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正しく「伝わる」ための工夫|カルチャー浸透を推進するphilosophy book

こんにちは。Moritaです。

先日、サクラグの組織としての価値観を明文化した「philosophy book」を公開しました。


近年、カルチャーブックを作成している企業が増えてきましたが、なぜこのタイミングでサクラグでも作成したのか、どんなことを解決したいのかについて書きました。

最近ではありがたいことに様々な人事の方々からカルチャー浸透について相談を受ける機会が増えており、下記のような方々のご参考になれば嬉しいです。

・組織づくり・文化づくりに課題を感じている方
・カルチャー醸成や浸透に力を入れたいと考えている方
・オンボーディングに課題を感じている方

Morita
愛知県名古屋市出身。愛知教育大学で宇宙物質科学を専攻し、2019年4月に新卒入社。新人賞受賞をきっかけに入社前から目標にしていた事業立ち上げを2年目から行い、現在は事業責任者として『Sangoport』を運営。また並行して採用責任者として組織づくりに携わり、2023年10月に執行役員CHROに就任。

ビジョン・パーパス・カルチャーを重視する理由

サクラグでは、ビジョン・パーパス・カルチャーを軸にした経営に転換してから、採用も軌道に乗り、定着率も上がり、その結果業績アップへと繋がったという経緯があります。そのため、組織作りにおいてのビジョン・パーパス・カルチャーを非常に重要視しており、様々な取り組みを行っています。

ビジョン・パーパス・カルチャーについて、社内イベントや表彰を通して再確認する機会、代表や役員陣から全社向けに発信する機会は多々ありますし、私自身も採用のフロントに立つことが多く、何百回と繰り返し、沢山の方に伝えてきました。

しかし、繰り返し伝え続ける中で、実際にはこちらが思っているように相手に伝わっていない、伝える側が「伝える」を「伝わっている」と取り違えてしまっているなと感じることがありました。

「philosophy book」を作ろうと思ったきっかけ

ある時、新卒研修の中で「サクラグの方向性がわからない」「期待がわからない」という声があがりました。組織として目指す方向、期待していることは定まっているにも関わらず、それが上手く伝わってないということです。

またある時は、入社して1年程の中途メンバーと話している際にサクラグの価値観についての齟齬を感じました。その時に、1年経ってもまだまだ齟齬があるということは、今の取り組みでは不十分なのではないか、一度体制を見直す必要があるのではと感じました。

もちろんメンバー間のコミュニケーションの取り方や質も原因の一つかもしれませんが、組織の価値観や方向性、期待をオープンに伝えていく重要性を感じた機会となりました。
メンバーに一方的に期待するだけではなく、サクラグを分かりやすく伝えてちゃんと相手に「伝わっている」状態にするため、オンボーディング資料としてカルチャーブック「philosophy book」を作ることを決意しました。

新卒と中途、それぞれに向けたアプローチ

新卒メンバーについては、受け入れ体制や研修内容を毎年アップデートしながら整えており、伝え方もメンバーの成熟度やその時の様子を見ながら、4月に伝えること、夏頃に伝えること、冬頃に伝えること、2. 3年目で伝えることと、その時の状況に合わせながら都度内容を変えています。
新卒入社メンバーの執行役員就任をはじめ、様々な領域で前線を張ってくれているので、それらの実績からも新卒メンバーへのカルチャー浸透はある程度上手くいっていると感じていました。

その一方で、即戦力採用である中途入社メンバーの受け入れ体制はOJTが中心で、フィロソフィー理解に苦戦することも多々あり、カルチャー浸透に課題を抱えていました。でも、よくよく考えるとそれは当たり前のことなんです。
組織で働くことが初めてでまっさらな状態の新卒メンバーと、これまでに所属していた企業によって既にそれぞれの文化や価値観を持っている中途メンバーでは、そもそもの前提が違うからです。
以前はそれを理解しながらもある程度一緒に働けば分かってくれるだろうと思っていましたが、今思えば、メンバーに期待するばかりでオンボードしてもらうための配慮が欠けていたんですね。

2023年秋ごろから、中途メンバーを対象としたオンボーディングに力を入れ始めました。
新しく入った中途メンバーに対して、カルチャーやサクラグの価値観を分かりやすく伝えるところからスタートしたのですが、この時の内容が「philosophy book」の土台となっています。

解決したい課題は2つ

「philosophy book」作成によって解決したい課題は2つありました。「カルチャーの解釈が人によりマチマチであること」「暗黙の了解となっている価値観があること」です。

1つ目の課題「カルチャーの解釈が人によりマチマチであること」に対しては、カルチャーのグレード分けを行いました。
サクラグには7つのカルチャーがあるのですが、それぞれのグレードを5段階で表現することで、より具体的な共通イメージを持ち、行動に落とし込みやすくしました。

例えば、「スピード」というカルチャーの場合だとこんな感じです。
特に、グレード4に会社の色が出ると考えました。サクラグでは、もちろん成功に向けて取り組むのは大前提ですが、例え失敗したとしても早く着手してやりながらピボットしていくことを大事にしています。

philosophy bookより引用


2つ目の課題「暗黙の了解となっている価値観があること」に対しては、価値観を言語化しました。
サクラグの中で大切にしている価値観や共通言語などの暗黙の了解で浸透していたことも言語化し、それぞれの具体的な考え方、意図することの補足を丁寧に入れています。

また、どんな場面で意識すればよいのかを明確にするため、それぞれを「組織」「キャリア」「業務」「DEI」の4つのカテゴリに分けました。
例として、業務カテゴリの「まずはやってみる」はこちらです。

philosophy bookより引用


最後に

こうしてできたphilosophy bookは、サクラグの価値観が詰まった資料です。
新しく参画してくれたメンバーがこれを読み、サクラグを知り、理解してくれる。また、サクラグで業務する中で方向性を確認できる資料にしたいという思いを込め、コーポレートサイトなどで使っていた「フィロソフィー」という言葉を入れました。
philosophy bookの今後の活用方法としては、語り手が変わっても伝わる内容の齟齬が出ないようなオンボーディングハンドブックの作成や、カルチャーグレードの評価制度への組み込み等を検討しています。

カルチャー浸透は単に資料を作ったからといってできるものではありません。サクラグではこれまでに様々な取り組みを重ねて、ここまでやってきました。
皆さんがビジョン、パーパス、カルチャー浸透に取り組む手段の一例として参考になれば嬉しいです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。読んでくださった皆さんも一緒に、最高な組織を作るために奮闘しましょう。