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#ラフカディオハーン
Of a Promise Kept
取らぬ狸の皮算用
春めく座敷へと覗く枝垂れ桜
見猿 聞か猿 言わ猿
通して 暗い夜へと見送った
いつも背中合わせでいる限り
百里離れても怖くない
寂しい時には菊を待ち
盃一つ飲み干せば
永久(とわ)の約(ちぎり)を思い出す
こんな私でいいものか こんな私でいいものか
身体は呪われ 心は浅まし 待ち恋しい
"月日に関守(せきもり)なし"という
ようやく菊花の季節 九月九日
いろいろ
Of a Promise Broken
約束は口約束でも交わしたことに違いはない
唇を近付けて 私はあなたに尋ねるの
「私の代わりに誰がこの家に来るのか」
あなたは泪ぐみながら 「誰も来ぬ」と云った
侍の信義にかけた愛の約束で
息の根を引き取った私を梅の木のそばに埋めた
小さな鈴がしゃりんと鳴れば
屋敷の庭を見てごらん
経帷子(きょうかたびら)身に付けて
遍路の鈴が目もなく舌もない私が裏を取る
約束は口約束でも忘れちゃ