっ! もうすぐ12時だ
 
だいぶ時間をロスしてしまった
 
 
この大都会で乗り遅れることは
すなわちランチ難民になることを意味する
 
 
急がねば!
 
 
 

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なるほど
 
敷地内にお店もあるのか
 
 
ここで探すのが賢明な判断ではないか
 
 

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ここだな
 
 
いざ、都心のど真ん中へGOだ
 
 
 

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うわぁ、なんてシャレオツな建物だ
 
少し苦手な雰囲気…
 
 

 
気圧されるな!
 
 
時間は待ってくれないぞ
 
 
どの店にするか
 
 
 
今日はかなり暑いからガッツリ系はちょっと…
 
 
何かさっぱりとっとと食べられるものは、と
 
 
 

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蕎麦か
 
 
いいじゃないか
 
 
 

店員“何名様ですか?”
 
六郎“1人で”
 
店“こちらのカウンターへどうぞ”
 
 

 
 
既にお客さんがけっこう入ってる
 
 
そういえばこういったかしこまった蕎麦屋に入るのは初めてかもしれない
 
色々と間違えないように心してかからねば
 
 
 

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メニューがもうかしこまってる
 
 
えぇい、緊張するな!
 
 
 

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う〜ん、今日はやっぱり冷たい蕎麦だよな
 
いつもならこういうガッツリ系をいきたいところだが
 
 

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天ぷらも…今は違う
 
 
とにかくさっぱり食べたい
 
 
 

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うん、やっぱり
 
 
六“すみません、せいろそばください”
 
店“はい、かしこまりました”
 
 

 
 
さてと、けっこう混んでるからどれくらいで来るかな
 
 
 

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コップの形がオシャレだ
 
 
ん? このお茶、普通じゃない
なんていうか、香ばしいな
 
何茶なんだろうか
 
 
店“いらっしゃいませ、何名様ですか?
1名様、カウンターにどうぞ”
 
“いらっしゃいませ、2名様、こちらのテーブル席にどうぞ”
 
“3名様ですか? 只今用意致しますので少々お待ちください”
 
 
 
聞いてみたいが…店員さん、忙しそうだ

 
 

 
 
お客さんの中にはスタッフジャンパー着てる人もいる
 
さすがテレビ局の敷地内だな
 
 
それにしてもスタッフジャンパーの人とスーツの人が同じテーブルで食べてる光景はすごい違和感だな
 
これからロケに行く人と外には出ず局内で作業する人
 
 
それぞれ立場や役職が変われば働き場所も変わる
 
 
資本主義の縮図だ
 
 
ここには社会がある

 
 
 
 
 
店“お待たせ致しました”
 
 

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来た!
 
 
このお猪口に麺つゆを入れるんだな

お猪口というにはデカいかもしれないが何て呼べばいいのかわからん
 

 
 
いや、まずは何もつけずに麺だけいただくか
 
 
 
1つ1つ確認しないと
こんな店で粗相をするわけにはいかない
 
 
 

 

いただきます
 
 
ズルズルッ
 
 
ツルツルで歯ごたえもあって美味しい
 
この風味、よもぎが練り込んであるのか?
よく見たらうっすら緑がかっている
 
 
こりゃさっぱりいただける

 

 
 
 
次はつゆを半分つけて、と
 
 
うん、つゆも濃すぎない上品な味だ
 
 
 
わさびやねぎはつゆじゃなく蕎麦に直接つけるんだな
 
 
確かに風味がダイレクトにくる
 
 

 
 
大人な食べ方
大人の味わい
 
 
俺は今、間違いなく大人だ

 
 
 
 
 
…いい歳こいたオッサンが何言ってんだか
 
 
こんな子供いるわけないじゃないか

 

 
 
 
店“お先にこちら置いておきます”
 
 

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蕎麦湯か
 
 
これは残ったつゆを割って飲めばいいんだよな?
 
 
 
それじゃ、蕎麦を一気に片付けるか

 
 
 
んん、割ってるとはいえ麺つゆをこんなガブガブ飲むのも変な感じがするが…
 
これも大人の嗜みってヤツなのか

 
 

 
 
六“お会計お願いします”
 
店“はい、ありがとうございました”
 
 
おっと、そうだ
 
六“すみません、あのお茶は何茶なんですか?”
 
店“こちらになります”
 
 
貼り紙“当店では水出しそば茶をお出ししております”
 
 
六“そうですか! 美味しかったです”
 
店“ありがとうございます”
 
 
 
 
 
う〜ん、レジ横に貼ってあるなんて思ってもなかったな
 
 
どこか別のところにもあったのか
 
見つけられなかったが…
 
 
 
それにしてもお茶の話した後に
“美味しかったです”
って少し変だったかな?
 
 
“もちろん蕎麦も美味しかったです”くらい付け足しとくべきだった
 
 
 
 
 
いい歳こいてるし大人なのは当然だが
“粋な大人”にはまだまだ程遠いな
 
 
精進精進
 
 

 
 

第六話 港区赤坂の“大人”蕎麦
 

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