さくさく

趣味は人の心を動かすこと。 長年、漫画をその手段としてきましたが、文章でもそれが出来な…

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趣味は人の心を動かすこと。 長年、漫画をその手段としてきましたが、文章でもそれが出来ないかと模索中です。 このnoteでは短編小説やエッセイを書いています。 2023年1月に短編小説集「さくさく文庫①水滴の転生」を、6月に「さくさく文庫②市長引退」をKindle出版しました。

マガジン

  • さくさく文庫①~水滴の転生~

    2023年1月に初めてKindle出版した短編小説集「さくさく文庫①水滴の転生」。 その本に掲載した短編小説と関連記事を集めました。小説はどれも途中まで無料で読めますので、試し読みにぜひどうぞ!

  • さくさく文庫②~市長引退~

    2023年6月に2冊目のKindle本を出版しました。短編小説集「さくさく文庫②市長引退」です。 その本に掲載した短編小説と関連記事を集めました。小説はどれも途中まで無料で読めますので、試し読みにぜひどうぞ! ※kindle版では、これらの小説以外に「ダンサー志望」という短編小説も読めます。

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【短編小説】てのひらの春

このジャンケンに勝ちたい。 祈る思いで、握った右手を左の手のひらで包み込んだ。 目の前では久嶋さんが両手を組んで腕をくるりと回転させ、手の中をのぞいている。なにを出せば勝てるのかを探っているのだろう。 彼女も勝ちたいのだ。 あの言葉を言う権利を獲得するために。 「くっしーには似合わないじゃん、あきらめろよー」 クラスメイトの男子が久嶋さんをからかう。 「うるさいよ、そこー!」 久嶋さんが男子を指差していつも通り適当にかわすと、教室全体から笑い声があがった。 誰とでも

    • 少し前から無性に「ドラえもん」の漫画が読みたくて、昨日1冊だけ電子書籍でコミックスを買いました。 45巻まで発行されてるけど、試し読みで数冊読んで、収録されているタイトルを見て面白そうだった32巻にしました。 子供の頃に2冊持ってたけど、やっぱり期待通りに面白かったです。読了!

      • 再びご紹介にあずかりました

        嬉しいことに、再びご紹介やご感想をいただきましたので有難くご紹介させていただきます。 創作大賞2024に応募するため、2作目の創作漫画を掲載しました。 こちらの漫画です。 この漫画に対してご感想を寄せていただきました。 嬉しいお言葉をいっぱい戴けて、ホクホクした気持ちでいます。 今後、創作に行きづまった時に見返すとパワーがもらえそうですので、自分のためにもご紹介記事をまとめておきたいと思いました。 ご紹介くださったお一人目は、福島太郎 さんです。 このnoteに初めて

        • 【創作漫画】はじめての転校 #創作大賞2024

          ◆あらすじ 川嶋いろは。15歳。中学3年生。 この度転校することになった。 友達ができるか、うまくクラスに馴染めるか、と不安はいっぱい。 緊張の中、新しい中学校で同じクラスになったクラスメイト達との交流が始まる。 果たして友達はできるのか? うまくクラスに馴染めるのか? 見知らぬ環境に一人で身を置くことになった少女の、転校にまつわる物語。 連作短編漫画。 (漫画32ページ)

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        【短編小説】てのひらの春

        • 少し前から無性に「ドラえもん」の漫画が読みたくて、昨日1冊だけ電子書籍でコミックスを買いました。 45巻まで発行されてるけど、試し読みで数冊読んで、収録されているタイトルを見て面白そうだった32巻にしました。 子供の頃に2冊持ってたけど、やっぱり期待通りに面白かったです。読了!

        • 再びご紹介にあずかりました

        • 【創作漫画】はじめての転校 #創作大賞2024

        マガジン

        • さくさく文庫①~水滴の転生~
          10本
        • さくさく文庫②~市長引退~
          8本

        記事

          ただいまご紹介にあずかりました

          タイトル通りご紹介にあずかりましたので、有難くご紹介させていただきます。ただいまと書いていますが、ご紹介いただいたのは1ヶ月ほど前になります。 今年、はじめてnoteで創作漫画を掲載しました。こちらです。 この漫画に対してご感想を寄せていただきました。 自分の記事を書くことで精一杯な私からすると、私の記事のために貴重なお時間をいただくことに申し訳なさと有難さでいっぱいになります。本当にありがとうございます! ご紹介くださったお一人目は 福島太郎 さんです。 今回の創作

          ただいまご紹介にあずかりました

          【短編小説】ドッジボール日和

          こんな日はドッジボールに限る。 教室の窓から見える青空を、俺はイスに座ったままうらめしく見上げた。 いつでも立ち上がれるように、斜め四十五度の前傾姿勢で次の指示を待つ。 「フルーツバスケット!」 その声に、座っていた俺は立ち上がった。 急いで空いている席を探す。 四十脚のイスが円形に並べられた教室で、クラスメイト全員が右往左往する。 さっきから「A型の人!」だとか「兄弟がいる人!」だとか、イスに座れず鬼となったクラスメイトが円の中心に立って叫んでいる。 その条件に該

          【短編小説】ドッジボール日和

          【予告】短編小説「てのひらの春」の続編を書きました

          数日前に13000字程度の短編小説を書き上げました! 今回書いたのは、約1年前にnoteに掲載しました「てのひらの春」という卒業小説の続編となります。 卒業後の、とある中学1年生のゴールデンウィーク辺りの物語です。 続編の書き方に悩んだこともありましたが、その後の彼らのことを考えている時間はとても楽しかったです。私自身、楽しんで書けました。 書き上がった小説は現在推敲中ですので、完成次第掲載いたします。 ここ数日中です。 今回の短編小説だけでも楽しめますが、その前に「

          【予告】短編小説「てのひらの春」の続編を書きました

          【創作漫画】しあわせなら手をたたこう #創作大賞2024

          ◆あらすじ 里帆にはかなえたい願いがある。 それは、片想いしている八嶋くんとハイタッチがしたいということ。 両想いになれたら嬉しいけど、なれなくても、せめてハイタッチができるような友達になれたらと思っている。 八嶋くんとハイタッチをするために、チャンスをつかみにいったり、クッキーを作ったりして努力する里帆だが空回りばかり。 そんなある日、ケーキ屋さんの前でほほえむ八嶋くんを見かけた里帆。 里帆に気付いた八嶋くんが、「グッドタイミング!!ちょっとこっち来て!」と里帆の腕を引っ張

          【創作漫画】しあわせなら手をたたこう #創作大賞2024

          iPad Proを買いました

          以前から、お絵かきソフト「CLIP STUDIO PAINT」を使ってデジタルで漫画を描きたいと思っていました。 これまでデジタルではほとんどイラストや漫画を描いたことがありませんでした。 ですがデジタルお絵描きの技術を習得することで、自分のこれからの人生が何か変わるのではないか、今後の自分を助けてくれることになるのではないかと思えたんです。 「CLIP STUDIO PAINT」は、パソコン本体にペンタブレットや液晶タブレットといったデジタル描画専用の機器をつないで利用

          iPad Proを買いました

          本屋大賞2024 発表数時間前

          本日4/10(水)は、本屋大賞2024の発表日です。 ここ2年間ほど、たまたま仕事が休みだったり、無職の時期があったりでライブ配信を見ることが出来ていたのですが、今日は見ることができません。 それでも楽しみな気持ちが抑えられず記事にしました。 どの作品が大賞を受賞されたか、仕事中にネットでニュース検索してしまいそうです。 今年は推し作家さんが2名いらっしゃいます。 どちらも過去にサイン会や講演会で直接お会いしたことのある作家さんで、会ってみたい衝動から、いつもは出さない持

          本屋大賞2024 発表数時間前

          8ヶ月~1年ほど前に予約した図書館本。 その順番が最近一気にまわってきているので、読むのに大忙しです。 予約枠に空きができたので、次はどの本を予約しておこうかと検討中。 過去の本屋大賞ノミネート作を、順に読み進めたいです。

          8ヶ月~1年ほど前に予約した図書館本。 その順番が最近一気にまわってきているので、読むのに大忙しです。 予約枠に空きができたので、次はどの本を予約しておこうかと検討中。 過去の本屋大賞ノミネート作を、順に読み進めたいです。

          【短編小説】七年目の浮気

          浮気だと言われればそうかもしれない。 後ろめたい気持ちをどうすることもできないまま、自宅の玄関ドアに鍵をかけた。 わたしを見下ろす冬の空は、今にも雪を降らせそうなくらい白い色をしている。 吐く息も一瞬で白くなり、少し昇ってから広がって消えた。 コートのポケットに鍵を入れて、わたしは歩きだす。 あなたと出会って、気がつけば七年もの歳月が流れていた。 初めてあなたと出会ったあの日のことは今でも鮮明に思い出せる。 わたしはあなたの才能に惹かれたのだ。 この日一日だけのこと

          【短編小説】七年目の浮気

          2023年を振り返ってみました

          あけましておめでとうございます 12/31まで仕事でしたので、年が明けてから、ようやくの振り返りです。 振り返るための材料をnoteさんが用意してくださってますので、今年も便乗させていただきます。 まずはこちら。 2023年は、7月に掲載した季節はずれの卒業小説が、いちばん読んでいただけた記事となりました。 この小説を掲載したのは7/18のことでした。 掲載した翌日は仕事で、休憩時間もnoteのチェックなどはできないまま退社時間の22時を迎えました(特殊な業界なのでこ

          2023年を振り返ってみました

          noteでやってみたいことがありまして、記事を作成する準備中の今日この頃です。が、ゆっくりとパソコンに向かう時間がとれなくて、すでに数週間足踏み状態……。 「てのひらの春」の続編も少しずつですが書いています。長くなりそうですが読んでいただけたらいいなぁ。

          noteでやってみたいことがありまして、記事を作成する準備中の今日この頃です。が、ゆっくりとパソコンに向かう時間がとれなくて、すでに数週間足踏み状態……。 「てのひらの春」の続編も少しずつですが書いています。長くなりそうですが読んでいただけたらいいなぁ。

          10月の不思議

          一年前の先週、私は大阪と東京を行ったり来たりしていました。 武道館で催されるOfficial髭男dismのライブチケットが当たったからです。それも同じ週に2日分も。 その騒動についてはこちらの記事で残しています。 昨日、Xをなにげなく見ていたら、一年前のこのライブのことや、東京に行ったついでに訪れた「神田古本まつり」のつぶやきや写真がたくさんあがっており、一年前を思い出して、もう一度あんな時間を過ごしたい、としみじみ思ってしまいました。 旅の最後にとんでもないどんでん返

          10月の不思議

          アンデルセンだと思っていたら

          幼い頃の私は、文字だけの本をめったに読まない子供でした。読むものといえば漫画ばかり。 そんな私でも、何かのきっかけで文字だけの本を買ってもらうことがありました。 買ってもらった本は、繰り返し何度も何度も読みました。 その中の一冊として記憶にあるのは、子供向けの童話集でした。 赤い表紙の、しっかりとした装丁だったのを覚えています。 その背表紙に書いてあったタイトル。 私はついさっきまで「アンデルセンどうわ」だと思っていました。 でもどうやら違うようなのです。 この

          アンデルセンだと思っていたら